Das Lied Von Der Erde: Nagano / Montreal So K.f.vogt(T)Gerhaher(Br)
Customer Reviews
Showing 3 star reviews > Read all customer reviews
Showing 1 - 1 of 1 items
-




ほんず内閣総理大臣 | 北海道 | 不明 | 17/February/2013
実にユニークな「大地の歌」。その方向性は基本的に歌手の選択に表れていると言えましょう。テノールは通常、ワーグナーの外題を歌うヘルデンテノールが起用されます。但し、ジークフリートやトリスタンのようなスーパーへヴィー級ではなくて、ローエングリンやジークムントのようなユーゲントリッヒャー・テノールが多いですかね。やっぱり第1楽章(第1曲)で大オーケストラ相手に勝負しなければなりませんし、歌詞内容も厭世的に負けてしまいそうな主人(友人)を叱咤激励する強さが必要ですからね。「この曲にいまだにヘルデンテノールを…」と言っている方がいますが、むしろ曲自体はそれを要求していますぜ。ところが第3・5曲ではもっと柔らかく繊細な表現が求められまして、なかなかそれが難しい。カラヤンでしたっけ、実演で二人のテノールを使った指揮者もいるくらい。一人にして完璧なテノールは得難いものです。ただ、声質自体はリリックでも声量さえあれば大丈夫なので、ヴンダーリッヒやシュライヤーらが歌ったのもそのせいでしょうかね(想像です。実演聴いておりません。違ってたらお許しを)。フォークトさんは今や最高のローエングリン歌い。声量的には問題はなく、そのやわらかい声と歌い方が特徴です。それがここでもはっきりとうかがえまして、やはり第1曲では違和感を覚えます。管弦楽が放射するシャープさやヴォリュームと噛み合わない、軟弱さを感じてしまいます。第3・5曲はいいでしょう。ただそこでも何か芯のない脆弱さを感じます。フォークトさん、きりっとした凄みを出してもいいのでは。ゲルハーヘルの起用もなかなかに奥深い。歌のスタイルとしてはフォークトと同じで、朗々と歌うよりかは柔かい抒情を基調にしてソフトな姿勢。アルトを使うと「歌い過ぎて」オーケストラを打ち負かし、独り舞台のようになってしまう場合もあります。それに比してここでのバリトン独唱、ゲルハーヘルは決して歌い過ぎず、詠唱であるよりかは語りにも近いような歌です。その意味ではまさにフォークトとぴったりの絶妙のコンビであり、そしてそれはそもそもナガノさんのコンセプトなのでしょう。管弦楽部も決して咆哮せず、実に繊細な表現を求めており、上記の歌の特徴が当てはまります。結果、交響曲「大地の歌」ではなく、抒情歌曲集「大地の歌」であります。そういえば近頃は、「大地の歌」はもともと交響曲ではなく歌曲集なのだという見解が出ておりますが(かなり説得的です)、そういう見方を演奏として具現化してみせたような出来栄えといえましょうか。個人的な好みとしては正直不満がありますけど(私としてはもっと「勁さ」が欲しい)、ユニークな試みとしては大変興味深いディスクであります。オケは相変わらず超優秀。録音も優秀。4 people agree with this review
Showing 1 - 1 of 1 items
