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Mahler (1860-1911)

CD Das Lied Von Der Erde: Nagano / Montreal So K.f.vogt(T)Gerhaher(Br)

Das Lied Von Der Erde: Nagano / Montreal So K.f.vogt(T)Gerhaher(Br)

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Showing 1 - 8 of 8 items

  • ★★★☆☆ 

    ほんず内閣総理大臣  |  北海道  |  不明  |  17/February/2013

    実にユニークな「大地の歌」。その方向性は基本的に歌手の選択に表れていると言えましょう。テノールは通常、ワーグナーの外題を歌うヘルデンテノールが起用されます。但し、ジークフリートやトリスタンのようなスーパーへヴィー級ではなくて、ローエングリンやジークムントのようなユーゲントリッヒャー・テノールが多いですかね。やっぱり第1楽章(第1曲)で大オーケストラ相手に勝負しなければなりませんし、歌詞内容も厭世的に負けてしまいそうな主人(友人)を叱咤激励する強さが必要ですからね。「この曲にいまだにヘルデンテノールを…」と言っている方がいますが、むしろ曲自体はそれを要求していますぜ。ところが第3・5曲ではもっと柔らかく繊細な表現が求められまして、なかなかそれが難しい。カラヤンでしたっけ、実演で二人のテノールを使った指揮者もいるくらい。一人にして完璧なテノールは得難いものです。ただ、声質自体はリリックでも声量さえあれば大丈夫なので、ヴンダーリッヒやシュライヤーらが歌ったのもそのせいでしょうかね(想像です。実演聴いておりません。違ってたらお許しを)。フォークトさんは今や最高のローエングリン歌い。声量的には問題はなく、そのやわらかい声と歌い方が特徴です。それがここでもはっきりとうかがえまして、やはり第1曲では違和感を覚えます。管弦楽が放射するシャープさやヴォリュームと噛み合わない、軟弱さを感じてしまいます。第3・5曲はいいでしょう。ただそこでも何か芯のない脆弱さを感じます。フォークトさん、きりっとした凄みを出してもいいのでは。ゲルハーヘルの起用もなかなかに奥深い。歌のスタイルとしてはフォークトと同じで、朗々と歌うよりかは柔かい抒情を基調にしてソフトな姿勢。アルトを使うと「歌い過ぎて」オーケストラを打ち負かし、独り舞台のようになってしまう場合もあります。それに比してここでのバリトン独唱、ゲルハーヘルは決して歌い過ぎず、詠唱であるよりかは語りにも近いような歌です。その意味ではまさにフォークトとぴったりの絶妙のコンビであり、そしてそれはそもそもナガノさんのコンセプトなのでしょう。管弦楽部も決して咆哮せず、実に繊細な表現を求めており、上記の歌の特徴が当てはまります。結果、交響曲「大地の歌」ではなく、抒情歌曲集「大地の歌」であります。そういえば近頃は、「大地の歌」はもともと交響曲ではなく歌曲集なのだという見解が出ておりますが(かなり説得的です)、そういう見方を演奏として具現化してみせたような出来栄えといえましょうか。個人的な好みとしては正直不満がありますけど(私としてはもっと「勁さ」が欲しい)、ユニークな試みとしては大変興味深いディスクであります。オケは相変わらず超優秀。録音も優秀。

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  • ★★★★★ 

    スカルダネリ  |  東京都  |  不明  |  04/April/2010

    第一曲でのテノールの非ヘルデンテノール性は驚くべきものだ。澄んだ美声で晴れやかに穏やかに謳いあげる。ここには英雄的押し付けが一切なく,華やかな宴席に闖入して縁起でもないことを馬鹿でかい声でくどくど言い立てるKY男,という悪印象を払拭する。バリトンのゲーハーアーも見事で,男声のみのこの曲を苦手とする方にお勧めしたい。精密繊細にして推進力にも欠けない指揮とオケも素晴らしい。新たな「大地の歌」像を提示した画期的録音。

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  • ★★★★★ 

    nob  |  AUSTRIA  |  不明  |  14/March/2010

    いまだに「大地の歌」のテノールを「ヘルデンテナー」で聴きたいという人がいるのには驚きです。全くナンセンス。歌詞からいっても、対極にあるのと思うのですが。フォクトは立派なテノールです。PAなんて必要ありません。大オペラハウスで、「死の都市」のパウルや、ローエングリンを立派に歌える人です。ゲルハーヘルの歌唱とともに、賞賛されてしかるべきものです。

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  • ★★☆☆☆ 

    eroicka  |  不明  |  不明  |  17/October/2009

    古楽の宗教曲のようなテノールには、「なんじゃこりゃ」。思わずのけぞったというか吹きました。以前、FMでナガノ指揮の大地の歌のライヴを聴いたときは、テノールは普通のヘルデン風歌唱(歌手は誰だか思い出せないがこのK.F.フォークトとは別人)だったが、この歌手には、強い違和感を感じる。他の評者がご指摘のようにDECCAのワルター盤のパツアークを思わせる部分もあるし、第3楽章のように繊細な魅力もあるが、やはりffで埋没気味になるのはしんどい。ジークフリートをマタイの福音史家の歌唱で歌うかのようだ。精緻で狂気や葛藤という精神的な部分を排し、現代音楽の視点で純粋に音楽を精緻に理知的に表現しようという狙いには一定の理解は示せるが、行き過ぎだ。バリトンが歌う偶数楽章は良いが、1、5楽章は違和感が拭えなかった。線の細い高いテノールが大オーケストラの音の洪水に埋もれず声を通して歌うというのは、セッション録音ならではの表現であり、ライヴならどうするのだろうか。野外の三大テナーのようにPAでも使うのか。機会があれば、普通のヘルデンテナーを起用した形で再録音してほしい。

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  • ★★★★★ 

    Stuemper  |  愛知県  |  不明  |  10/June/2009

    以前、FMでナガノが別のオケと演奏した『大地』のライブを聴き、特に終楽章の多声的な処理が絶妙で大変感心した記憶があり、期待して聴いた。ブーレーズ盤に続く脱神話化を徹底させるというコンセプトが貫かれ、それがソリストの声の選択にも関係していると思う。ゲルハーエルは文句なしだが、フォークトには賛否が分かれよう(パツァークの系譜?)。OSMの本拠地プラス・デザールのホールと別に彼の声をミュンヘンで別録りしているのも、どう評価したらよいものか。結論的にはユニセックス的なこうした声はモントリオールの(木管ソロの巧みさは言うまでもなく)弦楽器の繊細な音色と合致して悪い印象はない。ただ、どこかしらオケとの間に隙間を感じてしまうことも事実。

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  • ★★★★★ 

    フォン・デメヤン  |  東京都  |  不明  |  03/June/2009

    とにかく透明で濁りの無い、精妙な音作り!今までのユダヤ的なコッテリ型を好む人は物足りないかな!?テノールの歌唱も、従来のワーグナー・テノールの絶叫型から開放されて、とてもニュアンスが豊富で素敵ですね!第1楽章が苦手だったのですが、何度も聞きたくなります。ゲルハーヘルも、D・F・Dより声の魅力には乏しいけれど、健闘しています。

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  • ★★★★★ 

    村井 翔  |  愛知県  |  不明  |  24/May/2009

    またしてもバリトン版の新録音。指揮はティルソン=トーマス同様、かつての「世界苦」を背負ったような『大地の歌』像と縁を切ったもので、色彩的で精妙。フォークトは独特の軽い声を生かして個性的な世界を描いている。第1楽章あたりはノーテンキに過ぎると思われるかもしれないし、好みも分かれそうだが、この非現実的な声は大変好ましい。ゲルハーエルは新盤を聴くたびにプライからF=ディースカウ寄りの路線に舵を切っているのが分かるが、声にまだ十分な若さがあるので、フォークトとのコンビには適役。個人的にはハンプソンより好きなくらい。

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  • ★★★★☆ 

    Dewurich  |  埼玉県  |  不明  |  23/May/2009

    フォクトの歌いだしを聴いてびっくり。まるでアルトかカウンターテノールが低い音域で歌っているかのよう。これでいいのか?とも思ったが、慣れてくるとニュアンスも豊かで、これもありかと思う。 ゲルハーヘルの上手さは相変わらずで素晴らしい。ナガノの指揮も、単に現代的なだけでなく、曲の叙情的な味わいをしっかりと伝えてくれる。 終楽章の終結部は、「最後までゆっくり!ppp、盛り上げない!」という楽譜の指示が守られていて好感が持てる。

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