Symphony No.4 : Carlos Kreiber / Vienna Philharmonic (SHM-CD)
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くるとん | 岩手県 | 不明 | 02/January/2012
これはブラ4の演奏史に新たな1ページを付け加えた素晴らしい演奏であり、同時に聞く人を選ぶ演奏でもあります(分からない人はご愁傷様)。聞き手と共に泣いてくれるブラームスを求める人はこの演奏を受け入れられないし、理解できないでしょう。計算されつくした狡猾さや弱さ、ナルシスティックなまでの自己愛に溢れた音楽を、結婚もしないで一人でしこしこと書き続ける作曲家の姿を、もう一つの上の地点から眺め、その老獪な存在を憐れむ演奏と言ったらいいでしょうか。私はブラームスと言う作曲家を全く評価していませんが、このクライバーの棒によって、初めて「ブラームスも孤独な芸術家であったのだ」と思うことが出来ました。特に秀逸なのは第一楽章。ここでのクライバーの棒は神がかっています。ウィーンpoとは思えないほどの細身で厳しく苦い響きを主体として、絶妙なテンポの揺らぎを利用し、ブラームスという人間の小ささを描ききります。この楽章に、ブラームスが生きた人生のすべてがあると言ってもいいのではないでしょうか。第3楽章を、ただのノー天気な音楽にしてしまう指揮者が多いのは、この第1楽章でしっかりとした伏線を張れていないのです。クライバーらしい、これでもかというほどの明るい躍動感に満ちた第3楽章は、この上なくシニカルに響いてきます。これは初めからとても出来が良く演奏されたどり着いた、チャイコフスキーの「悲愴」のスケルツォを聴いたときと同じ「苦味」であるといえます。この二つの交響曲は、かなり似た構造を持っていると言えるでしょう。第4楽章は個性的に演奏しずらい曲ではありますが、やはりコーダで何の効果も狙わず、何の希望も持たせないままさっと切り上げるところなど、ブラームスの積み上げてきた音符と同様、彼の人生も何の意味もなかったんだなと感じさせ、それは私達の生きる命題と直結し、心を揺さぶられます。とにかく、これほどまでに音楽が追及され、個性的に演奏されたブラ4と言うのは他に例がなく、いわゆる「ブラームス演奏」のアンチテーゼとして、きっといつまでも孤独であり孤高であり続けるのでしょう。そうか、やはりこの曲にクライバーは自分を見出していたに違いありません。5 people agree with this review
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つよしくん | 東京都 | 不明 | 27/September/2009
クライバーの数少ないスタジオ録音中、最高の名演だと思う。ブラームスの第4へのクライバーのアプローチは、名人の一筆書きのような、やや早めのテンポ設定の中、内容豊かなニュアンスを随所に感じさせるという味の濃いものであり、過去の名演では、シューリヒトやムラヴィンスキーに近いものであると言える。確かに、この録音当時40代であったクライバーに、シューリヒトやムラヴィンスキーのような深みを求めるのは酷であるが、逆説的に言うと、この若さにしてこれだけのブラームスを指揮したという若武者の快挙に拍手喝采を送るべきであろう。本盤は、名盤だけに数々の高音質化への試みが行われており、ベストは、最近ESOTERICから発売されたSACDであるが、さすがにその域には達しないものの、SHM−CDも従来CDに比較するとかなりの音質改善が見られ、この名演を鮮明な音質で味わうことが出来るというのは嬉しい限りだ。7 people agree with this review
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