Flute Concerto.1, 2, For Flute & Harp: Bezaly(Fl)Kangas / Ostrobothnian Co Palloc(Hp)
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笛吹き同人 | 東京都 | 不明 | 14/October/2010
ベザリーという人、単に世界トップの数名に入る技巧の持ち主であるだけでなく、音楽IQの極めて高い人と見た。この曲集を録音するにあたって、自身でスコアの全パートに入念にペンを入れたと思われる。各パートのフレージングがこれほどソリストの演奏と一体化した演奏は他に類を見ない。技巧と音楽IQの高さが相俟ったフルーティストとして思い浮かぶ、ルーカス=グラーフの吹き振りの録音でも、パユがアバド、ベルリンフィルという最高の共演者を得て行った録音でも、このベザリーの録音ほどにはソロと管弦楽の音楽的な統一感は達成されていない。カンガスの手腕、オーケストラの各奏者の熱意もあっただろう。しかし、それを引き出したのはやはり、ベザリーがカンガスの前に差し出した、細部まで考え抜かれた指示の記されたスコアだったはずだ。この録音については、アホの書き下したカデンツァの新奇さ、モーツァルトとの違和感ばかりが話題になってしまうきらいがある。たしかにカデンツァが始まるなり、曲想は突然150年を飛び越えてカルク=エーレルトのような表現主義の世界に入ってしまう。クレメルのベートーヴェンで聞きなれたとはいえ、首肯しかねる変貌ぶりである。しかしカデンツァにさえ目をつぶる(耳をふさぐ?)ならば、数多のモーツァルト「フルート協奏曲全集」の頂点に君臨するディスクと評して差し支えないだろう。中でも、ロンドK.Anh.184は条件抜きで最高の演奏として推奨したい。この曲のカンデンツァだけは、背後に弦楽群の和声が鳴っているせいで、珍奇な転調を繰り返すことなく力強く歌い上げられ、非常に感動的である。全曲を通じて少し残念なのは、随所で行われるソロ・フルートの即興的な装飾が、完璧に用意された譜面に対する自信と比べると、いくぶん押しが弱く自信無く聞こえることだろうか。2 people agree with this review
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