Le Nozze Di Figaro: Bohm / Vienna State Opera Prey Popp Baltsa
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タイガー哲 | 埼玉県 | 不明 | 14/November/2010
ベームのテンポが遅いだの、プライのフィガロが年を取っているだの、ヤノヴィッツの伯爵夫人がやはり老けているだの、みなさんいろいろ感想をお持ちのようだ。想像するところ、いずれのレビューライターも若年で、当時のことをよくご存じないようだし、ご存知の方も残念ながらFMでエアチェックをしているぐらいで、実際のステージをご覧になった方は数名のようである。→ 80年当時は、現在から比較するとツアー料金も相対的に高く、気軽にウィーンへ出かけてシュターツオパーでオペラを鑑賞するということは、なかなかできなかった。そういう時に、完全な引越し公演、歌手は全て現役で脇役までそろっている、コンサートマスターにはちゃんとゲアハルト・ヘッツェル(故人)が座っているというレベルの公演は、ウィーンでもプレミアなどは別にしてそうたびたびお目にかかれなかったのではないかと想像する。現在は映像メディアが以前に比べて大普及しているので、これを超える公演の記録もあるのだろうが、上に述べたような時代の状況を鑑みて比較しないと意味がない。→ 歌手陣にはほとんど文句がないが、ヤノヴィッツの伯爵夫人がもう少しおきゃんであればよかったし(伯爵夫人ということに惑わされてはいけない、彼女はセヴィリァの散髪屋に出てくるロジーナそのものなのだ)、みなさんの評価の高いポップのスザンナも歌唱・演技には文句がないけど、容姿がふっくらしすぎていて、DVDの映像で見ると少しつらいところがある(これはぜいたくな感想であると自分でも思う)。実際のステージではそういうことはほとんど感じさせないが、それがウィーンの宮廷歌手の称号を持っている所以でもあろう。スザンナについては、同時期のベルリンのシュターツオパー日本公演(1977年、ズイトナー指揮)で歌っていたレナーテ・ホフの方を評価したい。彼女もやはり宮廷歌手だった。余談だが、このときのキャストは伯爵夫人=トモワ・シントゥ、フィガロ=ジークフリート・フォーゲル、伯爵=アダム、マルチェリーナ=アンネリーズ・ブルーマイスター、ケルビーノ=インゲボルク・シュプリンガーとそろっていた。ただ、ズイトナーとベルリンのシュターツカペレはモーツァルトでは相性が悪く、レコードで聴いていたドレスデンのものほど感銘は受けなかった。→ 少々脱線したが、小生にとってこのベーム指揮の映像は現在もベストで、30年たった今も古さを感じさせない。→ 実際のステージをご覧になった方も、一部マイナス評価をしているようだが、それは悪名高い東京文化会館というホールでお聴きになったからではないか。小生に言わせれば当時の東京文化会館の雰囲気は最悪で、とても一流のオペラの引越し公演を楽しめるようなものではなかった。入口のチケットチェックは場末の映画館のようにスモック(スモックなんて今や死語かもしれないが、当時はそうだった)を着たおばちゃんが、にこりともせずに半券を切るし、ロビーへ入ったら上野精養軒がやっているコーヒーショップのマネージャーが大声で呼び込みをやっている、ベンチで握り飯を食べている客がいる。数万円も出してオペラを楽しむのだから、少しはおしゃれをすればよいものを、ドレスコードなどどこ吹く風という客がたくさんいる。関西中華思想が抜きがたくある大阪出身の小生にあえて言わせてもらえば、当時の大阪のフェスティバルホールは、東京の諸ホールに比べて客のグレードもホールのソフトのグレードも高かった。ホール内のコーヒーショップはグランドホテルの直営だったし、なによりホテルと直結しているため、オペラの幕間にはホテルのコーヒーハウスやバーがホールから流れてくるドレスアップした客で満員となっていた。終演後、ホテルのバーには指揮者やオケの連中がなだれ込んでくる。現に小生はベルリンシュターツオパー公演のとき、そのバーでズイトナーにサインをもらっている。ステージだけでなく、その場の雰囲気を楽しもうという客が当時の大阪にはまだまだたくさんいたということである。アリアなどに対する拍手も節度あるもので、その代わり最後のカーテンコールはオケピット前に聴衆が押し寄せるというものであった。そのように客がホールの雰囲気を良きものにこしらえているところで聴くのと、そうでないところで聴くのとでは大きな違いがある。指揮者もオケも歌手もやりやすかったと思う。ただし30年たった現在、どうなっているかは知らない。→ 余談その2。バルセロナのリセオ劇場(消失する前)でモンセラ・カバリエがタイトルロールを歌う『サロメ』を聴いた時のこと。バルセロナ入りをした当日にチケットを買ったため、天井桟敷(確か日本円換算で400円くらい)しか手に入らなかった。劇場の向かいにある有名な「CAFE DE LA OPERA」というカフェでお茶を楽しんでから劇場に入場しようとすると入れてくれない。天井桟敷の入口は正面とはまったく別のところにある。民主化で入口を別にするのはいかがという意見もあるだろうが、小生は正解と思う。天井桟敷の客は服装をかまえない貧乏学生もいるわけで、彼らに遠慮なく劇場に入場できるようにという配慮と考えるべきである(退場時は正面から出ることができる)。これがヨーロッパの文化であり、このことがすんなり理解できないというのは、日本の悪しきモノクラス化した劇場文化との違いと考えるべきであろう。このサロメ、七つのベールの踊りのシーンでカバリエのストリップを見せられるのかと心配したが(今はなき大阪グランドホテルのロビーでお目にかかったことがあるが、相撲取りのような体格)、これは杞憂。新演出で、芝居は全てバレエダンサーがやっていて、カバリエは歌うだけであった。その代わり見事なプロポーションのダンサーのストリップを見ることができた。→ 蛇足めいたことをあれこれ書いたが、要するにクラシックを楽しむのにCDやDVDといったメディアからのみ楽しむのではなく、優れたハード(劇場)と優れたソフト(オペラであり、シンフォニーであり、バレエであり)を数多くライブで楽しむべきであろうという考え方を披瀝したかった。入場料を払ってライブで楽しむことをしないと、国家財政が窮迫している昨今、日本のオペラもシンフォニーもバレエも演劇も補助金を断ち切られて、あっという間に崩壊してしまうだろう。国立オペラ劇場(第二国立劇場)を初台のような場末(初台近辺にお住まいの方には失礼だが)に建設したのは大間違い。丸ノ内の東京フォーラムの敷地を都庁移転時にさっさと東京都から買収して建設しておけば、ソフトはさておきハードはいいものができたであろうに。→ 最後にこのDVDに苦言を一つ。みなさんも書いておられるが、カーテンコールをまともに収録していなかったこと。おそらく当時のNHKのクラシック番組のディレクターが官僚的発想でやったに違いない。文化ということについて考える力も知識もない奴に、こういうプロジェクトを任すことが大間違い。いまさら言い訳めいたことをライナーノーツに書くのは、見当違いもはなはだしい。当時の上司を含めて責任を取れといいたい。→ ※矢印は段落を示します。15 people agree with this review
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eroicka | 不明 | 不明 | 20/April/2010
諸氏が演奏の魅力については言い尽くしているので、改めて屋上屋を重ねるようなものだと書き込みを控えていたが、このDVDをまた久しぶりに聴いて、拙文を書くことにした。この公演は、当日NHKFMで生中継されており、中坊だった小生は、買ったばかりのミニコンポの傍らで緊張しながら気もそぞろに「ながら勉強」していたものだ。小生にはこれがオペラ初体験であった。見るたび聴くたび懐かしさがこみ上げる。10年近く前、海賊盤でFMエアチェック音源と思われるCDが出回っていてそれを聞いていたものだが、これが出てすぐ買ったものだ。確かにテンポは古楽演奏が隆盛した現代の感覚からすれば異様に遅いと感じられるだろう。演出も演奏全般も古楽的な透明感やスマートさを重んじた今風のスタイルではないし、当時の日本のホールの貧弱な音響に加え、陰で出番や歌いだしを教えるプロンプターの声が妙に目立つマイクセッティングなど、瑣末ながら欠点はないわけではないが、戦後の欧州オペラ界で一時代を画した巨匠や名歌手らの築いたベルエポックの金字塔のようなもので、ぜひ若い人に聞いてほしい。できれば、フルヴェンの演奏などのように、未来にも長らくカタログに残していってほしいものだ。7 people agree with this review
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千葉のアリアドネ | 千葉県 | 不明 | 11/February/2010
正しく夢の舞台。本来演奏の良し悪しは背後の状況とは関係なしに語られるべきだろう。が、医師や周囲の反対を余所に来日に執念をかけたベーム(来日に付き添ったテア夫人は自らの病は隠してベームを支えた)。彼は、バルツァに日本公演のため再びケルビーノを歌うよう(スター街道を歩む彼女はケルビーノは「卒業」していた)自ら懇請。「今回はベームのために引き受けた」と語ったバルツァ。会見で遅いテンポで歌いづらくないかとの質問に「あの人は特別です、息の続く限り歌います」と言い切ったヤノヴィッツとポップ。そうした演奏者の思いがこの忘れがたい名演に結実したとは言えまいか。最晩年様式の良いところが結晶。テンポを落としているところの音楽の深さ。ブッファの愉悦の中の人間への深い慈愛に満ちた眼差し。感情のひだを表現しつくすオーケストラと歌手の熱唱(風邪が心配されたプライも頑張りをみせている)。<壮年期の輝き、63年来日公演(PONTO)や68年DG盤との聴き比べも是非どうぞ>。映像を世に出したNHKさんには深く感謝。そしてお願い。そろそろ値段を落として再発してもらえないでしょうか。より多くの人に、特に若い人達にこの素晴しい音楽を伝えたいと切に思うが故に。14 people agree with this review
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White_Bone | 愛知 | 不明 | 09/March/2009
芳醇な音楽作り、歌わせ方のうまさが全編にわたり、モツアルトの”オタマジャクシ”外の序・破・急さえ感じられる演奏である。かといって、演出過多な動きは控えられていて、説明的な「天使」も出てこない。 オペラブッファそのものである。 いわゆる単なる「好み」を前提とした細部に拘ることもないだろう。3 people agree with this review
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おときち | 東京都 | 不明 | 14/August/2008
当時、FMライブ放送をかじりつくように聴き、後日TV放送で映像確認した者にとってはまさにお宝DVDです(画質、音質とも当時と比較にならない)。台本の出来を含め、矢張りフィガロがモーツアルトの最高オペラ(異論のある方はおられるでしょうが)と実感させるベームの解釈、指揮の偉大さを改めて痛感します。歌手陣の出色は何といってもポップです(未確認ですが他にスザンナとしての映像はないのではありませんか)。 それにしても完璧主義者の聴き手というのは不幸な存在ですね(投稿初体験者の実感)。7 people agree with this review
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本当に忘れればいいのに | 福岡 | 不明 | 21/February/2008
当時老齢かつ病を押しての来日に感謝と慈愛の気持ちがあったように思います。75年以来音楽の素晴しさを伝えてくれたことに対して。各々の人の各々の感激は大事にしまっとくべきもので比較すべきものでもない。ただ特に初めてフィガロを聴かれる方、無責任な評論の影響を受けてない方には名盤の一つとして推薦します。6 people agree with this review
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たか | 東京 | 不明 | 04/November/2007
私は音質は十分良いと思う。フットマイクなどを使って不自然な音を聞かされるよりは多少声が遠くなる瞬間があってもセンターマイク中心の自然な音場の方が聞きやすい。 この後このシリーズは続かないのだろうか? リザネクのサロメは出ないのか? ポップのアラベラは? スカラ座は? ベルリン国立歌劇場も忘れないでほしい。2 people agree with this review
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悲しみのアンジー | 静岡 | 不明 | 23/August/2007
ベームの指揮は些か弛緩してしまっている。例えば当日、文化会館で観賞したとしたら、少々痛々しく思えたかもしれない。しかし、これはDVD。オペラグラスでもわからないような歌手陣の表情が克明にわかり、みな芸達者である事をあらためて思い知らされた次第。というより、正直言ってポップのあまりの可憐さにノックアウトされてしまった。これぞチャーミングの極みと言えよう。1 people agree with this review
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カワサキヤ | 柳橋・東京 | 不明 | 25/June/2007
ついに出ました!まず、DVD化にあたったNHKに感謝。私は、何と言っても初来日のポップのスザンナです。これ以上のスザンナはありません。ポップの数多い当たり役の中でも、この日のスザンナの出来は最高です。若い頃から大年増役を歌っているマルガリータ・リロヴァまで出ているのですから、このキャストの充実ぶりは無類です。それにしても、歌舞伎の尾上梅幸に通じる永遠の娘形ポップの最高の映像です。次は同じく文化会館が興奮の坩堝と化したポップ、ヴァイクルの「アラベラ」を是非ともDVD化願いたし。カーテンコールの映像もNHKに2 people agree with this review
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しんふぉにあ | 島根県出雲市 | 不明 | 25/June/2007
80年にタイムスリップし、至福の時間を過ごさせてもらった。プライ、ポップ、バルツァなど錚々たる歌手陣にため息が出るほど・・それにしてもTV放送映像ではなく、編集前のオリジナル映像は残っていないのでしょうか?将来の技術進歩を考えデジタル字幕処理ができるようにしていれば全世界に多国語での発売も可能と思いますが。ベ−ムが生きていれば現在のピリオド演奏をなんと思うのでしょうか?1 people agree with this review
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まるき55 | 世界の辺境 | 不明 | 23/June/2007
豪華な配役、特にバルツァがいいですね。ガーディナー、ベーム(映像作品)とこのライヴ盤を、その日の気分で楽しむことにします。・・・それにしても映像のない部分が、すごく残念です。TV放映されなかった部分なんでしょうけど。ま、音声だけでも残っていて良かった!でも残念。・・・それと、国内盤価格はどのようにして決めるのでしょうかね。もう少し安くならないのかな。1 people agree with this review
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TOCHIPAPA | 広島 | 不明 | 23/June/2007
いまどきはザルツブルグでもこれほどの充実したフィガロは見られないのでしょうか? 80年としては画質も音質も十分だと思います。 テンポについては、むしろ旋律の美しさを際立たせて好ましいと思います。ベーム自身は年老いてますが、オケも歌手も86歳の老人というわけではないのですから・・・1 people agree with this review
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たか | 東京 | 不明 | 23/June/2007
プライは当日東京に着いてゲネプロ抜きだったと解説に書いてあるがポップもプライも芸達者なのでそんなことは微塵も感じさせない。空前絶後の最高のコンビだろう。他の主役も言うに及ばずだがツエドニクのバジリオ、エクヴィルツのクルチオ、リドルのバルトロという超豪華な脇役にも注目したい。トマの演出とあるがウイーンでの原演出はポネルだったようでユニテルの映画との比較も興味深い。焼付けの字幕が少し大きいが画質音質良好。次はポップのアラベラのDVD化を切に希望する。1 people agree with this review
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JIN | 横浜 | 不明 | 23/June/2007
遅いけどユルイ訳じゃない。2 people agree with this review
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バルトロ | 埼玉県 | 不明 | 02/April/2007
ありがとう。今から楽しみです。あの晩、文化会館にいた自分を思い出します。TVも録画して長く楽しみましたが、べームの遅いテンポに歌手が見事に合わせていました。ヤノヴィッツの気品(映画のテ・カナワなんか比較にならない名演!)、バルツァの新鮮さ(初来日で驚愕!)は最高でした。ポップとプライは少々老けていましたが、歌はすばらしかったです。特に「手紙の二重唱」は聴いた事がない程スロ−テンポだったのを憶えていますが、当夜最高の瞬間でした。 同企画が続くことを期待します。1 people agree with this review
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