堂月  |  静岡  |  不明  |  31/July/2005

この超絶名演の数々が、O.アイヒンガーのしょぼいリマスタリングを経ず、ちゃんとP.ベイリーの手によってTestamentから発売された事に心から感謝したい。聴衆ノイズも生々しく、素晴らしく奥行きのある音だ。「未完成」の終わったところでクレンペラーが「シェーン」と言ったはずだが、聞こえないのはなぜだろう。DG盤では聞こえたが？

 

MORI  |  東京都  |  不明  |  23/July/2005

驚愕すべき名演揃いである。が、とりわけ素晴らしいのが「ﾏｲｽﾀｰｼﾞﾝｶﾞｰ前奏曲」（HUNTからﾏｰﾗｰ９番を含む２枚組で既出）。解釈はEMI盤と同一。冒頭はむしろ素っ気ない。が、徐々にﾃﾝﾎﾟを落とし、力強いﾘｽﾞﾑを刻みながら超弩級のｽｹｰﾙと構築性で圧倒する。だが、この演奏の真の凄さは、全力を出し切るｳｨｰﾝ･ﾌｨﾙが名状し難い異常な「熱」を発する様にある。まさに興奮が渦を巻いていくのである。何十回聴いても感涙に咽ばないことのない空前絶後の奇跡的名演である。かつてあれほど感動したｸﾅもﾍﾞｰﾑも感動のﾚﾍﾞﾙにおいてはるか遠く及ばないのである。