HMVインタビュー:RZA
Thursday, August 13th 2009
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RZAオフィシャルインタビュー( Wednesday, June 24th, 2009 Conducted by: Yumi “Dzmama” Parks )
今回はQuincy Jonesがレコードをプロデュースする時のスタンスに近かったと思う。
- --- 前作『The 8 Diagrams』について、今だから言えることは何かありますか?
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今(アルバムについて)言えることは俺のディレクションは正しかったってこと。素晴らしい作品だったってことだね。時が経つにつれ、自分がやったことは正しかったって証明できたと思うんだ。その証拠に、Nasもバンドを連れてツアーに出たし、Lil Wayneや色んなヒップポップグループがバンドを連れてツアーをすることになったからね。加えてThe Revelations等のバンドがヒップホップ・ミュージックを作るようになっていった。それが前作について言えることで、今回は『Chamber Music』っていうアルバムを作ったんだ。さっき話していたメンバー間の問題っていうのはRaekwon とGhost(face Killah)についてだろ?彼らは今回のアルバムに思いっきり参加してるからね・・・(笑) 。
- --- 今作にはMethod ManとGZAのクレジットがないようですが、何かあったのでしょうか?
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これはWu-Tang Clanのアルバムじゃないんだ。これはWu-TangのChamber Musicをフィーチャーしたアルバムで、RZAが監修したThe Revelationsというミュージシャンたちの音楽をオレの仲間のKoch RecordsのBob Perryと組んでやってみた作品なんだ。彼にとってはドリーム・プロジェクトみたいなものだ。Wu-Tangがバンドと一緒にやったショーをBob Perryが見ていてね、彼がWu-Tangの曲をバンドでカヴァーしたアルバムを作りたいって言ってきたんだ。それが2年位前で、その後1年位かけてビートを作ったりしてやってみたんだけど上手くいかなくて、それよりもWu-Tangにインスパイアされたバンドの音楽をプロデュースしようって方向に変化していったんだ。バンドを2〜3組見てみて、その中でもWu-Tangの音楽にインスパイアされ、(Wu-Tangの音楽を)愛していて、スタックス等のソウルミュージックを愛してるバンドを見つけたんだ。で、一緒にスタジオに入ってやってみたら、彼らはオレが通常ならサンプルするようなビートを演奏し始めたんだ。で、そんな彼らのトラックにWu-Tangのメンバー、Wu-Tang以外のラッパーも加わった。それでもWu-Tang Chamber Musicって呼んでるのは、この種の音楽はWu-Tangがこのゲームで確立した音楽だからなんだ。
- --- 前作がリリースされた後もBobby Digital 3部作の最終章『Digi Snack』や、『Afro Samurai Resurrection』、などのプロデュースを行ってますが、その2作についてそれぞれコメントしてもらえますか?
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『Afro Samurai』はSpikeTVとGonzo、GDHのプロダクションで、参加できて嬉しかったよ。サミュエル・ジャクソンや他の人たちと一緒に参加して、俺は音楽を担当させてもらったんだ。俺の『Kill Bill』や『Blade』等の過去の功績を認めてくれたからなんだけどね。すごく楽しんでやらせてもらったよ。『Digi Snack』は去年Kochと一緒にBobby Digitalのエネルギーを発散させるために作った作品だったんだ。Kochから電話もらって「ボビー、 もう1枚アルバム作れないか?」って言われて、当時映画とか色んなことをやってる最中だったから迷ったんだけど、でもまあボビーはしょっちゅう週末とかに現れるからね(笑)、この際やっちまうか、Fuck it!って感じでやっちゃったんだ。
- --- 新作は、まず、サウンド面で驚かされました。ある意味原点回帰的なものとも受け取れました、The Revelationsがリプレイしたものは、また新たなRZAサウンドだと感じました。自身では今回のトラック群をどのように捉えてますか?
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オレ自身もミュージシャンだからね、今ではギター、キーボード、ドラムを演奏するから。昔のオレはサンプラーかDJだったけどね。ヒップホップ・ミュージックは進化を遂げて、音楽自体歴史を積んでいったせいで、最近ではヒップホップをプレイするミュージシャンたちが登場してるんだ。ジャズバンドでもなく、ロックバンドでもなく、ブルースのバンドでもなくヒップホップのバンドを作ることが可能なんだ。でも以前はそういうことはできずに、ヒップホップはジャズやロック、ソウルからサンプルするしかなかったんだ。でも現在はヒップホップを聴いて育った世代のミュージシャンたちがバンドを組んでるから彼らは(ヒップホップを)プレイできるんだ。2〜3年位前にヒップホップをヴァイオリンで演奏する女性ミュージシャン(Miri Ben-Ari)が人気あったけど、ついこの間もトリオ、じゃなくてカルテット、黒人の男たち4人で構成されたグループを発見したんだけど、彼らはヒップホップだけをプレイするんだ。ギターとか他の分野(楽器?)でも同じような現象が起こってると思う。だから翌2〜3年の間に、多くのヒップホップ・アーティストたちがサンプルじゃなくて、またエレクトロニックサウンドやドラムマシーンのプログラム、60年代、70年代のレコードをサンプルするわけじゃなくて、バンドが後ろにいてヒップホップサウンドを作っていく形態になってくと思うよ。で、オレはその(バンドの)一人になるつもり、オレはギターが結構上手いからね(笑)。
今回はQuincy Jonesがレコードをプロデュースする時のスタンスに近かったと思う。彼はプロデューサーではあるけど、彼自身が実際に参加(プレイ)してるわけではない・・・みたいなね。確かにある曲ではオレも楽器2〜3個担当してるんだけど、でも全体的にオレのポジションは監視すること、それからインスパイアすること、更には全工程を監督するっていう役割だったんだ。 - --- そのThe Revelationsと作品を出しているTre Williamsは、今回のアルバムにもフィーチャーされていますが、彼についてはどう思われますか?彼はあなたの好みの、オールドスクールの凄みのあるソウルを体現できる珍しい存在だと思いますが。
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今回Tre Williamsをフィーチャーするきっかけになったのは、Bob PerryがThe Revelationsと彼がやってるアルバムを聴かせてくれたからなんだ。Ghostface (Killah)とオレが「I Wish You Were Here」っていうトラックをやった後に、Bob Perryが「次はどうする?Raekwonにラップしてもらうか?」って訊いてきたから、「いや、トレ (・ウィリアムス)に歌わせてみようぜ」って言ったんだ。「トレが歌ったらすごく良いトラックになるはずだから・・・」ってね。彼はソウルミュージックを愛してるし、彼のアルバムに収録された「Heaven and Hell」とか最高だし、彼も自分のアルバムを作って、それをオレたちがサンプルしたりなんてこともしてるんだ。だからThe RevelationsもTre Williamsも本物のサウンドを提供してくれてるといえる。確かにビッグアーティストではないけど、すごい才能の持ち主なんだ。だからボブ(・ペリー)に「彼にこの曲では歌ってもらおうぜ、彼ならこの曲に貢献してくれる筈だから」って言ったんだ。で、彼はその通りこの曲に貢献してくれた。『Chamber Music』では肝の据わった感じのヒップホップ曲が並んでてて、曲間にオレがウィズダム(註:知識・英知)を授けるべく語ってるんだ。そういう曲の次に流れてくるこの曲はソウルフルなフィーリングでメロウな気持ちにさせてくれるんだ、更に最後の曲ではオランダのジャズシンガー、テイヤが70年代のソウルフルな雰囲気を醸しだしてくれるんだ。
- ---アートワークに関して、何かインスパイアされたものとかはあったんでしょうか?
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アートワークに関してはオレじゃなくてレーベルが手がけたんだけど、アルバムのカヴァーを見てくれれば、少林寺の僧侶たちがフィーチャーされてるよね?で、それ以外にはWu-Tangの僧侶を入れてもらうように指示したんだ。それぞれ仏教、道教、禅、儒教、イスラム教、更にキリスト教といったあらゆるものがこのアルバムにはフィーチャーされてるから、それにヒンズー教についても、クリシュナについて語ってるしね。ブッダのこともジーザスのこともモハメッドについても取り上げてる。この世界で長いことやってきたけど、確実にいえることは世界は1つで、手段は色々あるけどオレたちはみんな同じ場所を目指してるってことを、アート(ワーク)では表現してると思うんだ。このアルバムでは戦争についてもうたってるんだ、というのも戦争というのは全くの偽りだからね。戦争は結局は勝つか負けるかであって、騙しあいであり、傷つけあうことなんだ。結果として戦争が平和をもたらすものであっても、人々の命が犠牲になるわけだからね。だからオレたちの哲学は以前と変わらないし、Wu-Tangはゲットーやフッド出身の連中で作られたグループで、当時は自分たちを取り巻く世界全てに怒りを持っていたし、でも家族を食べさせていくために何かをしなきゃならないって思ってたんだ。で、そういう過程においてネガティヴでいる限りサヴァイヴできないってことに気づいたんだ。ポジティヴでいることこそがこの世の中で生き残ってく唯一の方法なんだってね。だからオレは引き続きポジティヴなヴァイヴを奨励していきたい。
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- Chamber Music
WU-TANG CLAN - 2009年8月19日発売
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- Chamber Music(輸入盤)
WU-TANG CLAN - 2009年6月発売
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- 8 Diagrams
WU-TANG CLAN - 2007年12月発売
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- Digi Snacks
Bobby Digital - 2008年6月発売
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- ...The Resurrection
Bobby Digital - 2008年6月発売
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- Afro Samurai
Bobby Digital - 2007年1月発売
- 関連サイト(外部サイト)


