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HMVインタビュー: CLARK

Monday, June 22nd 2009

interview

Clark

<Warp>を代表するアーティスト、奇才 CLARKの来日公演とニューアルバムのリリースを記念してインタビューを敢行。来日中のエピソードから、作品についてまで色々と聞いてみました!
※こちらのインタビューの会話にでてくるライブは2009年4下旬に行われたものです。

ポップな部分やルーズな部分を残しながらも、きちんと構成された、前と違うものを作りたかった。それがコンセプトの一つだと言えるかもしれないな。

--- 日本への来日は今回で何回目ですか?

日本はもう3回目だよ。

--- オフの日にどこかに行かれました?

すごく高級な天ぷら屋さんに行ったんだ。かなりのお金をそこで使ってしまったよ(笑)トマトや海老の天ぷらにね。他の国にいるといつも判断力がなくなってしまって、結局最終的には最悪なレストランを選んじゃうんだよね(笑)そして後悔するんだ。安くてもおいしいヌードルだってあるのにさ。今回は時間がないから、あまり色々見に行ったりはしてないんだけど、大阪はよかったな。電車からの景色も最高だったよ。

--- 大阪と東京でのライブはいかがでしたでしょうか?

どちらも良かったよ。理由はそれぞれ違うけどね。大阪の会場は小さくて、皆が近かったし、レイヴな感じでかっこ良かった。それに比べて、東京はもっと、なんというかきちんとしたクラブっぽくて会場も大きかったし、音もビッグだったな。オーディエンスも興奮していたしね。ティムとハドソンと共演できてとても嬉しかったよ。

--- 昨年リリースとなった『TURNING DRAGON』がここ日本でも好セールスを記録しましたが、様々なところから反響があったのではないでしょうか?

そうだね。ショーをやると、もう一回やってくれって結構言われたよ。正直、こんなにうまくいくなんて期待してなかったんだ。ただリミテッドエディションを作ったって感じだった。ワープは初め、違う名前で出したらどうかと言ってきたけど、僕は人々を混乱させたくなかったし、内容もこれまでの自分の作品と似ていたから、そうしなかった。何はともあれ、良い反応をもらえているし、いい会場でもプレイさせてもらっていることに感謝しているよ。

--- 最新アルバム『TOTEMS FLARE』完成に対して、今の率直なご感想をお聞かせください。

とても嬉しいよ。6週間くらいかけて作ったんだけど、そのあと2週間は全く聴かなかったんだ。作っている間にあまりに何度も聴きすぎて、友達に聴かせてる時だって「このサウンドは良くなんかない!最悪だよ!」何て言うようになっちゃったんだ。だから2週間、冷静になる期間を設けたのさ。そうしたら良いサウンドだと思えるようになって、そこからまたちょっと手を加えてより良いサウンドにした。いつも作ったすぐあとは聴きたくなくなっちゃうんだ。

--- 先行EPとしてリリースされ、今回のアルバムにも収録されている「GROWLS GARDEN」はダークな雰囲気を漂わせて中盤以降徐々にハードになってくるエレクトロトラックですね。この曲ではどのような事を歌っているのでしょうか?

庭にいる“誰か”を探そうとしている曲だよ。それは誰にでもなりうるんだ。人じゃなくたっていいんだよ。例えば見た事もない奇妙な花とかね。

--- 前作リリースのインタビュー時に「古い機材を沢山使おうと決めていた」とおっしゃっていましたが、今作『TOTEMS FLARE』においてこだわりを持っていた部分はありますか?

うーん、どこでそのアイディアを拾って来たのかわからないけど、ターニング・ドラゴンで特別なことは対してやっていないな。結局コンピューターやサンプラーは使っているしね。古い機材を使うというか、僕は、自分にとってあまり馴染みのない機材はほとんど使わない。自分が使い慣れたものを使うことが多いんだ。高いし、慣れるまでに時間がかかるのが面倒なんだよね。新しいものを使うときは、いつも音をダメにしてしまうんだ(笑)。今回のアルバムのためには、少し新しいものも使ったけどね。メインで使ったのは、何回も録音を繰り返してきたテープだけど、いくつかのトラックでは、それがかなり良い味を出してくれたよ。 ゲットー・バスタードのテープをジェイミー・リデルから買ったんだ。彼がアメリカに引っ越すときに古いものを色々売ろうとしていたからね。そうしたら彼から買ったものが壊れていてさ!文句を言いたかったけど、次の日にはもうアメリカに逃げていたから何も言えなかったんだ(笑)。壊れているけど4曲は聞けるぜって言われたんだけど、その4曲さえもうまく聴こえなかったんだ(笑)。使えると思っていたものが突然壊れていると分かったものだから、大変だったんだよ。そこから自分でシンセを使ってサウンドを治したりして、なんとかなったけどね。

--- アルバム全体のテーマやコンセプトはどのようなものだったのでしょうか?

特にないな。あ、でも待って。ちょっとはあるかも。今回のアルバムは、ターニング・ドラゴンとは全く違うものにしたかったんだ。初めの段階では似ていたけど、後から構造を練り直して変えたんだよ。そうしていくうちに、自然な展開で違うものになっていったんだ。ポップな部分やルーズな部分を残しながらも、きちんと構成された、前と違うものを作りたかった。それがコンセプトの一つだと言えるかもしれないな。

--- アルバムタイトルやジャケットアートワークについてはいかがでしょうか?

ベルリンからきたマット・バートンと一緒にアートワークを考えたんだ。初めの2日間は二人とも酔っぱらっていて、それでなんとなくアイディアが決まった。僕らはお互いをよく知っているし、特にコンセプトについて話し合いをするようなことはなかったんだ。僕らが話したのは技術上のことだけだった。僕が気に入っているのは、コミックっぽいのにダークな部分があるところ。悲しい部分も持っているしね。音楽にも共通する部分があると思うんだ。明るく見えても、その本質を探っていけば、色々なエピソードや想像のつかない側面があったりするものさ。

--- 制作は順調でしたか?もし制作過程でのエピソードがあればお話頂けませんか?

あのテープの話がエピソードじゃないかな(笑)それを除けば、今回はスムーズすぎたと言ってもいいくらい順調だった。ラインアップもピッタリとサウンドにハマったしね。最後に浮上したテープ事件は大変だったよ。時間もかかったし、技術も必要だったしね。

--- 今年でWARPは20周年を迎えますが、WARPからリリースされてきた作品の中であなたに最も影響を与えた1枚はなんでしょうか?

確実にザ・ブラック・ドッグのアルバムだな。あれを聴いた時、僕は14歳くらいだったんだけど、WARPのことなんて何も知らなかったんだ。知っていたのは、このアルバムがWARPから出ているってことだけ。あのアルバムを聴いた時に、初めてエレクトロニックミュージックに衝撃を受けたのを覚えているよ。

--- 今後の活動予定についてお聞かせください。

自分が今やっていることを続けるだけ。僕はあまり変化を求めていないんだ。

--- ありがとうございました!
新譜Totems Flare
<Warp Records>の代表的アーティスト、Clark(Chris Clark)の約1年半ぶりとなるニューアルバム!前作『Turning Dragon』では、それまでの繊細なエレクトロニカ/ポストロック路線のサウンド・イメージを覆す、フロア・ライクな4つ打ちダンス・トラックをメインに展開し、シーンに驚きと衝撃を与えたClark。今作では早めのBPM、ロック的なブレイクビーツ、極上なヘンテコ・メロディー、狂気を感じるノイズ音など、また違った方向に振り切れた新たな一面を披露している!

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