Tuesday, June 9th 2009
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最初に買ったCDは・・・ジョーのファーストアルバムだったと思う。・・・「一体誰のアルバムなんだ?誰が歌ってるんだ?」って思ったんだ。
- --- まず詳しい生い立ちについて教えてください。
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カナダで生まれて、1番大きな都市(オンタリオ州の州都)トロントで育ったんだ。3人の兄と妹が一人いる。ゴスペルを聴き、教会に熱心に行くような家族の中で育ち、それが後にオレがR&Bやソウルミュージックに興味を持つきっかけになったんだと思う。教会では沢山の人たちが歌うからね、オレは本当は教会に行きたくなったんだけど、家族に無理やり連れてかれてたんだ(笑)。でも、大人になってから(教会に通ったことを)その価値を改めて理解できたんだ。そんな風にゴスペル・ファミリーの中で育ったオレは13か14歳くらいまで人前でパフォーマンスすることはなかった。子供の頃は物凄くシャイだったからね。幼い時分は人前で話す際にどもったりしてたんだ。他人と対話するのも嫌だったよ、ひどく緊張してどもったり、うまく言葉が見つからなくなったりしてね・・・。で、12歳のときに初めてタレント・ショーに出たんだ。ニュー・エディションの「Can You Stand The Rain」を友達2人と唄ったんだ。それが人生初のパフォーマンスだよ。(唄いはじめる・・・)Cuz I need somebody who can stand by me through the good times and bad times… って感じで唄った後に、自分の膝ががくがく震えたことを覚えてるよ(笑)。でも最初のヴァースを唄うやいなや、オーディエンスは物凄く盛り上がって。それを見たら少しリラックスして、“これなら自分にも出来る!!”って確信できたんだ。
- --- 教会やゴスペルというのがあなたに最初の音楽体験だったのでしょうか?それ以前に何か別の音楽的影響を受けてたんでしょうか?
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実は最初はラッパーになりたかった。歌うのはクールじゃないって思ってたからね。だからコーラス隊にも参加しなかった。一番上の兄はゴスペルを歌っていたけど、オレはどっちかっていうと家族の中でもトラブルメーカーだったからね。男は歌なんて歌わない、そんなの男らしくないって思ってたからね。当時みんなからWiz Kidって呼ばれてたんだ。でもハイスクールに通うようになった頃から当時のR&Bグループ、トゥループとかアフター 7、ポエトリーや、もちろんJodeci、それからボーイズ II メンとかがシーンに登場して、男が歌うのも結構クールじゃないかって思うようになったんだ。特に女性オーディエンスからのレスポンスを見たら、オレもあんな風になりたい!って思ったんだ(笑)。
- --- ちなみに最初に買ったレコード、或いはCDは何だったんですか?
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最初に買ったCDは・・・ジョーのファーストアルバムだったと思う。だから、93年かな。当時丁度ニューヨークに居て、親戚がレコード屋を経営してたんだけど、店で彼のアルバムをかけてたんだ。それを聴いてオレは「一体誰のアルバムなんだ?誰が歌ってるんだ?」って思ったんだ。ジョーの声は素晴らしいからね、実際彼はオレのお気に入りのヴォーカリストの一人なんだ。
- --- 実は後で伺おうと思ってたんですが、あなたとジョーのアーティストとしてのスタンスは日本という市場において非常に似ていると思いますし、ジョーは日本で変わらず人気を保っていて、そういう点も日本の音楽ファンが特にあなたに注目している理由の1つだと思うんです。
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Wow〜!!マジで?すごく嬉しいし、そんな風に言ってもらえてとても光栄だよ。
- --- 自身の歌い手としてのルーツになっているものは何ですか?特別影響を受けたシンガーや楽曲をいくつか挙げてください。
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まずはダニー・ハザウェイの「Song For You」。それからスティーヴィー・ワンダーみたいなアーティストとか・・・彼の「Ribbon in The Sky」はフェイヴァリット・ソングの1つだし、それから間違いなくJodeciやボーイズ II メン。Jodeciの曲で一番のお気に入りは「Forever My Lady」。素晴らしい曲だよね。最近のアーティストたちからはそんなに影響を受けてないんだ。最近のアーティストでオレが興味あるのは2人だけで、一人は過小評価されてるって思うけどマリオ、彼はアメイジングなアーティストだと思う。それからJ ホリデイ。そうそうジェイミー・フォックスもなかなかのアーティストだと思うけどね。彼も長年に亘り過小評価されてきたよね。あと、ザ・ドリーム・・・4人になっちゃったね(笑)。
- --- ヴォーカル・レッスンなどはどうしてたのですか?また自分の声や歌い方について確信が持てたのはいつごろですか?
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実は、今までヴォーカル・レッスンを受けたことは一度もないんだ。生まれながらにして歌う才能を持ってたんだと思う。6〜7才の小さい時分から自分に歌の才能があるってことには気づいてたんだ。でもさっきも話したけどとにかくシャイで、人前に立つのが恐怖だったからね。実際に俺の歌を聴いたことあるのはゴスペルを歌っていた兄だけだったんだ。彼がリハーサルで練習しているのを聴いて彼の真似をしていたんだ。まるでゲームでも楽しんでるみたいに幼い頃はそんな風にして彼の真似をして歌ってたんだ。自分が歌の才能を持ってることは分かってたんだけど、それを誰にも知られたくなかったからね(笑)。 ずっと秘密にしてたんだ。でも彼だけは知っていたから、オレに歌うことを薦めてくれたんだ。だから今のオレのヴォーカルスタイルは彼からの影響が大きいね。15〜16歳頃かな、“本当の自分の声”が見つかったのは。で、人前でパフォーマンスを重ねるにつれ自分のヴォーカルに自信が持てるようになってったんだ。で、ステージ上での自分のスワッガーや服の着こなし、身のこなしとか、オーディエンスが自分にどんなものを求めているのか掴めていったんだ。
- --- ステージ・ネームをファースト・ネームのAndrewをもじったDRUにしたのはいつ頃ですか?また、イン・エッセンス時代の話を。
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小さい頃から兄たちみんなからドリュー(Drew)って呼ばれてたんだ。で、グループに入った際に、ドリューって名前でいきたいって思ったんだけど、単に本名をもじっただけのものじゃなくて、何かもう少し意味合いをもたせたいって思ったんだ。だからDRUっていう綴りに変えて、DRUは「Determined Revolutionary Unstoppable」を意味するんだ。実は夢の中で思いついたんだけど、翌日にグループのメンバーに「オレの名前はこうこうこうで、こういう意味を持つんだ」って発表したんだ。14年位 前の話なんだけどね。当時、イン・エッセンス(In Essence)っていうグループにいたんだけど、最大のヒットは「You Will Never Find」って曲で、BMGと契約していた際にリリースしたファーストアルバムに収録されたものだよ。何せ、オレはさっき名前を挙げたようなR&Bグループの音楽を聴いて育ったからね、グループの中で歌うことはすごく楽しかったんだ。グループのダイナミクスとかハーモニー・・・、とにかくハモること(ハーモナイジング)がとにかく好きなんだ。グループの中では、ヴォーカルアレンジも担当してたからハーモニー部分のアレンジメントもやってたしね。ハーモニーや異なったヴォーカルを混ぜることで色んな感情を表現することにすごく興味があって、そんな点がグループとしての活動で気に入ってたことかな。でもグループ特有の嫌な点もあって、それはクリエイティヴ・コントロールに関わる部分で、メンバー5人いたから、それぞれみんなが同意しないと作業をすすめられなかったからね・・・でも他の人たちと一緒に上手く仕事をしていく方法、それからどんな風に他のメンバーの才能を最大限に引き出すことができるのかを学んだよ。でもそれと同時に、これ以上自分が成長できないって思ったんだ。オレはグループのリーダー的存在だったから、他のメンバーたちの才能を伸ばすことに集中しがちで、自分自身は成長できないって思ってたんだ。誰も他にオレの才能を伸ばすようにプッシュしてくれる人がいなかったからね。ファーストアルバムはJUNOで賞をもらってるし、カナダのあらゆる賞を総ナメにしたんだ。でもカナダは実際のところR&B向けの市場じゃなかったからね。アメリカ市場で売れてるもの、ホットなものに焦点を置いてるから。これは、他の国もそうかもしれないけど、特にカナダはそういった傾向がより強い。カナダ人がカナダ系のR&BアーティストのCDを買うのを拒む位だからね。
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- One
Dru - 2009年6月24日発売
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- One (輸入盤)
Dru - 2009年3月10日発売
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- Everything
Joe - 1993年7月発売

トロント出身のシンガー、ソングライター、そしてプロデューサーの ドリュー(本名アンドリュー・グランジ)は93年より音楽活動を本格的にスタート。カナダのR&Bグループ“イン・エッセンス”のメンバーとして活躍し、JunoアワードやMMVAアワードなどを獲得。そして昨年よりソロ活動をスタートさせており、「ワン」「ステイ・ウィズ・ミー(オールウェイズ)」「シーズンズ」などのヒット・シングルを連発、カナダ全域のトップ・ラジオ局にてヘビー・プレイされる。そして昨年暮れにアルバムをリリースし、ビルボード誌にて“最も重要なカナダからの新人の一人”、“北から訪れたプリンス”などと称され大絶賛され、メジャー・レーベル各社の興味の的となっている。影響を受けたアーティストはマーヴィン・ゲイ、ダニー・ハサウェイ、スティーヴィー・ワンダー、ディアンジェロ、そしてジェイZ。

