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スキンヘッズ愛唱盤33傑

Monday, March 2nd 2009

This Is England
スキンヘッズ愛唱盤アンセム


 1982年のサッチャー政権下、不況、失業、あらゆる差別や矛盾。さらには、激化するフォークランド紛争。漫然ともならない思いを抱えたストリートの若者は、不確かな”愛国心”を露に、激高し、迷走する。初期衝動のエナジーと、それに相反する悔恨の極みを痛々しくもリアルに描いた『THIS IS ENGLAND』。当時の切迫した歴史的背景が云々というよりは、いつの時代もユースにとっては、豊かなイマジネーションとそこに付随する行動力さえあれば世界は拓ける・・・それが善でも悪でも。多分に透けて見えてくる、そうしたメッセージ性が感想としてまずは記するところか。

 とは言っても、本編のストーリーに関して、何かしらのプロパガンダ思想を見つけ出す必要は皆無だろう。なぜなら、音楽ファンが、純粋に耳で楽しむことができるのも本作品の特徴のひとつだからだ。冒頭からトゥーツ&ザ・メイタルズの囚人チューン「54-46 That's My Number」が鳴り、主演の少年ショーンが「Pressure Drop」を口ずさみ、ビールとマリファナでやり過ごすコンボとミルキーが「俺たちスキンヘッズの心を揺さぶる音楽」と、パーシー・スレッジの歌唱に酔いしれる。また、屯するウディらの溜り場には、アルトン・エリス、ジミー・クリフ、リコ・ロドリゲス、リー・ペリーら”スキンヘッズ・レゲエ・イコン”のLPやピンナップが所狭しと貼られている。当時のイギリスの労働者階級の若者たちが求めていた、”エッジのきわ”にある鋭利なアンチ・メインストリーム像は、音楽(または、ファッション)の中に自己を投影したカタルシスであったのかもしれないと思うほど、彼らスキンヘッズの生活と音楽は密接につながっている。

 「お前は心まで坊主か?」・・・まさか、そんなヤツはごくごく一握り。ただ、こんな音楽さえあればオレたちは、中指おっ立てながら、どこにでも往ける。そんな気がする。そんな気になりたい。スキンヘッズが骨の髄まで愛した”心のベストテン”的セレクション。モッズ、パンク、Oi、ハードコア、レゲエ、ダブ、2トーン、ニューウェイヴ、オルタナティヴ、サザン・ソウル、ノーザン・ソウル、あったかいもの、つめたいもの・・・80年代初頭のUKミュージック・シーンがいかに充実し、また、雑多で混沌としていたかもお分かりいただけるだろう。メインストリームの象徴との比較対象として、当時のUKトップ30シングルも掲載。


1982/83年のUKトップ30シングルはこちら




Adventures Of The Hersham Boys

    
------------------------------ジミー・パーシー率いるシャム69。ライブ毎に起こるパンクスと親衛隊スキンヘッズの乱闘騒ぎが原因となり、解散を余儀なくされた彼らの79年ラスト・アルバム。レアな12"、ライブ・テイク等11曲をボーナスとして追加収録。
「Questions And Answers」が試聴できます。


Voice Of A Generation

    
------------------------------80s Oi/スキンズ代表ブリッツの名盤1st。ゴツゴツとした荒削りなサウンドながらもポップな隠し味もあり非常に味わい深い。米国バンドはもちろん、初期イースタン・ユースへの影響も大。

「Voice of a Generation」が試聴できます。



Penis Envy

    
------------------------------”竹夫人”ジャケも強烈な81年3rdアルバム。アルバム全編”ジェンダー・フリー”について歌われており、オリジナル・シンガー、スティーヴ・イグノラントに代わり、イヴ・リヴァーティンなる女性シンガーがまくし立て、独特のハードコア・サウンドで疾駆する。




Good The Bad & The 4 Skins / Fistful of・・・

    
------------------------------スタジオ、ライブ録音収録の82年1stと、元ラストリゾートのロイをシンガーに迎えた83年2ndとの徳用カップリング盤。激しくメンバー・チェンジを繰り返した、伝説のOiバンド、4-スキンズの充実期をこれ1枚で。
「Yesterday's Heroes」が試聴できます。



Crack / Grin & Bear It

    
------------------------------パンク、R&R、レゲエを雑多に煮込んだサウンドで、クラッシュ以上に広角的なDIY精神を標榜したラッツの79年1stと80年2ndのカップリング盤。オーディナリー・ボーイズのカヴァーや、丸ごと再構築盤も出た不滅の名曲「Babylon's Burning」は必聴。
「Babylon's Burning」が試聴できます。


Greatest Hits Vol.1

    
------------------------------ロンドンの下町イースト・エンド出身、80s Oi/スキンズの代表格コックニー・リジェクツ。シャム69のジミー・パーシーとピーター・ウィルソンのプロデュースで80年にリリースされた1stアルバム。「Bad Man」、「East End」、「Join The Rejaects」等名曲多数。



Nine Months To The Disco

    
------------------------------ポップ・グループと並ぶポスト・パンクの代表格にして、ブリストルの最重要グループ、グラクソ・ベイビーズの1stアルバム。ダブ・テイストとノイジーなインダストリアル・サウンドを見事に融合〜昇華。グループはこの後、マキシマム・ジョイに発展。




And We Call This Leisure Time

    
------------------------------グラクソ・ベイビーズのヴォーカリスト、ロブ・チャップマンにより78年に結成されたトランスミッターズ。グラクソ同様、エクスペリメンタルなレゲエ/ダブ・サウンドがブリストル・マナーの源流を窺い知れるかのように綿密に練り込まれている。ガロ的なシュール・ジャケもナイス。




Reggae And Ska

    
------------------------------2トーン・ムーヴメントの嵐吹く80年にリリースされた、スキンヘッズ・レゲエの重鎮、ジャッジ・ドレッドことアレックス・ヒューズの5thアルバム。「Ska Fever」、「Molly」、「Lovers Rock」といった人気シングルを収録。
「Ska Fever」が試聴できます。



Skinhead Moonstomp

    
------------------------------ロイ・エリス率いる英国産スカ&レゲエ・バンド、シマリップ(元々はPiramyds(ピラミッズ)というグループ名で活動。)の82年リリースの名盤。軽快なビートとファンキーでスカンキンなオルガンが、英国中のスキンズを踊り狂わせたのも納得のイケイケ・サウンド。
「Skinhead Moonstomp」が試聴できます。



Cut

    
------------------------------クラッシュのツアーにバズコックスらと共にサポート参加したことで注目を集めたスリッツの79年1stアルバム。パンク、レゲエ、ダブ、ファンク等を自在に行き来するフリー・フォームなサウンドは、ポスト・パンク〜ニューウェイヴ期英国の自由な価値観を雄弁に語っている。
「Typical Girls」が試聴できます。


One Step Beyond

    
------------------------------スペシャルズと共に2トーン・ムーヴメントを牽引したマッドネス(グループ名は、プリンス・バスターの同曲に由来)の有名すぎる79年1stアルバム。デビュー曲「The Prince」、ヒット・シングル「My Girl」等々、全曲が掛け値なしの名曲!
「The Prince」が試聴できます。


Greatest Hits

    
------------------------------2トーン・ムーヴメントの先頭集団スペシャルズやマッドネスにも負けず劣らずの人気を誇ったのが、白黒混合7人組からなる英コヴェントリー出身のこのセレクター。紅一点ポ−リン・ブラックをヴォーカルに据えたポップでソウルフルでキュートなスカ・サウンドが魅力。
「Too Much Pressure」が試聴できます。


I Just Cant Stop It

    
------------------------------こちらもスカ・リヴァイヴァリストの代表格(イングリッシュ・)ビートの80年1stアルバム。ビートルズやキンクスを彷彿とさせるポップなメロディを忍ばせるなど音楽性の高さは髄一。83年の解散後、ファイン・ヤング・カニバルズ、ジェネラル・パブリックなどへと派生する。
「Mirror in the Bathroom」が試聴できます。


All Favourites

    
------------------------------今も熱狂的な支持を集めている、バスター・ブラッドヴェッセル率いる現役・英国スカ最古参、バッド・マナーズ。初期シングル曲「Ne-Ne Na-Na Na-Na Nu-Nu」、「Lip Up Fatty」、「Special Brew」は、80〜83年の111週に渡り、英チャートを制覇。
「Special Brew」が試聴できます。


Rudies Choice Volume 2

    
------------------------------”ルードボーイ”、”スキンヘッズ”の総称が、遠からずして”ルーディーズ”の定義?とにかくも、英国の酒飲み、ゴロツキどもを気持ちよく踊らせるために掻き集められた厳選の12曲。リコで始まり、リコで終わる、鉄板にしてナイス・チョイス。
「Clipper」が試聴できます。


Y 最後の警告

    
------------------------------オルタナ、ニューウェイヴ勢の中でも衝撃的なサウンドと存在感で、一際異彩を放っていたポップ・グループ。その後のシーンに多大なる影響を与えることとなる79年の名盤。嗚呼、マーク・スチュアートのアヴァンなヴォーカル(叫び)が虚空に木霊する・・・
「Thief Of Fire」が試聴できます。


New Age Steppers

    
------------------------------英国ダブの鬼才エイドリアン・シャーウッド主宰のOn-U Sound第1弾。エイドリアンを中心にポップ・グリープ、スリッツ、クリエーション・レベルといった当時の先鋭達17人が集まったプロジェクト=ニュー・エイジ・ステッパーズの1stアルバム。パンク〜ニューウェイヴ、レゲエ、ダブの枠を遥かに越えた前人未到のレベル・ミュージック・サウンド。


King of Ska: Greatest Hits

    
------------------------------スカ・リヴァイヴァルの最中、スキンズ達は誰もが神と崇め倒したJA三大歌唱巨人が、アルトン・エリス、トゥーツ・ヒバート、そして、このデズモンド・デッカーだ。「Israelites」、「007(Shanty Town)」は、今も無法者達のテーマ・ソングとして高い人気を誇る。
「007 (Shanty Town)」が試聴できます。


Fabulous Greatest Hits

    
------------------------------”キング・オブ・ブルー・ビート”プリンス・バスターは、スキンズの永遠の憧れ。元ボクサーという腕っ節の強さから蛮行も数知れず、60年代キングストンのギャング達を仕切っていたとも。63〜67年の代表曲を纏めた本ベストは、2トーン〜ネオ・スカの元種集とも言える。
「Judge Dread」が試聴できます。



Double Barrel -Best of

    
------------------------------リー・ペリー門下生のデイヴ&アンセル・コリンズ。アップセッターズ「Return of Django」と並ぶスキンヘッズ・アンセム「Double Barrel」は、71年3月にJAと英国のチャートで1位、米国でもポップ・チャートの22位を獲得した。「Monkey Spanner」も必聴。
「Double Barrel」が試聴できます。


Two Sevens Clash

    
------------------------------ジョー・ギブス&エロール・トンプソン制作によるカルチャーの77年1stアルバム。クラッシュのグループ名の由来ともなった表題曲は、「77年7月7日に世界は崩壊する」というマーカス・ガーヴェイの予言を歌った完全無欠のラスタ思想歌。
「Two Sevens Clash」が試聴できます。


At The Control

    
------------------------------クラッシュとのハングアウトで一躍パンクス〜スキンズからも高いプロップスを得るようになったマイキー・ドレッドの79年チャンネル・ワン録音の傑作。彼のプロデュースによるアナーキーの81年作『亜無亜危異都市』もヤバい。





Trojan Skinhead Reggae Box Set

    
------------------------------タイトル通り、スキンヘッズ・レゲエの定番を50曲詰め込んだ3枚組ボックス。スキンズ・レゲエの入門編にも勿論、”レゲエ=レベル・ミュージック”という闘争型観念からの脱出を試みたい方にも是非。ウィンストン・グルーヴィー「Funky Chicken」のオルガンとか最高!
「Funky Chicken」が試聴できます。



Rudie's Reggae

    
------------------------------オイ・スカル・メイツのワタル監修によるルードボーイ・チューン・コンピ。ダンディ・リヴィングストンの「Rudy、A Message To You」は、スペシャルズ、ポーグス、さらにはアフラ(ビートボクサーのね)等々、今も多くのカヴァーを生み続ける不滅のルーディズ賛歌。
「Rudy, A Message to You」が試聴できます。



Don Letts Presents The Mighty Trojan Sound

    
------------------------------ロンドンのクラブRoxyで白人相手にレゲエをDJプレイしてきたドン・レッツは、ミック・ジョーンズとのビッグ・オーディオ・ダイナマイトでの活動、パンク・ドキュメンタリー映画の製作など、レゲエとパンクの橋渡し的存在であり続ける。必殺のトロージャン音源セレクション。
「Liquidator」が試聴できます。


Barry Myers Presents Scratchy Sounds

    
------------------------------クラッシュのツアーDJなども務めたバリー”スクラッチー”マイヤーズは、ドン・レッツ同様パンクス達(クラッシュ本人達も含め)にレゲエの魅力を伝道したDJ。スカ、ロックステディ、アーリー・レゲエ、ダブで踊るパンクス〜スキンズのためのサウンドトラック!
「Public Enemy No.1」が試聴できます。



Waiting

    
------------------------------元スペシャルズのテリー・ホール、ネヴィル・ステイプルズ、リンヴァル・ゴールディングの3人で81年に結成されたファン・ボーイ・スリー。デヴィッド・バーン制作による83年の本2nd作では、舌打ち程度のエッジ感と投げやりな脱力感が表裏一体にあることを教えてくれる。
「Our Lips Are Sealed」が試聴できます。



Image Has Cracked

    
------------------------------PIL、ポップ・グループの志をイチ早く具現化したマーク・ペリー率いるオルタナティヴTV。「Love Lies Limp」等で聴けるレゲエ的イディオムは、年々更なる逸脱と増幅を見せ、カテゴライズ不能な境地にまで達する。78年の1stにボーナス11曲を加えたアンソロジー。
「Love Lies Limp」が試聴できます。



1980: Choice Is Yours

    
------------------------------後の2トーン・ムーヴメントを予期させる”ヴェンチャーズ×スカ”とも呼ぶべきインスト「Ayatollah Harmony」で幕開け。全編に渡りパンキッシュでスピード感溢れるポップ・サウンドを展開した、英サリー州出身のニューウェイブ・バンド、メンバーズの80年2ndアルバム。
「Brian Was」が試聴できます。



Northern Soul Essential Collection

    
------------------------------マンチェスターやシェフィールドなどの英北部から着火し、今では世界中に広まったノーザン・ソウル・ムーブメント。フランク・ウィルソン「Do I Love You」、チャック・ジャクソン「I've Got The Need」等、数々の伝説的クラブで幾千ものダンサーを夜毎踊り狂わせたキラー・チューンを40曲収録。
「Do I Love You」が試聴できます。



Soul of Sue -UK Sue Story Vol.3

    
------------------------------60年代オリジナル・モッズがこよなく愛した英Sue Recordsのカタログは、本家・米Sueのそれを凌駕するほど、名伯楽ガイ・スティーヴンスの審美眼が冴えまくった。モッズもスキンズも時代を超えて夢中となった宝石のようなR&Bコレクション。
「Harlem Shuffle」が試聴できます。



Vee-jay British Hit

    
------------------------------60年代英国で、クラプトンやストーンズがカヴァーして注目を集めたVee-Jay音源のブルース、R&Bコンピ。実際、スキンヘッズのどれほどが、この辺りの音源に耳を傾けていたかは謎だが、モッズ以降の”ちんぴらカルチャー”に黒人音楽はやはり欠かせないのでは・・・?
「Just a Little Bit」が試聴できます。