さらに遡ること5年。1934年11月21日に16歳のエラ・フィッツジェラルドは、N.Y.のハーレムにあるアポロ・シアターでデビューを果たしました。ソロでの活動を開始したのは、1941年から。1956年から64年のVerve時代の作品は、現代に至っても「女性ジャズ・ヴォーカル・アルバムの最高峰」として高い評価を受け、「The First Lady of Jazz」の名を欲しいままにしています。
ジャズ評論家レナード・フェザーに見出されたシンガー、マキシン・ウェルドンのデビュー・アルバム(70年)にして、Mainstream初の新人女性シンガー盤としても有名な本作。ポール・ハンフリー、ウィルトン・フェルダーなど西海岸きっての名プレイヤー/バイプレイヤー達がバックを固め、マキシンのアーシーな魅力を存分に引き出しています。2曲のディラン・ナンバー、CCRのジョン・フォガティ「Lodi」といったロック古典をディープ&スワンプなテイストたっぷりに歌い上げる様は圧巻!ハイライトは、アレサのフィルモアでの熱唱も頭をよぎる、メロウ仕立てのブレッド名曲「Make It With You」カヴァー!Mainstreamのヴォーカル作品では、アリス・クラークと並びフリーソウル界隈でも人気の1曲。
4 Maxine Weldon 『Chilly Wind』
名手アーニー・ウィルキンスの指揮のもと71年に制作されたマキシン・ウェルドンのセカンド。バックには、ブルー・ミッチェル、ボビー・ブライアント、アーニー・ワッツ、ポール・ハンフリー、フレッド・ロビンソンといったMainstreamオールスターズが集結。ジェイムス・テイラー「Fire And Rain」、レナード・コーエン「Hey,That's No Way To Say Goodbye」、ランディ・ニューマン「I Think It's Going To Rain Today」といったSSW系カヴァーでの持ち前のどろりとした語り口も秀逸ならば、「Ain't Nobody」、「Country Son」等ジャンプ・ナンバーでの熱い歌唱も最高にドロくさくファンキー!
4 Sarah Vaughan 『A Time In My Life』
こんな大物までもがMainstream色にどっぷり!サラ・ヴォーンが全編8ビートでR&B〜ロック/ポップ・ヒットをカヴァーした71年の異色作。ジョン・レノン「Imagine」、ボブ・ディラン「If Not For You」、ジョン・セバスチャン「Magical Connection」といったロック名曲が大半を占める中、一番人気はやっぱり、レアグルーヴ・ファンにはお馴染み、マーヴィン・ゲイ「Inner City Blues」の激渋カヴァーでしょう!じっくり聴かせます!「On Thinking It Over」をはじめブライアン・オーガー楽曲を3曲も取り上げているのも、レアグル系リスナーには嬉しいハプニング!?総指揮は名手アーニー・ウィルキンス。バックにはジョー・パスらが参加。
4 Alice Clark 『Alice Clark』
満場一致のフリーソウル大名盤!そのパワフルな歌唱力と伸びやかな歌声はまさに宝石と呼ぶに相応しいシンガー、アリス・クラークが唯一残した作品であり、超レア盤としても有名なMainstream盤。「Never Did I Stop Loving You」「Don't You Care」などのフロア定番曲、「Don't Wonder Why」といったこみあげ系の名曲までトータルで楽しめる傑作。バーナード・パーディ(ds)、コーネル・デュプリ(g)、ゴードン・エドワーズ(b)などN.Y.の一流ミュージシャンが参加していると「噂」されているように、バックの演奏も完璧!
4 Ernestine Anderson 『Free Soul - Classic Of』
「第2のサラ・ヴォーン」とも呼ばれたアーネスティン・アンダーソンが、78〜87年にかけてConcordレーベルに残した20枚にも及ぶアルバムからのセレクト。ブルージー且つスモーキーな歌唱と伴奏の多くがピアノ・トリオであることから、ジャズ・ヴォーカルの範疇で語られる彼女だが、「Hello Like Before」や「Mercy Mercy Mercy」などではソウル・シンガーとしての魅力と実力も再認識できる。
4 Marlena Shaw 『Who Is This Bitch Anyway』
80年代後半のレアグルーヴ・ムーヴメントと共に再評価されたソウル・ジャズ・シンガー、マリーナ・ショウの75年発表の最高傑作。今だにフロアの定番とされているロバータ・フラックの名カヴァー「Feel like Makin' Love」をはじめ、都会で生きる女の強さと内省を、そのディープな歌声で見事に表現した1枚。バックには、デヴィッド・T・ウォーカー(g)、チャック・レイニー(b)ら名手が揃う。
4 Abbey Lincoln 『Abbey Is Blue』
50年代はガビー・リーの名で歌っていた彼女。夫マックス・ローチのプロパガンダ志向に影響を受け、『We Insist!』や『Percussion Bitter Sweet』などでもスピリチュアルな名唱を残すアビー・リンカーンの59年Riverside録音作品。「Afro Blue」、「Long As You're Living」などでの真っ黒なフィーリングが耳にこびりつく、紛れもない最高傑作!
73年の初来日時と同メンバーによるニューヨークでのライブ録音盤。民族楽器をふんだんに採り入れた楽曲が並び、彼女のアーシ−な魅力を増幅させる。2曲のスタジオ録音のうち、アフリカン・パーカッションがニーナと並走する「Funkier Than A Mosquito's Tweeter」は、レアグルーヴ・クラシックとしても有名。
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4 Esther Phillips 『What A Diff'rence A Day Makes』
リトル・エスター時代から、ブルース、ジャズ・スタンダード、ポピュラー・ソングなど様々な音楽要素を柔軟な解釈と天性の歌声でモノにしてきたエスター・フィィリップス。70年代になると、CTI傘下のKuduレーベルに移籍し、独特のソウル・ジャズ・フィーリングを完成させた。75年の本作では、オージェイズ曲「One Night Affair」やダイナ・ワシントンなどでおなじみのタイトル曲を都会的でライトなタッチで昇華し、見事ヒットさせている。