Grooveman Spot インタビュー
Wednesday, July 5th 2006
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2003年8月リリース。仙台在住のGagle。そのGagleのブレイン・トラックメイカー兼サイドMCのDJ Mitsu The Beatsのファーストソロアルバム。Dwele、Rich Medina、Mark De Clive-Lowe、Phonte & Big Pooh from Little Brotherら世界各国からラッパー&ミュージシャンを迎え製作された2003年を代表する名盤。その後の世界的活躍は言わずもがな。 |
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○参加陣はそれぞれ少しずつ異なりますが、Mitsu The Beatsさんの『New Awakeing』やBreakthroughのアルバムでも国内アーティストと海外アーティストが横並びで参加していて、『Eternal Development』もそうですがJazzy Sport勢はすごく世界と距離が近いかんじがするのですが、その辺コウジさんはどのように感じてらっしゃいますか?
GS:そうですね、日本のシーンで日本の音楽をする事は当然だと思うし、これからもやって行くと思いますが、海外とのコラヴォレーションを通じて、もっともっと日本のシーンに「世界の音楽は繋がってる」みたいな。MitsuくんもBreakthroughも世界レベルだし、視野を広げてアプローチする。これが大事だと思います。もっともっと世界的にヤバい人たちはいっぱいいるし、逆輸入できると思います。
○今現在のヒップホップシーンについてなにか思っていることはありますか?また、最後に収録されている"Maintain"の最後にO.C.の「This is for the dlder's down to the youth on some Gangstar shi*t like it's the Moment of Truth」というヴァースがあって、フックが「I still maintain my step and I won't stop/I won't quit」で、やはりなにかベテランだからこそ言える言葉だと思いましたし、一概に「古き良き」とは言えないかもしれませんが、『Eternal Development』自体、90年代前半頃の作品を意識して作ったということはありますか?
GS:そうですね〜「古きを知り新しきを知る」も大事ですけど、音楽の変化、流れは大事だし、Swizz BeatsがシンセのBeatでムーブメントを作った様に、シーンを動かせたらいいと思うし、そこに繋がる進化を常に探ってる感じなので、ある意味実験的なアルバムですね。音楽は科学だと思うので。今現在のGrooveman Spotです。
*Grooveman Spot仕事
左から:Enbullの2003年作『Enough And To Spare's』/同じくEnbullの2005年作『Butterflies』/続いてリミックス仕事。DJ Mitsu The Beatsの『Re-new Awakeing Part.2』に"Intro(Dj Kou-G Remix)"を収録。/Jazztronikの『Remixes Part: I』に"Prelude (Grooveman Spot A.k.a. Dj Kou-g Absolutely Finest Remix)"を収録。/Platinum Pied Pipersのアルバム『Triple P』国内盤2枚組エディションに"Stay With Me (Grooveman Spot Remix)"を収録。/Mix CD『Grooveman Spot 2 Cultivate Beats』
○クラシックだと思うヒップホップのアルバムを3枚教えてください。
GS:
・まずGangstarrの『Hard To Earn』。Gangstarrは全部好きなんですけど、このアルバムの中毒性は半端ないです。
・次はLord Finesseの『Awakening』。繊細なプロダクションがかなり好きです。ラップもかっこ良いし!SEの飛ばし方とかは、かなり影響うけましたね!
・もう1枚はO.C.の『Word...life』。言う事無しです…。O.C.に関しては、『Smoke And Mirrors』まで全部好きです。
○次は『Eternal Development』制作時によく聴いていた作品があれば教えてください。
GS:
・Sa-Ra Creative Partners Works。Sa-Raの音はかなり聴いてましたね。独創性に富んでて飛ばされます。(上左はSa-ra Creative Partnersの「Second Time Around」)
・それからDetroit Sound…Jay Dee、Waajeedその他。Detroitの音はかなり聴いてました。黒いです。マジで。(上中はJ Dilla『Donuts』)
・そしてPete Rockの『Soul Survivor』。最近聴き直してて、このアルバムのボリュームは憧れる所があって、アルバム全体の流れ、構成など、「こんなアルバム作りたいな〜」的な感じで聴いてました。
○最後にJazzy Sportの一員としてを含め今後の展望/予定と、リスナーになにかメッセージをお願いします。
GS:今後は、もっともっと進化して新しい事に挑戦して行きたいと思います。U-ZipplainとのEnbullのMini Albumも8/23にリリースされますし、My Men: RaythoughtのAlbumも9月にリリースされます。これからも進み続けます!!PZ!!
○どうもありがとうございました。
協力:Jazzy Sport
*Jazzy Sport
…「女性に優しいハードコア」をモットーに、DJ/MC/デザイナー等が集い、様々な空間をスペシャルなものに変えてしまう素敵な集団。ジャズを根底に、間が作る黒いグルーヴに敏感に反応。盛岡のmusic shop、東京のプロダクション&アトリエ、NY支部を拠点にワールドワイドに活躍中。今一番注目すべき運動体。
左から:Gilles Petersonらも絶賛しているCro-magnonの1stアルバム 『Cro-magnon』/今や不動の人気、DJ Mitsu The Beatsのリミックス/プロデュース・ワークを集めた『Excellence: Selected Works』/BreakthroughのDsk InvisibleのMix CD 『Invisible Classic』/Jazzy Sport All Starsが<Ubiquity>音源を用い製作したMix CD 『1: 07: 53 New World Record』/Jazzy SportクルーBrooklynチームが<Shaman Works>音源を使用しMixした 『Synergy: Shaman Work Recordings』/人気イベント「Jazz Cats」発コンピレーション第2弾『Jazz Cats 2』
Cro-magnon インタビュー
元Loop Junktionの演奏隊メンバー3人によるユニット。犬式やSoil & Pimp Sessionsらとの活動などで注目を集め、その楽曲がGilles Petersonら海外アーティストにも絶賛されている日本発の注目バンド。Jazzy Sport経由で1stアルバムを発表したCro-magnonにインタビュー。
*関連&注目お薦めアイテム
詩人/DJ/プロデューサー/パフォーマー/モデル...と様々な分野で活躍、Jill Scottのデビュー・アルバムでは共同プロデューサーとして参加、DJ Spinna、Weldon Irvine等との楽曲制作や、DJ Mitsu The Beats、福富幸宏のアルバム参加などで知られるRich Medinaの初のアルバムに、Masaya Fantasista(Breakthrough)とgrooveman SpotによるRemixを収録した日本オンリーのJazzy Sport Edition。
日本が誇る信頼のインディペンデントレーベル<Tri-eight>から『Feast』に続く5周年記念コンピレーションの第2弾。「<Tri-eight>の歩み」を着実にふり返ったブレイクビーツ〜ヒップホップ楽曲を収録。Gilles Petersonが自身のラジオで絶賛していたGe-ology feat. Mos Def "Superstar"をはじめ、Mos Def "Universal Magnetic"、Mos Def feat. Q-Tip, Tash "Body Rock"、Artifacts 『That's Them』などを手がけその良質なトラックメイクで信頼を集めていたプロデューサー、Shawn J Periodの帰還曲、Q-Tipが信頼を置くギタリストKurt Rosenwinkel、Global Communicationの一員であり<Warp>からのリリースでも知られるMark PritchardのユニットHarmonic 33、Spacekのメンバーでありソロアルバムも好調なSteve SpacekによるSta Simonez、Opusのあの名曲、Hideo Sasaki、Scott Matelicらを収録。
2006年上半期一番のお薦め。これこそがまさにジャズなヒップホップ。4 HeroのMarc Macによる素晴らしき1枚。Brad Somatik、Luke Parkhouse、Marc Macの3人を中心に生演奏を用い主に90年代初頭のヒップホップの名曲群をカバー。Pharcyde "Runnin'"、Nas "World Is Yours"、Isaac Hayes "Ike's Mood I"など15曲。ジャズはさることながらヒップホップに多大な影響を受けたMarc Macによる愛情溢れる1枚。サンプリングという行為を通して密接な関係を保つヒップホップとジャズ、その蜜月を鳴らす味わい深く、そして意義ある1枚。ヒップホップ、ジャズのみならずクラブリスナーにも聞いてほしい作品。信頼の<BBE>から。
今年2月に32歳の若さでこの世を去ったJ Dillaの遺作が<BBE>から。エグゼクティブ・プロデューサーはDillaと長年の付き合いになるKarriem Riggins。ゲストには盟友Busta Rhymes、Common、Pharoahe Monch、Madlib、Dwele、そしてD'Angeloなど、彼と縁の深いアーティストが参加。傑作。

▼hmv.co.jp ダンス&ソウル アーティストインタビュー集

<Jazzy Sport>から