アンネ=ゾフィー・ムター/『イースト・ミーツ・ウエスト』
2026年02月06日 (金) 18:00 - HMV&BOOKS online - Classical
参考動画 シリーズについてのインタヴュー
デビュー50周年!
ムターと「ALPHA CLASSICS」のコラボレーションによる同時代音楽シリーズ始動
現代ヴァイオリン界の女王、アンネ=ゾフィー・ムターが2026年に迎えるデビュー50周年を記念し、自身がプロデュースする同時代音楽の新録音シリーズ『ASM Forte Forward』を「ALPHA CLASSICS」で始動させます。その第一弾となる本作『East Meets West』は、タイトル通り「東洋と西洋」の融合をテーマに、すべて彼女のために書き下ろされた作品のみで構成された意欲作です。
イラン出身のアフタブ・ダルヴィシ[1987-]による『リクー(Likoo)』は、イラン南東部に伝わる愛の喪失と渇望を表現した悲しい伝統歌謡に着想した無伴奏作品。2025年6月15日、イスラエルによるイラン攻撃が始まった「12日間戦争」の最中に録音されました。作曲家はこの出来事により、作品に込められた悲しみが新たな意味を持つようになったと述べています。
韓国出身のチン・ウンスク(陳銀淑)[1961-]による『グラン・カデンツァ(Gran Cadenza)』は、独奏者が技巧を誇示する伝統的なカデンツァを2人の奏者による対立、対話、融合の場へと発展させたもの。即興的に聴こえる箇所も全て記譜されています。
ドイツのイェルク・ヴィトマン[1973-]による『スタディ・オン・ベートーヴェン(Studie uber Beethoven)』は、ベートーヴェンの語法を分析・変容し現代の視点から再構築した弦楽四重奏曲。 使い古されたとされる「調性」という素材を用いながら、いかに新しい独創的な表現が可能かを実験しています。ベートーヴェンが、演奏困難な箇所に不平を言った奏者に対し「ミューズに語りかけられている時に、お前の哀れなヴァイオリンのことなど考えていられるか」と言い放ったという逸話への皮肉な言及も含まれています。世界初演は2020年2月22日にサントリーホールで行われました。
そしてイギリスのトマス・アデス[1971-]自身の指揮によるロンドン交響楽団との『エア(Air)』は、高音域の多用による浮遊感が特徴的な協奏曲。パンデミックの最中、音楽家がスーパースプレッダー(空気感染の媒介者)として危険視された時期に「音楽とは結局のところ、空気(Air)の震えに過ぎない」という事実を肯定的に捉え直そうとしたこと、またヴァイオリンとオーケストラによる「歌(Aria=Air)」にもかけて命名されました。ムターは、指板の端ギリギリの超高音を多用する本作において、自身の左手小指は「勲章に値する働きをした」とユーモアを交えて評価しています。
「音楽は私たちがそれを更新し、伝えていくことで生き続ける」と語るムター。ソロからオーケストラまで、国境や文化を超えた多彩な響きが収められたこのアルバムは、慣れ親しんだ場所に安住せず、未知の音世界へ果敢に挑み続ける彼女の半世紀の集大成であり、音楽の未来を照らす1枚です。(輸入元情報)

【収録情報】
1. ダルヴィシ:リクー(2024)〜無伴奏ヴァイオリンのための
録音時期:2025年6月
録音場所:ミュンヘン、バイエルン放送、スタジオ1
2. チン・ウンスク:グラン・カデンツァ(2021)〜2つのヴァイオリンのための
録音場所:2023年2月
録音場所:ニューヨーク、カーネギー・ホール、スターン・オーディトリアム/パールマン・ステージ
3. ヴィトマン:スタディ・オン・ベートーヴェン(弦楽四重奏曲第6番)(2019)
録音時期:2025年2月
録音場所:ミュンヘン、バヴァリア音楽スタジオ
4. アデス:エア - シベリウスへのオマージュ(2022)〜ヴァイオリンと管弦楽のための
録音時期:2024年11月
録音場所:ロンドン、LSOセント・ルークス
アンネ=ゾフィー・ムター(ヴァイオリン)
ナンシー・ゾウ(第2ヴァイオリン:2)
イェウン・チェ(第2ヴァイオリ:3)
ムリエル・ラザヴィ(ヴィオラ:3)
パブロ・フェランデス(チェロ:3)
ロンドン交響楽団(ゲスト・リーダー/ステファニー・ゴンリー:4)
トマス・アデス(指揮:4)

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