Old Rock並びにProgressive Rockファンにとって、KING CRIMSONの『In The Court Of The Crimson King(邦題:クリムゾン・キングの宮殿)』は、必ず一度は耳にするであろう歴史的名盤です。1969年に発表された本作は、プログレッシブ・ロックというジャンルの方向性を決定づけた作品として、現在に至るまで極めて高い評価を受け続けています。
メロトロンを中心とした重厚かつ幻想的なサウンド、ジャズやクラシックの要素を取り込んだ構築美、そして「21st Century Schizoid Man」に代表される圧倒的な緊張感は、当時のロックシーンに大きな衝撃を与えました。
特に原盤レコードのコレクターにおいては、UK Island盤のファーストプレス、いわゆるKC 1st UK Island盤初版はぜひ所有しておきたい1枚とされています。その中でもPink i LabelのMAT2/2は、とりわけ音質面での評価が高く、コレクター間で非常に人気のある仕様です。
一部の愛好家からは「一度Pink i LabelのMAT2/2を聴いてしまうと、他のMAT番号のPink i Label盤では満足できなくなる」といった極端な意見が出るほどであり、本作がいかに音源・盤質の違いまで含めて語り継がれてきた作品であるかがうかがえます。
- KING CRIMSON「In The Court Of The Crimson King」UK Island盤とは?
- なぜMAT2/2の人気が高いのか?
- UK Island盤 Orlakeプレス ご紹介
- Variation 1:Pink i Label MAT2/2
- Variation 2:Pink RIM Label MAT2/2
- Variation 3:Pink RIM Label MAT+A2/+B2
- Variation 4:Pink RIM Label MAT+A2/+B3
- Variation 5:Pink RIM Label MAT+A3/+B3
- 補足
- まとめ
目次
KING CRIMSON「In The Court Of The Crimson King」UK Island盤とは?
Old Rock並びにProgressive Rockファンにとって、KING CRIMSONの『In The Court Of The Crimson King(邦題:クリムゾン・キングの宮殿)』は、必ず一度は耳にするであろう歴史的名盤です。1969年に発表された本作は、プログレッシブ・ロックというジャンルの方向性を決定づけた作品として、現在に至るまで極めて高い評価を受け続けています。
メロトロンを中心とした重厚かつ幻想的なサウンド、ジャズやクラシックの要素を取り込んだ構築美、そして「21st Century Schizoid Man」に代表される圧倒的な緊張感は、当時のロックシーンに大きな衝撃を与えました。
特に原盤レコードのコレクターにおいては、UK Island盤のファーストプレス、いわゆるKC 1st UK Island盤初版はぜひ所有しておきたい1枚とされています。その中でもPink i LabelのMAT2/2は、とりわけ音質面での評価が高く、コレクター間で非常に人気のある仕様です。
一部の愛好家からは「一度Pink i LabelのMAT2/2を聴いてしまうと、他のMAT番号のPink i Label盤では満足できなくなる」といった極端な意見が出るほどであり、本作がいかに音源・盤質の違いまで含めて語り継がれてきた作品であるかがうかがえます。
なぜMAT2/2の人気が高いのか?
なぜこのようにMAT2/2の人気が高いのかを考えると、私はこのMAT2/2をプレスしているOrlake Recordsというプレス会社の存在が大きな要因ではないかと推測しています。
まず、UK Islandレーベルは1970年代中期に一時的に自社プレス工場を所有していたようですが、1960年代から1970年代初期にかけては、レコードのプレスを他社に委託する形を取っていました。具体的には、PhillipsやEMI、そしてその他複数のプレス会社に依頼しており、その委託先のひとつがOrlakeです。
このOrlakeでプレスされたレコードには、いくつか共通した特徴があります。
@ラベル面がザラザラしている Aラベル内側、中心穴付近に溝がある B盤が全体的に厚めである
@については、ザラザラとした質感がレーベル外周のフチ(RIM)部分を除いて全体に及んでいるものと、中心部分のみがザラザラしているものの、主に2種類が存在します。
Aに関しては、Orlakeプレス以外の盤がおおよそ130g中盤から140g前後であるのに対し、Orlakeプレスの盤は140g後半から、重いものでは160g後半に達する個体も確認されています。
そしてBが、MAT2/2の人気を語る上で特に重要なポイントです。出音が大きいため、一種のLOUD CUT的な感覚をもたらし、結果として非常に迫力のある音として聴こえる点が、多くのリスナーやコレクターに強く支持されている理由だと考えられます。
これらの要素が重なり合うことで、Pink i LabelのMAT2/2は単なる初期プレスという枠を超え、音質面でも特別視される存在になっているのではないでしょうか。
UK Island盤 Orlakeプレス ご紹介
Variation 1:Pink i Label MAT2/2
SIDE A : ILPS 9111 A▽2 1 4
SIDE B : ILPS 9111 B//2 1 5
前項でも触れた通り、本盤は人気No.1といえる仕様。
Pink i Labelにおいて、Orlakeによるプレスが確認されているのは、このMAT2/2のみであり、逆にPink i LabelのMAT2/2については、Orlakeプレス以外のプレス会社による盤は存在しないと考えられています。
またジャケットについてですが、内ジャケット左側部分の右下に、横長に修正されたような枠が確認できます。その枠内にE.J. DAYと記載されているものは、「E.J. Day製」ジャケットと呼ばれ、初回仕様のジャケットであると一般的に認識されています。
このことから、Pink i LabelのMAT2/2は、このE.J. DAY製ジャケットに封入されている可能性が非常に高いと考えられます。
Variation 2:Pink RIM Label MAT2/2
SIDE A : ILPS 9111 A▽2 1 4
SIDE B : ILPS 9111 B//2 1 5
時代が進むにつれ、レーベルデザインはPink iから、島柄で外周フチがピンク色になったPink RIM Labelへと移行していきます。
お気づきになる方も多いかと思いますが、このPink RIM Label仕様の盤は、Matrix / Runout表記がVariation 1と同一であり、刻印から判断すると、マザーはPink i LabelのMAT2/2と共通のものが使用されていると考えられます。そのため、プレス時期の違いによりスタンパーの鮮度はやや落ちている可能性はありますが、再生時に聴こえてくる音自体はPink i LabelのMAT2/2とほぼ同等といえるでしょう。
Pink i LabelのMAT2/2は、状態が良好な個体であれば6桁台の高額で取引されることも珍しくありません。そのため、音の傾向が近いものを現実的な価格帯で楽しみたい方にとっては、このPink RIM LabelのMAT2/2は十分に魅力的な選択肢となるかもしれません。
また、この後に紹介するVariation 3以降の仕様でも確認される点ですが、Pink RIM LabelのOrlakeプレスによるKING CRIMSONの1stには、E.J. Day製のスリーヴに封入されている例が見られます(すべてではありません)。
このことから、Orlakeのプレス工場が保有していたE.J. DAY製スリーヴを、Pink RIM Labelの時代になっても引き続き使用し、出荷していた可能性が高いと推測されます。
Variation 3:Pink RIM Label MAT+A2/+B2
SIDE A : ILPS+9111+A2
SIDE B : ILPS+9111+B2
次に、MAT表記に「+」が付いた仕様についてです。
この「+」が付いているものは、Orlakeプレス工場による自社カッティングであると言われています。実際に、IslandレーベルのKING CRIMSON 1st以外の作品においても、OrlakeプレスとされるレコードのMAT表記には「+」が付いている例が多く確認できます。
また、この「+A2/+B2」仕様で特に興味深い点は、曲間に溝が存在しないことです。初めてこの盤を目にしたときには、「これは一体どういうことだろう」と思わず戸惑ってしまったほどで、視覚的にも非常にインパクトのある仕様といえます。
Variation 4:Pink RIM Label MAT+A2/+B3
SIDE A : ILPS+9111+A2
SIDE B : ILPS9111+B3 PECKO
Variation 5:Pink RIM Label MAT+A3/+B3
SIDE A : ILPS+9111+A3 PORKY
SIDE B : ILPS9111+B3 PECKO
さらに数字が進み「+3」となり、カッティングエンジニアであるGeorge Peckham、通称 "Porky" の刻印が入った仕様です。
初期MAT盤との微妙な音の違いを聴き比べるという点においても、この+3仕様は非常に興味深い存在です。
補足
SIDE A : ILPS 9111 A▽2 1 4
SIDE B : ILPS9111+B3 PECKO
Pink RIM Label仕様の中には、上記と同様の刻印が確認できるものも存在します。おそらくOrlakeによるプレスではないかと推測されますが、現時点では実物を直接確認したことがありません。
そのため、現段階では断定的な判断は控え、今後実際に取り扱う機会があった際には、あらためて詳細を確認したうえで追記したいと考えています。
まとめ
KING CRIMSONの1stアルバムにおけるPink i LabelのMAT2/2は、すでに広く知られた存在であり、他のMAT番号のPink i Label(MAT1/1を除く)と比べても、明らかに高額で取引される傾向があります。一方で、Pink RIM LabelのKC 1stについては、MATの違いによる価格差が、現状ではそれほど明確に付けられていないケースも少なくありません。
しかしながら、一部のコアなファンやコレクターの間では、Pink RIM Label仕様であってもOrlakeプレスと推測されるものが高額で取引されており、徐々にその価値が認識されつつあります。
またOrlakeは委託プレス工場として、KING CRIMSONに限らず、さまざまなレーベルのアーティストや作品を手がけてきました。そのため、その他著名アーティストの作品の中にも、時折Orlakeプレスと思われる盤が紛れていることがあります。
Orlakeプレスが気になる方は、今後UK盤をチェックする際に、以下の特徴を備えたレコードを見かけた場合には、ぜひ注意深く確認してみることをおすすめします。
@ラベル面がザラザラしている Aラベル内側、中心穴付近に溝がある B盤が全体的に厚めである
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