エルドビョルク・ヘムシング/『カラーズ・オブ・バッハ』

2025年12月23日 (火) 18:00 - HMV&BOOKS online - Classical


巧みな編曲で作品の魅力を倍増させ、
音楽の本質を明らかにするヘムシングの愉悦に満ちたバッハ・アルバム


このアルバムは、ヘムシングがインスピレーションを受けた選りすぐりのバッハ20作品それぞれの特徴を膨らませ、遊び心を混ぜ込んだアルバムとなっています。編曲家ティム・アルホフ、ヤン・ペーター・クロプフェル、ヤルッコ・リーヒマキは、各作品に新たな色彩を吹き込み、バッハお馴染みの名作を新たに構築しました。このプロジェクトの核となるのは、バッハの音楽を決して損なうことなく、拡張、再考、再構築するという共通の芸術哲学です。本作の編曲家たちは、作品の根底に流れる享楽性はそのままに、バッハならではの快活で耳に心地よい旋律や和声の魅力をたっぷりと堪能させてくれるのです。
 バッハの『パルティータ第3番』の気まぐれな輝きから、『ブランデンブルク協奏曲』の深く感情的な再解釈まで、原曲への深い敬意を保ちつつ、バッハならではのメロディに新たな生命を吹き込み、新しい感情の次元を開きます。アレンジによっては斬新な和声を導入し、また別のアレンジでは全く新しい楽器編成が試みられています。『8つの小前奏曲とフーガ』のプレリュードの緻密でメロディックな演奏は、技巧的なソロ・ヴァイオリンと弦楽オーケストラの演奏へとシームレスに移行し、魅惑的な音楽体験を生み出します。『G線上のアリア』はイタリア協奏曲の優雅さを取り入れ、『マタイ受難曲』の『哀れみ給え、我が神よ』では落ち着いた雰囲気のインストゥルメンタル・バラードとして再解釈されています。これらの独創的なアレンジは、バッハ音楽の適応性と時代を超越した魅力を際立たせ、音楽の色彩が織りなす様々な変化を生み出しています。

「バッハはまさに天才的な作曲家でした。」とエルドビョルク・ヘムシングは語ります。「彼の作品を構成する形や様式には無限の解釈があります。バッハが作曲したすべてのメロディには、深く感情的でありながらも高度な技術で構成されている、という興味深い二面性があります。だからこそ、再解釈の可能性が無限にあるのです。」

『カラーズ・オブ・バッハ』は、彼の揺るぎない音楽性へのオマージュであり、聴き手を遊び心あふれる探求の旅へと誘います。鮮やかなうねりと叙情的な解放を伴うイメージの絶え間ない変化を通して、それぞれの作品が本来の形を取り戻し、そして新たな色彩を帯びていきます。
 さらにこのアルバムは、喜び、希望、そして遊び心に満ちています。エルドビョルクは「私たちは、聴き手が歴史の重要な瞬間と再び繋がる機会を作りたかったのです。」と語ります。「そしておそらく、その音楽体験で自身の解釈を発見することになるかもしれません。」

このアルバムで最もエモーショナルな編曲のひとつが『G線上のアリア』です。別れのイメージが強いこの曲は、エルドビョルクにとって非常に特別な意味を持っています。エルドビョルク曰く「この曲は私がこれまで演奏してきた中で最も重要な曲のひとつです。父の葬儀で演奏した曲で、いつも父を失った悲しみと重ねて考えていました。でも、私は父をそんな風に思い出したくありません。音楽には、私たちとの感情的な繋がりを決定づけるほどの力があるのです。ですから、この曲に新たな視点を与えることで、音楽とどう繋がりたいかを決める機会を得たのです。そして、それがまさにこのアルバムの精神なのです。」

『カラーズ・オブ・バッハ』は、時代を超えた作品との繋がりを新たに提供することで、バッハの作品を過去から現代へと蘇らせます。このアルバムは、魂のこもった編曲により喜びに満ちた驚きを、バッハの音楽に秘められた無限の色彩を発見する機会を与えてくれます。(輸入元情報)

【収録情報】
J.S.バッハ:
01. 『パルティータ』変奏曲
(無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番ホ長調 BWV.1006〜第1曲:プレリュード)
02. 『慈しみもてわれらを死なせ』の主題による変奏曲(イエス十二弟子を召し寄せて BWV.22〜第5番『慈しみもてわれらを死なせ』)
03. アヴェ・マリア変奏曲(平均律クラヴィーア曲集 第1巻 BWV.846〜第1番:プレリュード)
04. 『メヌエット ト長調』変奏曲(アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳 BWV.Anh.116〜第7番:メヌエット ト長調)
05. 『ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調』変奏曲(ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV.1041〜第2楽章:アンダンテ)
06. メランコリー変奏曲(ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲ト短調 BWV.1060R〜第3楽章:アレグロ)
07. 『心と口と行いと命もて』変奏曲(心と口と行いと命もて BWV.147〜第5番『主よ人の喜びの望みよ』)
08. G線上のアリア変奏曲(管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV.1068〜第2曲:エア)
09. ブランデンブルグ協奏曲の再訪(ブランデンブルグ協奏曲第1番ヘ長調 BWV.1046〜第1曲:アレグロ)
10. まぶねのかたわらに立ちて BWV.469
11. ゴルトベルク・アリア変奏曲
(ゴルトベルク変奏曲 BWV.988〜アリア)
12. 『プレリュード ハ長調』変奏曲(8つの小前奏曲とフーガ BWV.553〜第1曲:プレリュード ハ長調)
13. 『たしかにその時機だ』変奏曲(今ぞ喜べ、愛するキリストのともがらよ BWV.734〜たしかにその時機だ)
14. 『インヴェンション へ長調』変奏曲(インヴェンション第8番へ長調 BWV.779)
15. オルガン・ソナタ変奏曲(オルガン・ソナタ第4番ホ短調 BWV.528〜第2楽章:アンダンテ)
16. 『汝の行くべき道と』変奏曲(マタイ受難曲 BWV.244〜第53曲『汝の行くべき道と』)
17. 『哀れみ給え、我が神よ』変奏曲(マタイ受難曲 BWV.244〜第47曲『哀れみ給え、我が神よ』)
18. 『われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ』変奏曲(われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ BWV.639)
19. 『協奏曲 ニ短調』変奏曲(協奏曲ニ短調 BWV.974〜第3楽章:プレスト)
20. ヴァイオリン協奏曲第2番ホ短調 BWV.1042
21. コラール・アリア変奏曲
(いざ、罪に抗すべし BWV.54〜第1曲:アリア)
 編曲:ティム・アルホフ、ヤン・ペーター・クロプフェル、ヤルッコ・リーヒマキ

 エルドビョルク・ヘムシング(ヴァイオリン)
 ノルウェー・ストリング・クインテット
  第1ヴァイオリン:エリセ・ボートネス
  第2ヴァイオリン:リヴ・ヒルデ・クロック=ブリン、マリア・カールセン
  ヴィオラ:イダ・ブリン
  チェロ:ルイザ・タック
  ベース:ケネス・ライランド
 ティム・アルホフ(ピアノ:01,02,03,04,09,10,11,12,13,17,18)
 ヤン・ペーター・クロプフェル(ピアノ:05,06,07)
 マルティナス(アコーディオン:06)

 録音時期:2024年6月12,18-21日
 録音場所:ノルウェー、オスロ、オペラ・ハウス
 録音方式:ステレオ(デジタル)

【エルドビョルク・ヘムシング】
ノルウェーのヴァイオリニスト。1990年にノルウェーのヴァルドレスで生まれ、5歳でヴァイオリンを始める。6歳のときにはノルウェー王室のために演奏するなど幼少期の頃からその才能を発揮し、11歳の時にベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団と共演しソロ・デビュー。2012年には、オスロで開催されたノーベル平和賞授賞式に出演。3枚のアルバムは多くの賞を受賞し、数多くの世界的なイベントや会場でも演奏や世界ツアーを行なう。作曲家タン・ドゥンとは緊密な協力関係を築いており、数々の賞を受賞した作品の初演、ツアー、レコーディングで共演。また彼女は「クラシック音楽をより多くの人々に届ける」という信念のもと、様々なプロジェクトにも積極的に参加。姉でありヴァイオリニストのラグンヒル・ヘムシンクとともに「ヘムシング・フェスティバル」を主催し、ボードー市に本拠を置くノルドランド音楽祭で毎年開催される革新的な指導プログラム、SPIREの芸術監督も務める。
 ヴァイオリンはデクストラ・ムジカ財団から貸与された1707年製「Antonio Stradivari 'Rivaz, Baron Gutmann'」を使用。(輸入元情報)

Colors of Bach : Eldbjorg Hemsing(Vn)Norwegian String Quintet

CDImport

Colors of Bach : Eldbjorg Hemsing(Vn)Norwegian String Quintet

Bach, Johann Sebastian (1685-1750)

Price (tax incl.): ¥3,080

Member Price (tax incl.): ¥2,090

Multi Buy Price (tax incl.): ¥2,090

Pre-Orders - 16 Jan 2026 発売予定

Showing 1 - 5 of 5 items

表示順:
※表示のポイント倍率は、ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

チェックした商品をまとめて

チェックした商品をまとめて