●第一夜『はらいそ、の音楽 コーヒーハウス・モナレコーズの細野晴...
『はらいそ、の音楽 コーヒーハウス・モナレコーズの細野晴臣さんトリビュート・アルバム』発売記念。小西康陽さんインタビュー 第一夜。今夜から四夜連続お届けします。 【HMV限定特典】小西康陽さん書き下ろし原稿収録 「別冊 はらいそ、の音楽」(A5判・64P)
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2025年12月16日 (火) 18:00
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『はらいそ、の音楽 コーヒーハウス・モナレコーズの細野晴臣さんトリビュート・アルバム』12月17日発売を記念して、小西康陽さんインタビューを四夜連続お届けします。
●第二夜
“コーヒーハウス”からのボブ・ディランのエピソード、フォークのレコードについて。
小西さんが3年に渡り、弾き語りライブ企画「コーヒーハウス・モナレコーズ」を開催されている理由、第一夜で少し、おわかりになりましたでしょうか。あの小西さんが今そんなことになってるのか、と思った方は下北沢においで下さい。ギターを弾き、歌うお姿をとても近くで体験できますので。
さて、第二話はいよいよ細野さんのお話。エピソード満載でお送りします。
――2025年3月28日の「コーヒーハウス・モナレコーズ」のシークレットゲストは細野晴臣さんでした。チケットが数秒で売り切れた噂は聞いていますが、当日の細野さんとのエピソードをお聞かせいただけますか。
小西康陽(以下、小西):はい。当日、細野さんはリハーサルもなさらず。楽屋に二人で待機するような時間もなくて。僕が演奏している途中に細野さんがOKになったタイミングで、「モナレコード」の長谷さんが「細野さんが登場します」とキューを出して下さるという流れで。だから、細野さんとは結局ね、ステージの上でしか会ってないんですよ。そして、ステージを降りた後はもうそのままお帰りになってしまって。
――そのままお帰りに。
小西:はい。この「モナレコード」は長い階段を上ってきますよね? 僕が最初、何十分か弾き語りをやっている時、どうやら細野さんはさらに上の階段まで行って、屋上に上がってタバコを吸ってらしたみたいです。僕はその日もサインをいただく気でレコードとかを持ってきてたんですけど、もらったりするチャンスはないんだなと思って(笑)。でもね、ステージに上がる時にジャケットのポケットにサインペンを隠し持っていたので、ステージの上でギターにサインしてもらうお願いをして、実際にいただきました。
――ギターにサインを。本当に演奏だけされて、帰られてしまったんですね。
小西:はい。ギターをチューニングする方が前もってギターの準備とかをなさってて。あの日は本当にステージでお会いした以外は会えてないです。
――出演にあたり、「シークレットゲストとして名前を伏せる」ということ、「3曲のみの演奏」というお約束なら出演OK、と。
小西:ですね。
――そして、実際に歌われたのは?
小西:4曲。
――おお!そうすると、他に2曲の未収録曲がありそうですが、その2曲は何を歌われたのか気になります(笑)。
小西:最初に歌って下さったのが「ラモナ」っていう曲ですね。それから「ろっか・ばい・まい・べいびい」をやってくださったんですが、曲のラストのところで間違えてしまったそうでその収録は叶いませんでした。
細野さんの3月の次の回、5月に「モナレコード」の長谷さんと「記念の何かを作りたいですよね」みたいな話になって。「あの日の音源も入れられたらいいですね」というようなことも話して。
――その記念が本作『はらいそ、の音楽 コーヒーハウス・モナレコーズの細野晴臣さんトリビュート・アルバム』という。
小西:はい、そうです。
――全曲細野さんの楽曲で構成する、という形に決まったのは?
小西:全て細野さんの楽曲の中から好きな曲で、1枚アルバムを作るって、もしかしたら自分がやりたかったのかもしれないですけどね。
――なるほど。
小西:うん。でもいろんな人にやってもらって、思いがけない曲とかを選んでくださって。
――音作りとして目指した、具体的にこのアーティストのこの作品みたいなものはあったりしますか?
小西:いや、全然ないですね。 ただ、僕はここ最近ずっとドラムの入ってないレコードばっかり聴いていて。 特に昔はわからなかった、アメリカの「フォークウェイズ・レーベル」とか「フォークレガシー・レーベル」とか、そういうところが出しているレコードがすごい好きになって。なんかそういうイメージかなと思って。
――小西さんの弾き語りライブを拝見していると、今まで小西さんの作られた曲の、歌詞が全然違って聞こえるみたいなところがあって。「ああ、こんなにいい曲だったんだ」って言ったら失礼かもしれないんですが、でも本当に歌詞がすごくダイレクトに入ってきて。歌う方によって、歌詞が入ってくる、入ってこないって、すごくあるなとも思います。細野さんの歌詞を歌われて、小西さんがどういう風に思われるのかなっていうのもちょっと聞いてみたいところです。
小西:うーん。やっぱり。細野さんはsense of humorな人だなっていうとこですかね。やっぱり語呂合わせとかね。 言葉遊びとか。 そういうところが必ず歌詞に入ってるじゃないですか。ユーモアが大切っていうか。
今年、立教大学であった細野さんの展示をご覧になりました?
――知らなかったです…。
小西:『細野さんと晴臣くん』っていうタイトルの展示で、細野さんが10代、大学生ぐらいまでの頃のノートに書いた落書きとかを展示しているイベントだったんですけど、なんか、もうその頃からやっぱりsense of humorな人なんですよね。漫画がめちゃくちゃ、びっくりするくらい上手くて。なんでこの道に行かなかったんだろう、ってぐらい上手いんですよ。
――そんなに。
小西:細野さんがよくおっしゃってますけど、高校の時の隣の席に『三丁目の夕日』の西岸良平さんがいらしたそうで。「同級生にあいつがいたから漫画をあきらめた」ということらしいんですけど。
――好きで書かれていた?
小西:うん。僕も好きで小学校時代、漫画を描いたりしたんですけど。 もうはるかに上手いですよ。 めちゃくちゃ上手い。 本当プロになればいいのにってぐらいの画力でしたね。
それで、あれを見て逆に不思議になったんですよね。こんなに絵心がある人なのに、なんでジャケットデザインとかご自分でなさらないんだろうなって。
――デザインが気になりすぎちゃうから、遠ざけるんですかね。
小西:そうかもしれない。あと、今までのインタビューでもいくつか話していることなんですけど、ピチカート・ファイヴで 『Bellissima!』 っていうアルバムを作った時のトラックダウンの日。トラックダウンは、エンジニアの人が立ち上げてくれるから、最初からいなくても出来上がった何時間後かにいればいいかなみたいな感じで、その日、スタジオ行く前に渋谷の「すみや」(映画音楽専門店)に行ったら、細野さんがいたんですよ。
――おお。
小西:で、細野さんにひさしぶりに会ってご挨拶したんだけど、その後すぐに「あー、今作ってる『Bellissima!』って、失敗作だ。ダメだわ」って思った。あのアルバムには笑いが足りないっていうかさ。そう思っちゃったの。
――笑いが足りない。
小西:そう、ユーモアが足りないレコードだなと思って。その反動で、その後、ピチカート・ファイヴは、『女王陛下のピチカート・ファイヴ』に始まって、『月面軟着陸』『女性上位時代』と、くだらなさの中に突入していくんですけど。
――細野さんの影響で。
小西:影響ですね。
――その頃、細野さんは何を歌われてましたかね、年代で言うと。
小西:あの時代...確か、清志郎さんと坂本冬美さんと、HISとかかな?
――HIS!意外と?意外とじゃないかもしれないですけど、いろんなことをされてる方でもありますね。
小西:そうですよ。僕以上に、というか、誰よりも振り幅が広いですね。
明日の第三夜はいよいよ発売日! ● 『はらいそ、の音楽 コーヒーハウス・モナレコーズの細野晴臣さんトリビュート・アルバム』について それでは、また明日の夜にお会いしましょう。
小西さん企画の本が出ました!
「この本を、とくに若い世代の方々に薦めたい。あなたが長い人生を通してずっと音楽と親しく付き合いたい、と考えるなら、この本は買っておいたほうがいい。大切なことは小さな声で語られる。そう、ちょっと高いけれど、この本はお買い得ですよ」──小西康陽
大江田信は高校時代に友人の佐久間順平と「林亭」を結成する。自主制作レコード『夜だから』はミュージシャン高田渡に偶然手渡される。それは「音楽」を生業とする人生のはじまりだった――本書は初の著書であり、レコード会社勤務、ラジオ番組選曲家、音楽ライター、「ハイファイ・レコード・ストア」の経営者と、音楽を仕事にし続けた彼の50年にわたるコラムやエッセイをまとめた「ヴァラエティブック」である。
企画=小西康陽 編集=小梶嗣 ブックデザイン=菅野カズシゲ 装画=矢吹申彦 写真=高田渡、廣瀬壯太郎
インタビューでお話しているのはこちらのアルバムです。名作!
小西さんが3年に渡り主催してきたレギュラー・イベント「コーヒーハウス・モナレコーズ」から誕生した本作は、 これまで同イベントに出演してきたアーティストたちが集結し、細野晴臣の楽曲をそれぞれの解釈と愛情を込めて弾き語りでカヴァーした企画アルバム。
細野さん本人による弾き語り「香港ブルース」「恋は桃色」をMC込みで収め、会場の空気感をそのまま音源化している。さらに、細野さんの未発表音源となるフランツ・リスト「愛の夢」のカヴァー(デモ・ヴァージョン)も収録。
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