ベンノ・ラビノフ、トーシャ・ザイデル〜稀少LP録音集
2025年11月26日 (水) 18:00 - HMV&BOOKS online - Classical

アウアーのレガシー・シリーズ
ベンノ・ラビノフ、トーシャ・ザイデル/稀少LP録音集
名教師レオポルト・アウアーの優れた弟子たちを紹介するシリーズ「アウアーのレガシー」にラビノフとザイデルそれぞれが遺した稀少なソロ・アルバムLPの復刻が登場。
前半に収められたトーシャ・ザイデル[1899-1962]は、オイストラフやミルシテインと同郷のウクライナはオデーサの生まれ。アウアーはほぼ同年代の2人の弟子、ハイフェッツとザイデルを双璧と見なし「天使と悪魔」と呼びました。ザイデルは1918年4月にカーネギー・ホールにデビューすると間もなく、RCAのハイフェッツの対抗馬として米コロンビアと契約しましたが、本格的な録音は少なく、特にLP時代の録音ではここに収録された「Impresario」レーベルのものが唯一のようです。解説によれば、これは市販を想定しないプライベート録音だったようで、「Schwann」のカタログにも載ったことないとのこと。2025年11月中旬時点で「discogs」にも掲載が無く、きわめて貴重な音源と言えそうです。演奏は力強く推進力に富み、緩急のメリハリをはっきりと付けた立派なもの。ザイデルが1925年に入手したストラディヴァリウス「ダ・ヴィンチ」の輝かしい音と、それを時に鋭く、時に甘く奏でるテクニックも聴きものです。尚、フランクは1999年に「Biddulph」からリリースされた「LAB138」と同一演奏です。
後半に収録されたベンノ・ラビノフ[1908-1975]はアメリカ生まれで、アウアーがアメリカに拠点を移してからの弟子。彼を高く評価したアウアーは、1927年11月、ラビノフのカーネギー・ホール・デビュー・コンサートで自ら指揮を買って出て、エルガーとチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲の演奏を成功させました。ラビノフは妻のピアニスト、シルヴィアとのデュオで広く活動し、マルチヌーは彼らのためにヴァイオリンとピアノのための協奏曲を作曲、初演させています。ラビノフもLP時代には録音に恵まれず、遺されたのは2枚だけ。うち1枚はエルマー・オリヴェイラとの共演によるヴィヴァルディの2つのヴァイオリンのための協奏曲(シルヴィア・ラビノフのピアノ伴奏、「Paganiniana」レーベル)で、当CDに復刻された米「Decca」の『Gypsy Violin Classics』が唯一のソロLPとなりました。アルバム・タイトルから連想される通り、超絶技巧、緩急の強烈なコントラスト、緩やかな部分でのむせび泣くようなメロディをたっぷりと味わえる小品を揃えており、聴きごたえがあります。このアルバムは当初モノラルで発売されたのち疑似ステレオでもリリースされました。当ディスクでは疑似ステレオ盤からCD化しています。1964年と比較的新しい録音のため、高音・低音ともにしっかりと伸びていて硬さもなく、広がりや奥行きも感じられます。(輸入元情報)
【収録情報】
01. グリーグ[1843-1907]:ヴァイオリン・ソナタ第3番ハ短調 Op.45
02. フランク[1822-1890]:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
トーシャ・ザイデル(ヴァイオリン)
ハリー・カウフマン(ピアノ)
録音:1955年頃(モノラル)
01:Impresario Records B 101 (V-6355)
02:Impresario Records A 101 (V-6355)
03. ブラームス[1833-1897]:ハンガリー舞曲 第20番(ヨアヒム編)
04. ドヴォルザーク[1841-1904]:スラヴ舞曲 ト短調(クライスラー編)
05. サラサーテ[1844-1908]:ツィゴイネルワイゼン
06. サラサーテ:序奏とタランテッラ
07. アルベニス[1860-1909]:タンゴ(クライスラー編)
08. グラナドス[1867-1916]:スペイン舞曲 ホ短調(クライスラー編)
09. ファリャ[1876-1946]:ホタ(コハンスキ編)
10. クライスラー[1875-1962]:ジプシーの女
11. クライスラー:ジプシー・カプリース
ベンノ・ラビノフ(ヴァイオリン)
シルヴィア・ラビノフ(ピアノ)
録音:1964年 American Decca DL 710101(疑似ステレオ)
収録時間:83分
復刻プロデューサー:Eric Wen
復刻エンジニア&マスタリング:Andrew Walter
Showing 1 - 3 of 3 items
表示順:
※表示のポイント倍率は、ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

