【最新】第173回芥川賞・直木賞

2025年06月12日 (木) 12:00

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第173回芥川賞、直木賞の選考会が7月16日に行われ、ともに該当作なしと発表されました。芥川賞で該当作がなかったのは2011年7月の第145回以来、両賞ともに「該当作なし」は1998年の第118回以来27年半ぶりで、今回が6回目となります。

※作者五十音順・敬称略


第173回 芥川賞 候補作(出版社)

グレゴリー・ケズナジャット『トラジェクトリー』(文藝春秋)


第173回芥川賞候補作
英会話教師として日本で就職したブランドンは、アポロ11号の月面着陸計画の記録を教材に、熟年の生徒・カワムラとレッスンを続ける。
やがて、2人のあいだに不思議な交流が生まれていく。
日本に逃げたアメリカ人と、かつてアメリカに憧れた日本人。
2人の人生の軌道<トラジェクトリー>がすれ違う時、何かが起きる――
アメリカ出身の作家が端正な日本語で描く、新世代の「越境文学」
ニューオーリンズにフォークナーと小泉八雲の残影を見る珠玉の短編「汽水」併録


著者プロフィール
グレゴリー・ケズナジャット(グレゴリー ケズナジャット)
1984年、アメリカ合衆国サウスカロライナ州グリーンビル市生まれ。2007年、クレムソン大学を卒業ののち、外国語指導助手として来日。2017年、同志社大学文学研究科国文学専攻博士後期課程修了。現在は法政大学グローバル教養学部にて准教授。2021年、「鴨川ランナー」にて第二回京都文学賞を満場一致で受賞し、デビュー。同年、受賞作を収録した『鴨川ランナー』を刊行。

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駒田隼也『鳥の夢の場合』(講談社)

鳥の夢の場合

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鳥の夢の場合

駒田隼也

Price (tax incl.): ¥1,760

Release Date: July/2025


デビュー作にして、第173回芥川賞候補作! 第68回群像新人文学賞受賞作! 「おれ、死んでもうた。やから殺してくれへん?」彼の胸に耳を当てた。するとたしかに心臓が止まっていた――。シェアハウスに住まう二人と一羽の文鳥。一つ屋根の下、同居人の蓮見から初瀬にもたらされた、気軽で不穏な頼み事。夢と現、過去と現在、生と死。あちらとこちらを隔てる川を見つめながら、「わたし」が決断するまでの五十五日。


著者プロフィール
駒田 隼也(コマダ ジュンヤ)
1995年京都府生まれ。京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)文芸表現学科卒業。2025年「鳥の夢の場合」で第68回群像新人文学賞を受賞しデビュー。同作が第173回芥川賞候補となる。

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向坂くじら『踊れ、愛より痛いほうへ』(河出書房新社)


初小説にして芥川賞候補となったデビュー作『いなくなくならなくならないで』に続く、注目の著者、小説第二作!


著者プロフィール
向坂くじら(サキサカ クジラ)
詩人。2022年埼玉県桶川市に「国語教室ことぱ舎」を設立し、小学生から高校生までを対象とした国語の指導を行う。Gt.クマガイユウヤとのユニット「Anti-Trench」でアーティストとしても活動。著書に詩集『とても小さな理解のための』(百万年書房)小説『いなくなくならなくならないで』(河出書房新社)エッセイ集『ことぱの観察』(NHK出版)『犬ではないと言われた犬』(百万年書房)、共著に『群れから逸れて生きるための自学自習法』(明石書店)など。1994年名古屋生まれ。慶應義塾大学文学部卒。

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日比野コレコ『たえまない光の足し算』(文藝春秋)

第173回芥川賞候補作
若者たちの生を鮮烈な文章で描く、これが文学の未来!

「かいぶつ」と呼ばれる時計台が見下ろす公園で出会った二人の少女と一人の青年。
美容外科のポスターに啓示を受け、花を食べる“異食の道化師”薗(その)。
「みんなのひと」になりたくて、フリーハグを続ける“抱擁師”ハグ。
“プロの軟派師”としてデビューしたばかりの弘愛(ひろめぐ)。

「こんなふうだったら、かんぺきだと思う」
「なにが」
「人と人とのむすびつきがさ」

ここは帰るべき家を持たない少年少女たちの残酷な楽園
21歳の新鋭が爆発させる愛と幻想の世界!


著者プロフィール
日比野コレコ(ヒビノ コレコ)
2003年生まれ、大阪府在住。2022年『ビューティフルからビューティフルへ』で第59回文藝賞を受賞し、デビュー。

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第173回 直木賞 候補作(出版社)

逢坂冬馬『ブレイクショットの軌跡』早川書房


自動車期間工の本田昴は、2年11カ月の寮生活最終日、同僚がSUVブレイクショットのボルトを車体内に落とすのを目撃するが。マネーゲームの狂騒、偽装修理に戸惑う板金工、悪徳不動産会社の陥穽――移り変わっていく所有者たちの多様性と不可解さのドラマ


著者プロフィール
逢坂冬馬(アイサカ トウマ)
1985年、埼玉県生まれ。明治学院大学国際学部国際学科卒。2021年、『同志少女よ、敵を撃て』で第11回アガサ・クリスティー賞を受賞してデビュー。同書は2022年本屋大賞、第9回高校生直木賞を受賞、第166回直木賞候補となった。2023年には第2長篇『歌われなかった海賊へ』を刊行、第15回山田風太郎賞の候補となった。

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青柳碧人『乱歩と千畝 RAMPOとSEMPO』新潮社


探偵作家と外交官。若き二人が友となり……斬新な発想で描く波瀾万丈の物語。大学の先輩後輩、江戸川乱歩と杉原千畝。まだ何者でもない青年だったが、夢だけはあった。希望と不安を抱え、浅草の猥雑な路地を歩き語り合い、それぞれの道へ別れていく……。若き横溝正史や巨頭松岡洋右と出会い、新しい歴史を作り、互いの人生が交差しつつ感動の最終章へ。「真の友人はあなただけでしたよ」――泣ける傑作。


著者プロフィール
青柳碧人(アオヤギ アイト)
1980年千葉県生れ。早稲田大学卒業。2009年『浜村渚の計算ノート』でデビュー。『むかしむかしあるところに、死体がありました。』で第十七回本屋大賞にノミネート。

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芦沢央『嘘と隣人』文藝春秋

嘘と隣人

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嘘と隣人

芦沢央

Price (tax incl.): ¥1,760

Release Date: April/2025


ストーカー化した元パートナー、マタハラと痴漢冤罪、技能実習制度と人種差別、SNSでの誹謗中傷・脅し……。
 リタイアした元刑事の平穏な日常に降りかかる事件の数々。
 身近な人間の悪意が白日の下に晒された時、捜査権限を失った男・平良正太郎は、事件の向こうに何を見るのか?



著者プロフィール
芦沢央(アシザワ ヨウ)
一九八四年、東京都生まれ。二〇一二年『罪の余白』で第三回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。同作が一五年に映画化。一八年『火のないところに煙は』が静岡書店大賞、二二年『神の悪手』で将棋ペンクラブ大賞優秀賞(文芸部門)、二三年『夜の道標』で日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞。著書に『汚れた手をそこで拭かない』『魂婚心中』などがある。

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塩田武士『踊りつかれて』文藝春秋


首相暗殺テロが相次いだあの頃、インターネット上にももう一つの爆弾が落とされていた。ブログに突如書き込まれた【宣戦布告】。そこでは、SNSで誹謗中傷をくり返す人々の名前や年齢、住所、職場、学校……あらゆる個人情報が晒された。
 ひっそりと、音を立てずに爆発したその爆弾は時を経るごとに威力を増し、やがて83人の人生を次々と壊していった。
 言葉が異次元の暴力になるこの時代。不倫を報じられ、SNSで苛烈な誹謗中傷にあったお笑い芸人・天童ショージは自ら死を選んだ。ほんの少し時を遡れば、伝説の歌姫・奥田美月は週刊誌のデタラメに踊らされ、人前から姿を消した。
 彼らを追いつめたもの、それは――。


著者プロフィール
塩田武士(シオタ タケシ)
1979年兵庫県生まれ。関西学院大学卒業後、神戸新聞社在籍中の2010年『盤上のアルファ』で第五回小説現代長編新人賞、11年第二十三回将棋ペンクラブ大賞を受賞。16年『罪の声』で第七回山田風太郎賞を受賞、「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門第一位。19年に『歪んだ波紋』で第四十回吉川英治文学新人賞を受賞。

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夏木志朋『Nの逸脱』ポプラ社

Nの逸脱

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Nの逸脱

夏木志朋

Price (tax incl.): ¥1,760

Release Date: January/2025


何気なく開けてしまった隣人の扉、「フツウ」の奥に隠されていたものは――

追う者と追われる者が入れ替わり、善と悪が反転していく予測不可能な展開――隣の人たちが繰りひろげる3つの物語。


著者プロフィール
夏木志朋(ナツキ シホ)
1989年大阪府生まれ。大阪市立第二工芸高校卒。第9回ポプラ社小説新人賞を受賞した『ニキ』が2020年9月に刊行され、デビュー作となる。また同書を改題して文庫化した『二木先生』が15万部を突破するベストセラーに。

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柚月裕子『逃亡者は北へ向かう』新潮社

逃亡者は北へ向かう

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逃亡者は北へ向かう

柚月裕子

Price (tax incl.): ¥2,090

Release Date: February/2025


震災さえなければ、この人生は違ったのだろうか? 大震災直後に殺人を犯し、死刑を覚悟しながらもある人物を探すため姿を消した青年。自らの家族も被災した一人の刑事が、執念の捜査で容疑者に迫る。壊れた道、選べなかった人生――混沌とした被災地で繰り広げられる逃亡劇! 『孤狼の血』『盤上の向日葵』の著者が地元・東北を舞台に描く震災クライムサスペンス。


著者プロフィール
柚月裕子(ユヅキ ユウコ)
1968年、岩手県生まれ。2008年、『臨床真理』で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。2013年、『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞を受賞。2016年、『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。

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歴代の芥川賞・直木賞

歴代の芥川賞・直木賞

第150回〜172回までの芥川賞・直木賞作品をまとめました。

HMV&BOOKS online-Literature|Wednesday, July 7, 2023 18:00

第172回、171回

第172回芥川賞・直木賞 受賞作決定

第172回芥川賞と直木賞の候補作が1月15日に決定しました。芥川賞は安堂ホセ『DTOPIA』、鈴木結生『ゲーテはすべてを言った』が、直木賞は伊与原新『藍を継ぐ海』が受賞となりました。

HMV&BOOKS online-Literature|Wednesday, January 1, 2025 19:00

第171回芥川賞・直木賞 受賞作決定

第171回芥川賞と直木賞の受賞作が7月17日(水)に決定しました。芥川賞は朝比奈秋『サンショウウオの四十九日』、松永K三蔵『バリ山行』が、直木賞は一穂ミチ『ツミデミック』が受賞となりました。

HMV&BOOKS online-Literature|Wednesday, July 7, 2024 18:45

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