リチャード・ライト 1978年ソロアルバム『Wet Dream』最新リミックス＋新装ジャケット再発 - スティーヴン・ウィルソンによるリミックスの 5.1ミックス音源収録のブルーレイオーディオも登場

今回リリースされるこの『Wet Dream (2023 REMIX)』は、1978年のアルバムが、サウンドの魔術師＝スティーヴン・ウィルソンによる最新リミックス音源となって、新たな命と魅力を吹き込まれ現代に蘇る、まさに魔法のような作品だ。また、サウンドだけではなく、リチャードの子供であり彼の管理団体のマネージャーも務めるゲイラとジェイミー・ライトによるディレクションのもと、アートワークそのものも新たに生まれ変わった新装版が採用されている。

オリジナル作品ではプールに浮かぶ男性が描かれていたのだが、今回は、鮮やかな赤いショートパンツを履いた人物が、プールではなく真っ青な海を泳いでおり、パッケージを開くと、微かに手が届かない距離に位置するボートがその姿を現し、アルバムのテーマともいえる海の雰囲気を見事に表現したデザインとなっている。

ちなみに今作のイメージは、ギリシャで活動する写真家のコスタス・スパティスによるもので、グラフィックデザインはカール・グローヴァーが担当。オリジナルのアートワークは、ストーム・ソーガソンのデザインによるもので、ヒプノシスのオーブリー・パウエルが撮影した写真が使われている。

Cat Cruise (2023 Remix)

新たな魅力をまとったこの『Wet Dream (2023 REMIX)』は、スティーヴン・ウィルソンによるリミックス音源を収録したCDに加え、アルバムのアートワークの印象をそのまま捉えた透明ブルーのマーブルカラーアナログ盤、そしてスティーヴン・ウィルソン・リミックスの5.1ミックス音源を収録したブルーレイオーディオという３形態でリリースされる。

美しさを極限まで追求したメロディと幻想的なプレイが全体を包み込むこの彼のファーストソロアルバム『Wet Dream』は、発売当時、実はそれほど大きな支持を得られなかった作品だった。しかし、改めて本作に触れてみると、リチャードのDNAがピンク・フロイドの音楽性にどれだけ影響力を与えていたかが、はっきりと見えてくる。彼の特徴的なリズムパターン、楽曲の構造、演奏スタイルを感じ取ることができ、そうした類まれな才能と現在の音楽における影響力は今なお輝きを放っている。