Friday, April 24th 2015

今回そんなアルバムを完成させた湯川潮音にメールインタビューを実施させて頂いた。音楽同様に真摯な受け答えが印象的。アルバム期待してお待ちください!
--- 今回の作品『セロファンの空』は、湯川さん特有のメロディー感覚は残しながらも、サウンド的には実験的な楽曲も多く、たくさんの挑戦が感じられる作品になっているかと思います。これまでの作品とは明らかに変化を感じられる作品になったかと思うのですが、何か心境面で変化があったのでしょうか?
前作の「濡れない音符」のツアーは、会場もほとんど音響のない生音に近いような状態で、ピアノ、チェロ、ガットギターといったような凄くシンプルな編成だったんですね。3人で場所の鳴りや息づかいまでも音楽にしていくような印象があって、、、私のツアーにしては長いスパンで細かくいろんなところをそうやってまわっていったので、なかなかそこから抜け出せずにいたんですが、それと同時にまったく違うものが沸々と沸き上がってくるような感じがあったんです。
--- これまでのアコースティック中心の編成から一転して、エレクトリック・ギターやドラムス、シンセなどを存分の起用していますが、こういうサウンドになったきっかけ、あるいは影響を与えた作品などあれば教えて下さい。
曲のつくりかたとして、リフからつくるということに挑戦したのが大きいかも知れません。今までと違う物語の導入の仕方でした。そしてそのときに使ったのが、バイオリンやフルート等の音が出る小さなシンセだったので自然とサウンド全体がそういう方向に向かっていきました。デモ音源を今回はかなり入念にしたのですが、そのときに初めてgaragebandも使ってみて、、そうするとそれが結構いい感じだったので、そのまま採用している部分も多いです。
※ garageband...iPad、iPhone、iPod touch用の音楽制作アプリケーション
--- 参加ミュージシャンの方も様々だったかと思いますが、レコーディング作業はいかがでしたか?印象に残っているエピソードなどあれば併せてお答えください。
レコーディングは本当にタイトにバックトラックは3日くらいで終えました。私がデモで弾いていたフレーズが、あまり実際プレイをすることを想定をしながらつくっていなかったので、技術的に無茶苦茶な面も沢山あったと思います。でも皆さんすぐに飲み込んでくれて、新しいアプローチやアイデアをくださってとても刺激的でした。ちょっと面白そうだったら、わかんないけどとりあえずやってみよう!というような感じで。
--- またリリック面に於いても、birch(カバの木)やハイエナなどを擬人化した表現など新しい作風が見られます。ジャン・ド・ラ・フォンテーヌの寓話からの影響も公言されていますが、湯川さんにとってジャン・ド・ラ・フォンテーヌはどのような作家で、どのような所に影響を受けたのでしょうか?
人間と動物や自然の関係の表し方が面白いと思いました。例えばの話、立場が逆になってしまうこともあるかも知れないし、頭の体操というか物事をみる視点 を変えてみる、という意味で擬人化は一つの方法だと思います。比喩表現の広がりにも繋がるし。グリム童話や絵本のお話は、子供でもわかるような簡単な言葉の中にグサッと刺さるような格言が秘められているものが多くて、全然おとぎ話じゃないというか、子供騙しじゃないんですよね。そっちのほうが、リアリティを帯びていることもたくさんある。今回はメロディからつくった曲も多かったので、限られた言葉数の中でどうやって難しくなく伝えるかという参考にしました。
--- 1曲目に自作ではないインスト曲を起用するなど、アルバムとしての作品性を感じました。アルバム1枚を通しての表現、コンセプトを元に制作されたのでしょうか?
一昨年に生まれて初めてサーカスを観に行ったんですが、そのときに自分でもびっくりするくらい衝撃を受けたんですね。なんていうか、人間の喜怒哀楽が目まぐるしく、幕が上がったり下がったりするように垣間見えて。同時にすごく滑稽さとか、人間が持って生まれた哀しみみたいなものも感じた。そのスピード感や物語性、行き場のない哀しみみたいなものがこのアルバムを通してあるんじゃないかなと思います。音楽もそうですし、サーカスも、そういう娯楽って、普段生きている時間の流れをふと変えられるものだと思うんですが、そんな瞬間が聴いてもらう人にもあったらいいなと思って。
--- 『セロファンの空』というアルバムタイトルには、どのような意味が込められていますか?
今回はキーワードに「夢と現実」だったり「はりぼて感」というようなものが最初からありました。日常的にみえているものに一枚色セロファンを挟むだけで違うものに映ったりする。そっちの方が現実だったりという事もときにはあるんじゃないかと思って。Wikipediaで「色セロファン」という言葉を調べてしっくりきました。
---2013年には、クラウドファウンディングを使ったクリスマスアルバムの制作をされるなど、リスナーとの距離や、作品、物づくりのあり方などに対しても真摯な姿勢が伺えますが、そのあたり今はどのようにお考えですか?
いまは、本当にいろいろなやり方があるし、可能性もあるときだと思うので作品さえあれば届け方はどうにでもなるんじゃないかなと思っています。一番お客さんと自分との間で気持ちのいいことをしていきたい。まだまだ手探りですが、面白いことがあればどんどん試していきたいと思っています。
--- 6月にはリリースツアーを予定していますが、このアルバムをライブでどう表現するのかとても気になります。どのようなライブにしようと考えていますか?
そうですね、、かなり再現が難しいことになってきてしまったので(笑)どのパートをどの楽器に分散するか今絶賛悩んでいます。ただ、間違いなくリッチなサウンドになると思うのでわくわくしています。
--- アルバムが完成したばかりですが、次にやりたい事、次回作への展望などは既にあったりしますか?
うーん、、ざっくりとですが今回書きそびれた、こぼれた言葉達が沢山あるので、それをまた暖め直したいと思っています。
--- 最後にインタビューをご覧の皆さんにメッセージをお願いします。
いままでとはまた違った表情のカラフルな作品になっているので、音源はもちろんのこと、再現もとても面白いと思います! 是非ライブにも遊びにいらしてください!!
--- ありがとうございました
湯川潮音 『セロファンの空』[2015年5月2日]
アコースティック楽器を主体とした『濡れない音符』から一転、エレクトリック・ギターやドラム、シンセや管楽器をかつてなかったほど大胆に取り入れ、新たなサウンドに挑戦する湯川潮音の姿がここにある。17世紀フランスの詩人ジャン・ド・ラ・フォンテーヌの寓話にも影響を受け、動物や植物を擬人化した表現に取り組んだというリリック面での挑戦もあってか、エレクトロニックでありながらもノスタルジックで、どこか異国情緒も漂う他に類を見ない不思議な魅力に満ちた音世界を作り上げている。また、人生で初めてサーカスを観に行った日の帰り道に偶然、駅前でやっていた(マルク・)シャガール展に迷い込み、回転木馬のようにつづいているその印象が、ドラマティックでカラフルな音作りにつながったという。たしかに、「birch」や「ハイエナのイエナ」といった本作の中核を成す新機軸の楽曲のカラフルさは、これまでになかったものだ。こうした楽曲には、昨今のブルックリンの音楽からの影響が窺える。一方で、湯川の歌声が胸を打つ、叙情あふれるすばらしいバラード「ワルツの亡霊」や、前作『濡れない音符』の流れを汲むと言っていい軽快でスウィンギーな「パリの動物園」も収録されている。『セロファンの空』には、挑戦的な楽曲と、これまでの路線をより深化させた楽曲が、なんの違和感もなく同居しているのだ。

<参加ミュージシャン>
徳澤青弦(Throwing a Spoon、anonymass 等)(cello, etc)、長岡亮介(ペトロールズ)(g)、千葉広樹(Kinetic、サンガツ、蓮沼執太フィル等)(b)、山本達久(NATSUMEN、ジム・オルーク、石橋英子、真夜中ミュージック等)(ds)、藤原マヒト(ワールドスタンダード等)(p)、武嶋聡(EGOWRAPPIN’、ネタンダーズ等)(管楽器)、ゴンドウトモヒコ(蓮沼執太フィル、pupa、anonymass等)(tp)『セロファンの空』収録楽曲
- 01. ....
- 02. birch
- 03. 未来のルーシー
- 04. 役者
- 05. i I I i....
- 06. 自由の冠
- 07. ハイエナのイエナ
- 08. ジョーカー
- 09. We'll see
- 10. パリの動物園
- 11. ワルツの亡霊
湯川潮音 プロフィール
1983年東京出身。小学校時代より東京少年少女合唱隊に在籍、多くの海外公演などを経験。2001年ポップフィールドではじめて披露された歌声が 多くの話題を呼ぶ。翌年のアイルランド短期留学から帰国後、自作の曲も発表し本格的な音楽活動をスタート。以降、美しいことばの響きを大切にした歌詞、ク ラシックやトラディショナルを起点に置いた独自の世界観で音楽を紡ぎ続けている。湯川潮音 ライブ情報
●“セロファンの空”release tour 2015■東京公演
公演日:2015年6月4日(木)
会場:渋谷 WWW
料金:前売 3,300円/当日 3,500円(税込/ドリンク代別/オールスタンディング)
チケット:ローソン(L:74834)
■大阪公演
公演日:2015年6月10日(水)
会場:梅田 Shangri-La
料金:前売 3,300円/当日 3,500円(税込/ドリンク代別/オールスタンディング)
チケット:ローソン(L:52467)
[東京・大阪公演 サポートミュージシャン]
徳澤青弦 (cello.syn)長岡亮介(guitar)千葉広樹(bass)山本達久(drums)
■福岡公演
公演日: 2015年6月29日(月)
会場:福岡 ROOMS
料金:前売 3,300円/当日 3,500円 (税込/ドリンク代別)
チケット:ローソン(L : 85487)
一般発売日:2015年4月15日(水)
■名古屋公演
公演日: 7/28(火)
会場:名古屋 Tokuzo
料金:前売 3,300円/当日 3,500円 (税込/ドリンク代別)
チケット:ローソン(L:47277)
一般発売日:2015年4月15日(水)
[福岡・名古屋公演 サポートミュージシャン]
徳澤青弦 (cello,syn)、itoken(ds,per,etc)

【 最新J-POP情報つぶやき中! HMV J-POP Twitter!】HMVの邦楽バイヤーによる、邦楽専門アカウントです。独自の視点でオススメ作品をご紹介!特集・連載企画などもバシバシUpしていきますよ。
Latest Items / Tickets Information
for Bronze / Gold / Platinum Stage.
最新作
Cellophane No Sora
Shione Yukawa
Price (tax incl.):
¥2,860
Member Price
(tax incl.):
¥2,631
Multi Buy Price
(tax incl.):
¥2,431
Arrival Pending
%%header%%![]()
%%message%%

前作
Nurenai Onpu
Shione Yukawa
Price (tax incl.):
¥2,913
Member Price
(tax incl.):
¥2,680
usually instock in 2-3days
%%header%%![]()
%%message%%

FEATURED TITLE
-
Crescendo
Shione Yukawa
Price (tax incl.): ¥2,934
Member Price
(tax incl.): ¥2,699
Multi Buy Price
(tax incl.): ¥2,494Release Date:17/November/2010
-
Sweet Children O'Mine
Shione Yukawa
Price (tax incl.): ¥2,200
Member Price
(tax incl.): ¥2,024Release Date:09/December/2009
-
Deleted
-
-
Haiiro To Watashi
Shione Yukawa
Price (tax incl.): ¥2,934
Member Price
(tax incl.): ¥2,699
Multi Buy Price
(tax incl.): ¥2,494Release Date:02/July/2008
-
Deleted
-
-
-
Deleted
-
%%header%%![]()
%%message%%

%%header%%![]()
%%message%%

%%header%%![]()
%%message%%

%%header%%![]()
%%message%%

|
|
Items with this icon is eligble for Buy 2 J-POP & K-POP Titles Get Up to 30% Off |
