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注目のマイナー・ピアノトリオ 【8月8日掲載分】

Thursday, September 25th 2014


注目のマイナー・ピアノトリオ

 毎週各国より続々と投入されるピアノトリオ作品をまとめてご紹介。名手による堂々の新録から、小粒でもぴりりと辛い隠れ人気盤、レア本、ディスクガイド掲載の限定再プレス/再流通盤までよりどりみどり!

* 自主制作盤や海外マイナー・レーベルからの流通盤も多く、入荷が不安定な場合がありますことを予めご了承ください。





Rob Van Bavel 『Dutch Jazz』 

澤野工房、55RECORDS作品などでもおなじみのロブ・ヴァン・バヴェル。こちらは、2014年に配信のみで発売されたタイトルの限定初CD化作品。全10曲、ブルージーなトラック、バラード、ボッサ風、ユーロ・ジャズらしいクラシカルなナンバーなど大変バランスの良い配置で仕上がってます。全曲自作ですがロマンチックで叙情的な部分、バップ・ピアニストとしてのテクニカルな演奏もサラッとしており長く聴き込める愛聴盤となること間違いなし。

Rob van Bavel (p)
Clemens van der Feen (b)
Chris Strik (ds)


Evgeny Lebedev 『Fall』 

新作『On The Road』でも変わらぬエネルギッシュなプレイを聴かせてくれた、モスクワ出身の若手ピアニスト・ホープ、エフゲニー・レーベジェフの2005年デビュー盤が限定復刻。オリジナルほか、ウェイン・ショーター、ケニー・ギャレット曲を採り上げた本作。まとまりのよさと歌心溢れるピアニズムは、デビュー盤にして独自の世界観を見事に表現し、数多ピアノトリオ・ファンの心を掴んだ。

Evgeny Lebedev (p)
Anton Chumachenko (b)
Alexandr Zinger (ds)


Michal Wroblewski 『City Album』 

ジャズ雑誌「Jazz Forum」にその楽曲の一部が付録CD化され話題を呼んだ『I Remember』でよく知られるポーランドの俊英ピアニスト、ミハウ・ヴルブレフスキ。自然に反転してゆく光と影のように、クールで滑らかに起伏する独創性と抒情性、捻りの効いた技量に貫かれる様は圧巻。独特のアンニュイさの立ち込める合間から、霞みが晴れるかのごとく視界が開けてゆくように、見通しの良い、聴き手の皮膚感覚に沿った吸着力のある美しいメロディに触れることができる。

Micha Wroblewski (p)
Micha Jaros (b)
Pawe Dobrowolski (ds)


Laurent Coulondre 『Opus II』 

2011年作品『Opus T』で彗星のごとくデビュー。そのスタイリッシュでセンス抜群の演奏能力とコンポーズで、わが国のコアなピアノトリオ・ファンを虜にしたことは記憶に新しいローラン・クーロンドル。待望のトリオ・セカンドアルバム。本作でも、デビュー盤の鮮烈で勢いのあるテイストは健在。ハーモニーの美しさ、緩急自在のスピード感も鮮やかなコンポジションからは、際立つ個性やテクニックだけでなくコンセプトに負けないリアルなドライヴ感が心地好く響く。聴き進むごとに研ぎ澄まされてゆくのを実感できる秀逸作。

Laurent Coulondre(p,org)
Jeremy Bruyere (b)
Pierre-Alain Tocanier (ds)


Bas Bulteel 『Coming Home』 

ベルギーを拠点に活躍するピアニスト、バス・バルティール率いるピアノトリオの最新録音盤。空間に颯爽と風穴をあけるようなリズムとメロディが塗りこめられたコンポジションの妙とプレイヤーの個性の発露、楽曲と即興とが攪拌しあう面白さと、輝かしく澄み切った確実な音質がどこまでもキープされてゆく正統な装いの美しさ、その生モノの手触りが聴く者の興奮度を加速させてゆく根源的な力強さを備えた、臨場感溢れる一枚。

Bas Bulteel (p)
Bart Denolf (b)
Bruno Castellucci (ds)


David Gazarov 『Bachology プレイ・バッハ・トゥデイ 〜ジャック・ルーシェに捧ぐ』 

アゼルバイジャン出身で、ミュンヘンを拠点にニールス・ペデルセン、チャック・イスラエル、ジョニー・グリフィン、川崎僚、キース・コープランド、ロバータ・ガンバリーニはじめ多くのミュージシャンとの共演で腕を磨いたデヴィッド・ガザロフのバッハに対する熱い思いがジャズになった。前作「ショパン・ラウンジ」に続きバッハの優雅な旋律をスウィンギーにリリカルに、そしてグルーヴィーに甦らせたクラッシー・ジャズの決定盤。

David Gazarov (p)
Mini Schulz (b)
Meinhard Jenne (ds)



Davey Lantz 『Ascent』 

繊細な感性がキラリと光る、ニューヨークをベースに活躍する、現在23歳新進気鋭のピアニスト、デーヴィー・ランツによるピアノトリオ・デビュー盤。ダウンロードでしか出回ってなかった音源を日本のファンのために初CD化。フィル・ウッズ、デイブ・リーブマン、ハル・ギャルパー、マーク・コープランドら多くのグレイト・ミュージシャンからも注目を浴び、評価されている彼の今後の動向に注目!

Davey Lantz (p)
Josh Crumbly (b)
Jimmy MacBride (ds)



Jim Black 『Actuality』 

ジム・ブラックの最新作は、2011年の『Somatic』同様、ニューヨーク若手実力派ベーシスト、トーマス・モーガン、こちらもオーストリアの若き天才ピアニスト、エリアス・ステメセーダーを迎えたレギュラートリオによる第2弾。フリー/アヴァンギャルドからファンク、ロックまで何でもござれのジムと、革新的でありながらも精密なリズムと実に現代的なサウンド・デザインを創出する気鋭の若手二人、三者のパワーバランスが絶妙に拮抗する痛快作。

Jim Black (ds)
Thomas Morgan (b)
Elias Stemeseder (p)


Reykjavik Piano Trio 『Touch Her Soft Lips』 

シーンの最前線で世界を舞台に幅広く活動してきたベテラン・ベーシスト、ジョー・フォンダがプロデュースしたことでも要注目。アイスランド発ピアノトリオ、ザ・レイキャビク・ピアノトリオの2010年N.Y.スタジオ録音盤を世界初CD化。美旋律がなだらかに降り注ぎ、リズムのゆらしも絶妙、タイトな構造と音楽の深みを、ピタリと空気に落としこんでゆくオリジナル曲が秀逸。アイスランドの風土に根差した気質から生まれてくる魂の乗った音楽を心ゆくまで味わえる、かの地の空気感をモザイクのように透かし見ることができる美しい作品。

Bjorn Jonsson (p)
Adalstienn Kjellde (b)
Dagur Samper (ds)


Tingvall Trio 『Beat』 

ヨーロッパではジャズカテゴリーを越え、ポップスチャートへのランクインも果たした新世代ヨーロピアン・ピアノトリオの最右翼! ドイツで活躍するスウェーデン出身のピアニスト、マーティン・ティングヴァル率いるティングヴァル・トリオの新作。センチメンタルやロマン香る、これぞヨーロピアン・トリオともいえる旋律はさらに美しさを増し、さらにトリオ全体のダイナミズムもひときわ大きくなり、より深い音楽性が追求された充実の一枚となっている。

Martin Tingvall (p)
Omar Rodriguez Calvo (b)
Jurgen Spiegel (ds)


Eym Trio 『Genesi』 

ブルガリア人の血を引くピアニストのエリー・デュフールを中心に、ベーシストのヤン・ファイフェット、ドラマーのマーク・ミシェルという三人の若き才能がリヨンの音楽院で出会い、やがてリハーサルを重ね、三人の頭文字を取った“EYM Trio”として初ステージを踏んだのが2011年。イタリア語で創世記を表す『ジュネジ』と名付けられた記念すべき本デビュー・アルバムは2013年の録音。才能の迸るテクニカルな演奏技術。哀愁とスリルに満ちた楽曲など、多くのピアノトリオ好きが現代のジャズ作品に求める条件を満たした傑作に。録音は名匠ステファノ・アメリオ。

Elie Dufour (p)
Yann Phayphet (b)
Marc Michel (ds)


Carsten Dahl 『Good Time』 

2007年2月、カーステン・ダール・トリオによるスタンダード・トリオの快演ライヴ。近年では演奏のスタイルもガラッと変わったカーステン・ダール。この時期は、デビュー時のバップ・スタイルの延長線上。軽快に演奏したスウィンギーな演奏になっている。軽快なブロック・コードと、スウィング感やラグタイムのようなアプローチのソロが楽しいコントラストを描くオープニングはツカミとして絶妙。ラストのお得意「Night And Day」まで、この時期のダールならではの演奏を聴くことができる。

Carsten Dahl (p)
Lennart Ginman (b)
Frands Rifbjerg (ds)
2007年録音


Ron Mcclure 『Inspiration』 

「ジャズ批評ピアノトリオ最前線」の”最近店頭で見かけなくなったピアノトリオ”に掲載され、中古市場では今でも高値で取引されている、Ken Music の作品群で最も入手困難な一枚が。ベーシスト、 ロン・マクルーアの1992年リーダー作品。オリジナル+スタンダードを織り交ぜた親しみやすい内容と、トリオの音楽性を味わえる多彩かつバランスの良いプレイ、加えて名ピアニスト、リッチー・バイラークの参加も魅力の名盤。

Richie Beirach (p)
Ron McClure (b)
Adam Nussbaum (ds)
1991年録音


Randy Halberstadt 『Inner Voice』 

レア本掲載の人気盤、ランディー・ハルバーシュタット『Inner Voice』がレギュラーCDで復刻。無駄な力みなど微塵もないミディアムテンポでスインギーな快演が続く。シアトルの人気ベース奏者フィル・スパークス、温かみのあるプレイが魅力のドラマー、グレッグ・ウィリアムソンのサポートを受けて、ベニー・ゴルソン・インスパイア曲、モンク・トリビュート、ラテン・チューンなど、質・量・ヴァリエともに申し分のないボリュームで楽しませてくれる。

Randy Halberstadt (p)
Phil Sparks (b)
Greg Williamson (ds)
1991年作品


New Jazz Trio 『Three Trees』 

現在では、自らのピアノトリオ「VEIN(ヴァイン)」を率い、ドイツのMeta Records からも秀逸な作品をリリースしているピアニスト、ミヒャエル・アルベンスが1997年に残した超レアなピアノトリオ作品。耽美的な美しさの中にも香るロマンティシズム、その一方で硬質なタッチから生まれる豪快なピアニズム。ピアノトリオ演奏の魅力を詰め込んだマニア垂涎の一枚。

Michael Arbenz (p)
Friedemann Rabe (b)
Florian Arbenz (ds)
1997年録音


Salvatore Bonafede
『Plays Bill Evans, Cameron Brown, Nino Rota, Charlie Haden』
 

イタリア気鋭の個性派ピアニスト、サルヴァトーレ・ボナフェデ率いるピアノトリオの1991年作品。楽曲はすべて自身のオリジナル。タイトル通り、ビル・エヴァンス、ニノ・ロータ、チャーリー・ヘイデン、トミー・フラナガンといった、敬愛するミュージシャンのエレメントを創造力の赴くままにふんだんに盛り込みながらニュートラルな境地へと昇華。ベースにマーク・ジョンソン、ドラムにポール・モチアンという強力なサポートを得た充実のエネルギーが漲る一枚。

Salvatore Bonafede (p)
Marc Johnson (b)
Paul Motian (ds)
1991年録音


Hal Galper 『O's Time』 

70年代Enja録音のトリオ作『Dreamsville』復刻も話題となったベテラン・ピアニスト、ハル・ギャルパーのレギュラートリオによる新作。チャップリンの「スマイル」やショーターの「ワイルド・フラワー」、オーネット・コールマンに捧げたオリジナルの「O's Time」などを収録。高度なインタープレイで楽曲を再構築するスタイルは、スリルとロマンに満ちたジャズ・ピアノトリオの美しき結晶。

Hal Galper (p)
Jeff Johnson (b)
John Bishop (ds)



Christoph Erbstosser 『Alma』 

2001年の傑作リーダー盤『Vive les Etrangers』や、地元名門ブリュッセル・ジャズ・オーケストラのメンバーとして活躍していたことでも知られる名ピアニスト、クリストフ・エルブストッサー。ファン待望の最新録音が登場。一音一音に込められた音符が語りかけてくる、ふくよかで細やかに降り注ぐコンポジション、洗練と抑制の中から滲み出る気高いパッションさらにそこから伝わる人間性にも打たれるような、なだらかな音のヴェールが秀逸な作品。

Christoph Erbstosser (p,el-p)
Mike Armoogum (el-b)
Sonny Troupe (ds)


Lorraine Desmarais 『Couleurs De Lune』 

80年代から活躍するカナダの実力派女性ピアニスト、ロレーヌ・デマレの2012年録音トリオ盤が最流通。柔らかいタッチと哀愁を帯びた優しいメロディ。オーソドックスながらも一音一音が繊細に紡がれた、至極リリカルなストレート・アヘッド作品。

Lorraine Desmarais (p)
Frederic Alarie (b)
Camil Belisle (ds)
2012年録音



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