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ホランドの「プリズム」がすごいッ!!

Wednesday, August 14th 2013

デイヴ・ホランド -プリズム


ケヴィン・ユーバンクス、クレイグ・テイボーン、エリック・ハーランド参加!
デイヴ・ホランドの新エレクトリック・カルテット「プリズム」がヤバすぎる!!


 こいつはビックリ! 別に高を括っていたわけじゃないが、デイヴ・ホランドの新グループ「プリズム」、その初陣アルバムが予想をはるかに上回るかっこよさなのだ。   

 耳の早い方々は、すでに昨年あたりからリークされているライヴ音源、または今年初めにオフィシャルHPで先行公開された「The Watcher」のレコーディング・セッション音源などを聴いてあまた驚きを隠せなかったことだろう。

 ケヴィン・ユーバンクスのディストーション・ギターがいかづちのように轟き乱れ落ちる、まさかのハードロッキン・フュージョン・ファンクに仕立て上げられた「The Watcher」は、健在どころか、“ホランド66歳にして起つ!”とでも言うべきギンギンの絶倫スタイルを見せつける。オスティナートでグイグイと引っ張る強壮の低音師、その境地は、ロスト・クインテット・マイルス時代の云々といった軽薄な比較ゲームを要しないレベルに。まぎれもなくホランドは21世紀をリアルに生きるジャズメンなのだ。

 そしてついにリリースされるニュー・アルバム『Prism』。ホランドの今だもって尖がり狂うクリエイティヴィティを具現化するために集められた精鋭は、『Extensions』以来旧知となるユーバンクスほか、クレイグ・テイボーンエリック・ハーランドという新世代ジャズ・シーンの飛車角ふたり。

左から)デイヴ・ホランド、クレイグ・テイボーン、ケヴィン・ユーバンクス
左から)デイヴ・ホランド、クレイグ・テイボーン、
ケヴィン・ユーバンクス
 ことさらテイボーンは、今やヤングECMセクションの代表ピアニストともいえる超ホープ。『Avenging Angel』『Chants』、同レーベルに吹き込んだ2枚のリーダー作はいずれも各方面で絶賛。さらには、クリス・ポッターの大願成就作『The Sirens』をはじめ、数々の大御所ECM作品にサイドメンとして参加する、まこと信頼ブ厚き男なのだ。

 またテイボーンの合流は、ホランド作品に多く客演してきたポッターの神推しがあっただろうことは想像に難くない。クラブ・ミュージック、アンビエント、音響系なんでもござれのテイボーンだが、「The Color Of Iris」、「Breathe」などで聴ける正統キース派の陰影あるピアニズムにとてつもない表現力の高さを感じさせる。


 もちろん、ハーランドの運動能力のきわめて高いドラムも“プリズム・サウンド”の一翼を担う。ホランドとの活動では、モンタレー・ジャズ祭50周年記念バンド=モンタレー・カルテットやオーヴァートーン・カルテット、あるいは2008年の『Pass It On』への参加ですでにおなじみだろう。

 前出の「The Watcher」ほか、「Choir」、「A New Day」、「The True Meaning of Determination」といったリズム・コンシャスな楽曲はほぼ独壇場とでも言おうか、抜群のタイム感と各種美技の盛り合わせをもって、スペシャルなグルーヴをガンガン創出してゆく。中でも、ユーバンクスのオルガナイザー・ギターと絡み合って大回転する「Choir」のあまりのかっこよさに言葉を失いかけた。あぁ展開も完璧。きっとライヴでも一際盛り上がる曲なんだろうな。



『Prism』収録曲

  • 01. The Watcher
  • 02. The Empty Chair
  • 03. Spirals
  • 04. Choir
  • 05. The Color of Iris
  • 06. A New Day
  • 07. The True Meaning of Determination
  • 08. Evolution
  • 09. Breathe

Dave Holland (b) / Kevin Eubanks (g) / Craig Taborn (key) / Eric Harland (ds)

デイヴ・ホランド -プリズム



 管楽器を排除したこのカルテットのキーマンはやはりケヴィン・ユーバンクスになるのだろうか。ジョン・スコフィールドにもビル・フリーゼルにもなりそこねた男、と揶揄されることもしばしばだろうが、その特異なアーティキュレーションに翳りはなし。むしろギタリストとしてさらに進化し、およそ大きく振り切れたパフォーマンスを窺うことができるだろう。

 それにしてもホランドの近年の充実ぶりにはすさまじいものがある。厳密にいえば、自らのレーベル、Dare2 Recordsを立ち上げた2005年以降の快進撃には目を見張るものがある、となるだろうか。ピアノレス・ビッグバンド作『Overtime』から2010年の5管オクテット編成ライヴ盤『Pathways』にかけてはもはや文句のつけようがない。常にジャズの現在進行形を体現することに心を砕くホランドの真摯で烈々たる改革者〜ファシリテイターとしての姿勢がそこにはある。

 若衆をオルグし、そのエキスにあずかりながら、自らの叡智を練磨し集結させる。“育メン”こそが己の勉強の場。虚像の巨匠にゃ用はない。ここまで新しいジャズの創造に意欲を燃やす巨匠なかなかいないぞ、と。どうでもいいことかもしれないが、例えば『Critical Mass』『Pathways』に参加し気勢を上げた若手ドラマー、ネイト・スミス起用の慧眼だってもっと評価されてしかるべきだ。

 周囲空間とは屈折率の異なる音の多面体「プリズム」とは言い得て妙だが、とにかくも、ホランドの次なる一手がここにある。まだまだのびしろたっぷりの、この新種なるエレクトリック・カルテットから目が離せない。


<了>



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Dare2 Recordsのデイヴ・ホランド リーダー作

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