SIGH vs SECRET SPHERE!

Friday, March 15th 2013

Mirai
< ダークサイド・オブ・イタリア 〜後編〜 >
※ダークサイド前編はこちら

 ダークサイド・オブ・イタリア後編、今回は先日プロモーションのために来日したイタリア出身のメロディック・パワーメタル・バンド、Secret Sphere のインタビューをお届けする。ちょっと待てよ、Death SS のインタビューじゃないのかよ!と思った人、常識で考えてください。Death SS がプロモであれライヴであれ、来日するはずがないでしょう!しかし、実はこれ、Secret Sphere のインタビューでありながら、実質中身は Death SS のインタビューである。というのも Secret Sphere のギタリスト、Aldo Lonobile は Death SS でもギターを弾いているのだ。彼こそ Secret Sphere と Death SS という、イタリアの光と闇を一人で体現している人物なのである。


Secret Sphere

Death SS は非常に謎が深いバンドだ。イタリア出身、結成は1977年にまで遡るので、途中活動休止期間はあるにせよ、その活動歴は30年以上に渡ることになる。ここ日本に Death SS の名前が聞こえ始めたのは、80年代の後半、輸入レコード屋に、彼らの作品が入ってくるようになった頃ではないだろうか。しかし LP、CD が入ってきても、その正体は完全に不明。アートワークや写真は異常にカッコ良いのだが、スラッシュメタルでもデスメタルでも無さそうだし、輸入メタル雑誌で記事を見かけることもない。ツアーなどをしているという情報も一切見あたらない。当時 Deat SS の作品を入手した人たちは、殆ど皆、自分の直感だけを信じてジャケ買いをしたのではないだろうか。そんな Death SS が、アンダーグラウンドとは言え、世界的に注目されるきっかけを作ったのが Cathedral の Lee Dorrian。彼が Death SS、そして Paul Chain の名を、「影響を受けたアーティスト」として挙げたことで、それまで完全に異端の存在であった Death SS が、初めて Doom Metal という一つの流れの中に位置づけられることとなったのだ。Death SS は 、Black SabbathBlack WidowAtomic RoosterAlice CooperHigh-Tide などの影響下で生まれたバンド。60年代〜70年代のへヴィロックやサイケ、プログレッシヴな流れを引き継ぐ Doom Metal というジャンルには非常に馴染みが良かったのである。

 しかし、Death SS がアンダーグラウンドにおいて一応の認知をされたからと言って、その正体が明らかになったわけではない。日本、そしておそらくアメリカでも、その知名度はまだまだ低い。だが、全裸女性の生贄まで登場するそのステージや、衣装の豪華さは半端ではない。通常のアンダーグラウンドバンドでは考えられないお金のかけ方だ。果たして本国イタリアではスーパースターなのだろうか。それともメンバーに金持ちがいるのか。一体 Death SS とは一体何者なのだろう。疑問は尽きない。


Steve Sylevester

 まずあまりご存じない方々のために、Death SS とは一体どんなバンドなのかを説明する。1977年、ヴォーカルの 、Steve Sylevester とギターの Paul Chain によって結成。しかし、既にこの時点からいきなりよくわからない。今回のインタビューでも、Steve 側は Death SS は Steve により結成された Steve のバンドという見解をとっている。だが、Paul Chain 側はあくまで二人のバンドとして結成と主張、Death SS というバンド名も自分の発案だとしている。だが現在では Death SS というのは 、"In Death of Steve Sylvester" を意味するというのが公式見解とされており、そうだとすると、Paul Chain が Steve の名前だけをバンド名に織り込むというのは少々おかしい気はする。一方で、Paul Chain は1982年に Steve Sylvester を解雇、翌83年には別のヴォーカリストを迎えて "Evil Metal" というEPをリリースしている。なので少なくとも初期の Death SS において、Paul Chain が主導権を握っていた時期があるのは確かだ。この時期の Death SS には様々なミステリアスな伝説が残っている。ライブは墓場で行われていた、ライブでは本物の人骨が使用され、それが元で警察に逮捕された、儀式中に謎の発火が起こり Paul Chain は目を火傷、危うく失明しかかったなど、どこまでが本当なのかよくわからない逸話が伝えられている。真偽のほどはともかく、少なくとも初期の Death SS には、これらの話が本当なのでは?と思わせるだけの雰囲気があった。だが、84年にバンドは解散。伝説では、あまりに不可解なことが身の回りで頻発するので、怖くなった Paul Chain は Death SS を解散したということになっているのだが、最近の彼の発言によると、単に新ヴォーカリストとバンドをやっていくのに限界を感じただけのようである。その後 Paul Chain は自身のバンド、Paul Chain Violet Theatre を始動、独自の道を歩んでいく。

 84年に解散をした Death SS であったが、3年後の87年にデモテープや前述の EP、"Evil Metal" をまとめたコンピレーション、"The Story of Death SS 1977-1984" がリリースされ、どうやらこれが好評だったようなのだ。そこで Steve Sylvester はバンドの再結成を決意。過去にクビにされた恨みからか、あるいは既に自身のバンドを率いていた Paul Chain は参加しないと踏んだのか、とにかく Paul 抜きでバンドを再始動、さらには "Death SS" という名前の商標登録までしてしまったそうだ。翌88年、待望のファーストアルバム 、"In Death of Steve Sylvester" を、続く88年にはセカンド "Black Mass" をリリース。さらに91年にリリースされた "Heavy Demons" を加えた最初の3枚は、怪しさとへヴィさ、キャッチーさを同時に兼ね備えたイタリアン・ダーク・メタルのクラシックだ。怪しげなへヴィメタルが好きな人ならば、誰でも楽しめるだろう。この時期のライブを収録した92年発売の "The Cursed Concert" も外せない。このライブアルバム、とにかくインナースリーヴのステージ写真のためだけでも所有する価値がある。ステージ写真を見ただけで、あれだけ興奮できるというのはそうそうあることではない。

 "Heavy Demons" から5年後、97年の4thアルバム "Do What Thou Wilt" から少しずつインダストリアルの要素が入ってくる。これは Steve Sylvester が 、White Zombie や 、Nine Inch Nails に傾倒していたことによるものらしく、その要素は年々強まり、00年の "Panic" を経て、02年の 6th "Humanomalies" でピークに達する。インダストリアルの要素と言っても、単に元々の Death SS の作風にデジタル効果音をプラスしたというだけではなく、リズムやリフ自体が White Zombie や、時にニューメタルの要素を強く持っているため、この時期の作品は毀誉褒貶が激しい。古くからの Death SS ファンには受け入れにくい作品である一方、逆に昔の Death SS は聞けないが、この時期ならという人もいるだろう。
現時点での最新フルアルバム、06年の "The 7th Seal" ではインダストリアルの要素はやや薄まっている。いずれ発表されるであろう8枚目では、どのような方向をとるのだろうか。

 さて今回のインタビュー、Aldo Lonobile だけではなく、Secret Sphere のヴォーカリスト、Michele Luppi にも参加をしてもらった。「Death SSにはまったく興味がない!」と言い切る彼だが、彼に参加してもらうことによって、一歩外側から見たイタリアのダークサイドについても迫ることができたと思う。


--- Mirai Kawashima(以下MK) : 最初にまず Death SS のお話をさせて頂きたいと思います。


Michele Luppi(以下 ML) :俺はいない方がいいかな?

--- MK : いえ、イタリア全般のお話も伺いたいので。


ML :きちんと答えられるといいけど(笑)。

--- MK : Death SS のような音楽に興味はお持ちですか?


ML :いや、興味ない。(Aldoを指して)彼だけだよ。俺は良い人だから。(笑)

--- MK : 興味のない方からの視点も面白いので、お話を聞かせてください。というのもイタリアというのは二面性のある国だと思っていて、イタリアというと、皆明るくて、美しい女性、おいしい食べ物がたくさんのような印象を持つ人が多い一方で、ダークサイドもありますよね。"Goblin"、それから Lucio Fulci のゾンビ映画、Death SS のようなバンドとか。


ML :年々状況は悪化してるよ。食べ物は少なくなり、ますます暗い物が増えて。(Aldoを指差して)マスター・オブ・ザ・ダーク(笑)。

--- MK : ではインタビューを始めます。日本は今回が初めてですか。


Aldo Lonobile(以下 AL) :そうだよ。

ML :俺は2回目。7年前に Vision Divine で一度来ている。

--- MK : 印象はどうですか?


ML :7年前も気に入ったけど、今回さらに好きになったよ。とても良くもてなしてくれるし、人生に対する考え方も素晴らしい。

AL :日本人は他人をきちんとリスペクトするというのが印象的だね。イタリアには無いことだ。外国人の視点からすると、日本ではすべてのことがパーフェクトに動いているように見える。皆親切だし、お互いリスペクトしあっているし。第一印象はこんな感じだよ。

ML :親切であること、お互いをリスペクトすることがここでは高い価値を持ってる。社会全体を良くするために、お互いにきちんと接するだろ、自分だけのためじゃなくて。本当の民主主義だよ。

--- MK : うーん、どうですかね。


ML :少なくとも俺たちからはそう見えるよ。

--- MK : あなたは Death SS でギターを弾いていますね。Death SS は数年前に一度解散したようですが、何があったのでしょう。


AL :実を言うと解散はしていない。Death SS は一度も解散してないんだ。"The 7th Seal" というアルバムは、最後のチャプターにあたる作品だったんだ。(7つ目の封印、スタジオアルバムとしては7枚目にあたる。)それを祝うツアーをし、DVD もリリースしたあと、Steve Sylvester は少し休むことにしたんだ、他のプロジェクトに集中するためにね。W.O.G.U.ESancta Sanctorum のような、ダークではあるけど Death SS とはちょっと違う音楽を探求するために。彼は本当に色々なことをやっていて、例えば今は映画を作っているんだけど、

--- MK : 監督ですか?


AL :監督もやるし俳優もやる。パーツも作ったり。何でもやるんだよ。それから彼は自伝も書いた。残念ながら今はイタリア語版しかないけど、海外の出版社とも交渉中のようだ。Death SS に関する伝説についても色々書かれているよ。そういうわけで、Death SS は少しの間休んでたんだ。解散したわけじゃない。(ギタリストの)Emil が去って、俺が加入した2008年の Gods of Metal でのショウでも、Steve は「これが最後のショウだ」とは言ってたんだけど、俺にはそれがスタンバイを意味することはわかってたよ。

--- MK : なるほど。新しいシングルもリリースされるんですよね。


AL :ああ、金曜日にリリースされたところだよ。

--- MK : どんな作品なのでしょう。以前とは違う音ですか。


AL : Death SS は作品ごとに音が違うだろ。今回の作品は、初期に近い曲もあるし、エレクトロニックな曲もある。でもやっぱり今までとは違う作品になるよ。メンバーも違うし、それがバンドに新しいものを持ちこむことになるだろう。ただ間違いなくイーヴルでストレンジな作品だよ、Death SS にしか作れないね。バンドのルーツ、そして Steve の多彩な経験を生かした、完全に新しい作品さ。

--- MK : ではインダストリアルの要素はそんなに多くないのですね。


AL :多少はあるよ、新しい使い方だけど。

--- MK : ツアーの予定はありますか。Death SS のステージは全裸の女性の生贄や儀式など、いつも特別なものですが。


AL :ツアーについてはまだ具体的なことはわからないけど、確実にやるよ。Death SS のライブはいつもヴィジュアル的にも気を配っているし、Steve は以前よりもはるかに大きなセットを考えているみたいだ。

--- MK : そもそも Death SS に加入した経緯は?


AL :2001年に、Death SS と一緒にプレイする機会があったんだ。その時に、Death SS の控室に行って Steve に「うまいギタリストが必要だったらいつでも電話してください。」って言ったんだよ。そしたら9年後に電話が来た(笑)。俺のバンドはイタリアではわりと知られているので、Steveが俺のプレイを聞くチャンスがあったんだね。それに "The 7th Seal" で叩いていたドラマー、Dave Simeone と知り合いだったので、Emilが抜けたとき、彼が Steve に俺を推薦してくれたんだ。

--- MK : Steve というのはどんな人物なのですか?我々は、彼はとても不思議な人物であるという印象を持っているのですが。


AL :皆そう思ってるよ!彼は実はとても寡黙なんだ。彼は自分が何をすべきか、何を欲しているか、完全にわかっている。非常にカリスマ性もあるし。ライブでもそうだろ。DVD を見ればわかると思うけど、彼はあまり喋らなくても人々の注目を集めることができるんだ。喋る必要がないんだよ。彼は博識だしね。多種多様な本を読んでいて。物凄い個性の持ち主だよ。

--- MK : (Luppiに)あなたは Steve に会ったことはありますか?


ML :一度だけあるよ。彼がフェスティヴァルでDJをやっていたので、握手をした。子どもの頃 Death SS のカセットを持ってたんだけど、"The Hanged Ballad"("In Death of Steve Sylvester"に収録)っていう曲が入ってて、とても怖かったよ。まだ16歳で、あんなノイズに免疫がなかったからね。休暇でホテルに来てた奴がカセットをくれたということしか覚えてないなあ。Oleg Smirnoff(Luppiの以前のバンド Vision Divine 及び Death SS にもいたキーボーディスト)から Death SS の話を聞いていたから色々知っているけど、正直ファンではないね。

--- MK : Paul Chain についてはどうでしょう。会ったことはありますか?


AL :いや、ないよ。Steve とも話したことがあるんだけど、彼によれば Paul は Death SS としては5曲くらいしか演奏していないらしい。ファンは Paul Chain はDeath SS の中心人物みたいに思っているようだけど、Steve の意見では、Paul は極初期に5曲ほどギターを弾いただけで、Death SS とはあまり関わりは深くないということだ。その後も Paul は Death SS と距離を置いていたようだし、Steve はなぜ Paul と Death SS がいつも深く結びつけられるのか、理解できないようだよ。

--- MK : Death SS はたくさんの伝説がありますよね。墓場でライブをやっていた、ステージで本物の人骨を使っていたなど。この辺の話はご存じですか。


AL :ミステリーはミステリーのままにしておいた方がいいよ(笑)。Steve の自伝には、そういう伝説について色々書かれているけど、それがただの伝説なのか、本当のことなのかを判断するのは難しいだろうね。だけど、バンド内にいる俺から言わせてもらうと、Steve と一緒にいると、しょっちゅう不思議なことが起こるというのは確かだ。

--- MK : どんなことがあったんですか?


AL :ドイツでライブをやったときのことなんだけど、ショウの前に、何の理由もなく電気が何度も消えてしまうんだ。俺はバンドに加入したばっかりだったので、とても心配していたんだけど、ショウが始まったら電気も元に戻った。こういうことはしょっちゅうだよ。Death SS にいると、何だかはっきりわからないような現象がしょっちゅう発生するんだ。

--- MK : Steve の自伝、是非読みたいのでイタリア語の勉強をしなくてはなりませんね。


AL : Steve はイタリアではとても有名なんだ。

--- MK : そうなんですか?普通の人たちでも Steve を知っていたりするんですか?


AL :少なくともロックシーンでは彼の名前は誰でも知ってるよ。イタリア国営放送のテレビシリーズにも出演したことがあるしね。テレビでオカルトについての特集があると、しょっちゅう Steve が呼ばれるんだ。

--- MK : 個人的にイタリアは二面性があると思っています。イタリアというと、とても明るくて、「歌って、食べて、愛して」...


ML :サッカーもね。

--- MK : そうサッカーも、それに温暖な気候、おいしい料理、綺麗な女性など。一方で非常にダークな面もあり、たとえばゾンビ映画とか、Goblin 、Death SS などの音楽とか、これはとても奇妙なことに思えるのですが、なぜこのような二極を持っているのでしょう。


ML :いや、それは誰でも持っているバランスじゃないのかな。良い面を持っていればいるほど、より悪い面も持ちえる。ミステリーが好きならば、よりミステリーについて知ろうとする。一方で、何でも好きだが何も知らない人間もいる。何も考えず、やりたいことだけをやる人間だ。30年前、俺が子どもの頃はもっと人々は明るかったし、皆でつるんだりしてさ。ところが政治的、経済的な様々な理由で、今はイタリア人は海外のものを好むようになってきた。音楽についても、サッカーでさえも、海外のプレイヤーに大金を払う始末だ。善悪を判断するには注意が必要だけど、なぜなら俺にとっての善は他人にとって悪かもしれないからね。これは自分がどこまで到達したいかという問題だと思う。多くの人が、自分が何者なのか、人生はどうあるべきかなど、あまり深く考えていないんじゃないかな。以前は最高だった学校教育もどんどん悪くなってるしね。こういうことが、悪いコンテンツが増えてきた理由じゃないかな。音楽、映画や文学といった芸術ではそういうことを表現しようとする。多くの人は人生は最低だから、これ以上悪くなりようがないと考えようとしている。どんな人生が良いのかわからない人間もいる。自分自身の人生についてもわかっていないのだからね。どれだけ多くのものを見たい、知りたいと思うかによるんじゃないかな。

AL :俺が言いたいのは、今はイタリア人はハッピーじゃないということだ。イタリアは今非常に厳しい局面に立たされている。人々は生きるためのお金すらないし、信用もない。経済的、政治的なシステムはまったく機能していない。

ML :生き残るためには盗むしかないんだ。税金もどんどん上がるから、例えば税金を払わないというような「盗む」という行為でしか生き残れないんだよ。正しいことをしていてもどうしようもないから、悪いことをするしかないんだ。

AL :少なくともご飯はまだおいしいよ。

--- MK : イタリア料理は大好きです。


ML :イタリアに来たことはあるの?

--- MK : 3-4回あります。


AL :ダークと言えば、いくつかの都市は非常にダークなものを持ってる。例えばトリノなんかはとても秘教的なところだ。"Dario Argento" などのホラー映画が生まれた背景にはそういうところがあると思う。

ML :彼(Aldo)はその近くに住んでるんだよ。

AL :ああ、トリノは近いんだ。トリノには地獄に通じるドアがあるなんていう伝説もある。

--- MK : ローマなどはカトリックの中心地ですよね。ということは、キリスト教が強い一方で、それに反発する人もたくさん出てくるという土壌があるのではないかと思ったのですが。


ML :キリスト教の問題は複雑だし、変わってきている。俺としては、教会というのは、あ、このビデオをローマ教皇が見ないといいけど(笑)、多くの人は、成長の過程で、セックスや快楽といった素晴らしいものはいけないことだと考えている。子どもの頃は、いや子どもについては Aldo に話してもらおう、彼には娘がいるからね。

AL :特にイタリアでは、子どもの頃両親から、両親が彼らの両親に教えられたことを刷りこまれるんだ。教会に従うのは正しい、彼らの言うことは正しいってね。何と言ったらいいかわからないけど、何が正しいかという規範が必要だろ。だけど物事を深く見ていくと、何かがおかしいぞって気付くんだ。そして自分は自由ではない、檻に入れられているんだと感じる人が出てくる。

ML :自分で物事を決めなくてはいけないよ。ここに留まるか、出て行くのかね。14歳になれば自分でメタルヘッドになるか決められるけど、1歳児に「お前はメタルヘッドになれ!」と命令するのは間違っている。音楽であろうと教会であろうと、選択の自由というのがなくてはいけない。一方で自分で物事を決定できるようになる前の子どもたちへの教育というのは必要で、イタリアには歴史があるけど、最近は外国人が多く流入してきたせいで、多様性も出てきている。具体的な率はわからないけど、まあとにかくたくさんアフリカ人などがやってきているんだ。俺もアメリカに1年半いたから、アメリカの文化を学んでイタリアに持ち帰ろうとしたよ。でも簡単にはうまく行くものじゃなくて、完全な混乱状態さ。ただもちろん教会関係者にも素晴らしい人間はいるし、素晴らしい人間というのはどんな分野にもいるものだよ。問題があるのは分野ではなくて、頭の中にあるのさ。

--- MK : Death SS 以外で、何かお勧めのダークなバンドを教えてもらえませんか。


AL :正直に言うと、興味深いバンドはいない。もちろん Death SS のマネをしようとしているバンドはいる。でも、俺の意見としては、本当のホラーバンドというのは Death SS と "Goblin" だけだ。

ML : Goblin は素晴らしいね。

AL :ダーク・ホラー・ミュージックにおいては、本当にその音楽に身を捧げていなくてはいけないと思うんだ。簡単にコピーできるものじゃない。コピーはコピーでしかない。こういう音楽は...

--- MK : ハートから湧き出てくるものじゃないといけないということですね。


AL :その通りだ。Steve にはそれがある。正直イタリアには他にそういうバンドはいないよ。

ML : Goblin は去年ライブを見たけど、本当に素晴らしかったよ。プログレッシブロックとしか形容できないけど。

--- MK : 私も今年日本で Goblin を見ましたが、素晴らしかったです。


AL :ああ、Goblin は素晴らしいね。

--- MK : どうもありがとうございました。日本のファンへメッセージをお願いします。Secret Sphere としてでも、Death SS としてでも構いません。


AL : Death SS の話ができて良かった。Death SS はイタリアでは人気があって、ファンもたくさんいるけど、国外ではあまり知られていないので、ここで Death SS について聞かれるというのはびっくりしたよ。

ML :日本に来られて良かった。俺たちは音楽のために色々努力をしたり犠牲を払ってきた。カヴァーバンドやコピーバンドをやる方がよっぽど楽だからね。日本では人々はきちんとチャンスを与え、ファンたちは音楽や歌詞の細かい部分にまで耳を向けてくれる。昨日、俺たちの作品のコレクターに会って、とても感激したんだ。俺が KISS のコレクターだったようにね。そういうことをしてるとクレイジーだって言われるので、俺もやめてしまったのだけど、日本に来たらまた KISS のレコードを買ってしまったよ。6枚目の "Destroyer" をね。オリジナルのテープをオリジナルのプロデューサーにリマスターさせた Resurrection Version っていうやつ。バイブルのグレートなバージョンだね。このインタビューではバイブルという表現は好ましくないかもしれないけど(笑)。どうもありがとう、また日本に戻ってきたいね。

〜ここからは雑談〜

ML :君のバンドは何ていうの?

--- MK : SIGH ですけど、ブラックメタルなので絶対気に入らないと思いますよ。


ML :イタリアに来る予定は?

--- MK : 今年はオランダ、ベルギー、ドイツ、フィンランドに行きますが、残念ながらイタリアの予定はないです。


ML :ノルウェーは?

--- MK : ノルウェーは Inferno Festival のオファーがあったんですが、スケジュールが合わなくて。


AL : Inferno は大きいフェスティヴァルだよね。

--- MK : ええ、数年前に一度出て、来年もオファーがあったんですけど。


ML :君はシンガー、それとも楽器をやるの?

--- MK : キーボードと歌をやります。歌というか、厳密にはスクリームですけど。


ML :日本人って皆声が高いだろ。君みたいに声が低い人は少ない。これはきちんと声を響かせているという証拠で、声自体が低いということではないのだけど。

--- MK : 確かに私は日本人としては声が低い方だと思います。


ML :いや、声が低いということではなくて、声に低音の要素が含まれているんだ。君の喉は大きくないけど、使い方がうまいんだね。

--- MK : 私は英語で話すときは、より低音になる傾向があるんですよ。


ML :俺も同じだよ。イタリア語だと高いんだけど、英語だと低くなる。英語はどこで覚えたの?どこか海外に住んでたとか?

--- MK : 住んだことはないですが、ツアーでよく海外には行きます。


ML :それじゃ英語はどうやって学んだの?

--- MK : メタルを通じてですね。


ML :本当に?それは凄いね。年はいくつ?

--- MK : 42です。


ML :(Aldoを指しながら大爆笑)ほらな!

--- MK : (Aldoに)おいくつなんですか?


AL :35。君の方が若く見えるね。

--- MK : 日本人は若く見えますからね。


ML :会う人皆に年を聞いてるんだよ。

--- MK : (Luppiに)あなたはおいくつなんですか。


ML :38だよ。

AL :君のバンドはどこのレーベルに所属してるの?

--- MK : Candlelight です。


AL :ああ、フランスだっけ?

--- MK : いえ、イギリスです。Steve はおいくつなんですか?


AL :知らない!でも彼は凄く若く見えるよ。魔術か何か使ってるんじゃないかな。

ML : Facebook みたいに自由に生年月日変えられたりしてね。

--- MK : 実際は50歳超えてるんですかね?


ML :超えてないんじゃないかな。確か Death SS が結成されたとき、13 - 4歳だったっていう話だけど。最初のアルバムが出たのはいつ?

--- MK : 結成は 1977年のようですけど。


ML :何でも知ってるね(笑)。おそらく俺より10歳くらい上じゃないかな。

--- MK : ということは48くらい?


AL :でも彼はずっと若く見えるよ。

ML :彼も日本人なんじゃない?

--- MK : Death SS のライブは是非見てみたいんですけどね。


AL :俺も Death SS のライブやりたいよ。ヴィジュアル的にも凄いし。完全に「ショウ」だからね。

--- MK : その通りですね。


ML :君にとって Death SS と Alice Cooper って何が違うの? Marilyn Manson も。

--- MK : Marilyn Manson は違いますけど、Death SS と Alice Cooper は私の中では近いですよ。Death SS も Alice Cooper からの影響があるでしょうし。


AL :ああ、少しだけどね。

--- MK : Marilyn Manson は好みではないですが、Alice Cooper と Death SS は大好きです。


ML :俺は6カ月 LAに住んでたけど、Alice Cooper が最高に良い人で、いつもゴルフをやってるのは周知の事実だった。彼はステージでは別人を演じているんだよ。

--- MK : まあそれはそうかもしれませんけど...


ML :でも、もう一人はそうじゃない。

--- MK : Steve ですか?


ML :そう。

AL :うーん、どうだろう。俺も初めて Steve に会ったときは同じように考えていた。でも、いざ部屋に入ったら彼はとても感じが良くて...

ML :漫画によくあるような、普段は普通の人というような感じかな。

--- MK : 今日はどうもありがとうございました。


ML :年齢の件、ごめんね。俺らは48歳と49歳みたいだって言っておいて。

 今回のインタビュー、Death SS の謎を解き明かすどころか、逆にその謎を深めたような感すらある。Death SS の中心人物、Steve Sylvester はやはり相当ミステリアスな人間のようで、そう簡単にその核心に触れることはできないのだろう。彼の自叙伝は是非とも読んでみたいところだが、残念ながらイタリア語では手も足も出ない。一刻も早い他言語への翻訳を望む。

 イタリアのダークサイドについては、簡単な話ではなさそうだ。二人は共に近年のイタリアの政治的、経済的な問題を挙げていたが、Death SS も含め、ゾンビ映画などはすべて1970年代にまで遡る。それよりも、そもそもイタリア =暖かくて陽気な国、というのがイタリア南部のイメージだけを捉えた偏見であり(そんな偏見持ってたのが私だけだったら申し訳ない)、インタビューにもあったようにトリノのような北部は気候も違えば文化も違うということなのかもしれない。

 ここまで読んでもいまだに Death SS って何だかよくわからんという人は、とにかくライブ動画だけでも見て欲しい。動画を見てカッコいい!と思わなければ、Death SS そしてイタリアン・ダーク・メタルはあなたのテイストには合わないはず。逆にそれで興奮できるなら、泥沼にはまる危険性有り。  それからこの記事、Secret Sphere のインタビューだと思って読んだ方、ごめんなさい。しかし万が一、これがイタリアの闇の部分にも目を向けるきっかけになれば幸いです。あと、どなたか Death SS を日本に呼んでもらえないでしょうか。


Mirai & Secret Sphere

川嶋未来/SIGH
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