Quantic インタビュー [2]
Friday, July 22nd 2011
![]()
- --- この10年のあなたの活動を振り返った際、カリに移住したことが大きな分岐点だったのではないかと思うのですが、どうでしょう?
-
そうだろうね。越してくる前は、自分が作る音楽に少し退屈してたんだ。だから、何か新しいことにチャレンジしたくなってね。カリに来てから、キャリアの内容がもっと濃くなったと思う。質も良くなったしね。あとは、ピュアな音楽を作る事が少なくなった。自分の中で、そういった時期は終わったのかもしれないな。今の自分は前より色々出来る様になったから、純粋さがどんどん消えて行ってると思う。体力や物質的にも大きなステップになったよ。ブライトンに住んでる時は、レコーディングが大変だったんだ。アクセスのそうだし、スタジオを手配するのもそうだし、快適なレコーディングとはいえたもんじゃなかった。ノイズに問題があったりもしたしね。でも、カリではビッグ・スタジオの経験ができるチャンスがあるし、もっと開放感を感じることができるんだ。
- --- また、この10年間変わらず大切にしてきたものとは?
-
フィーリング。どんなフィーリングかと言うと... なんて言ったらいいかな。音楽に入れ込む感情なんだけど、それはずっと変わらない。音楽に対して、僕はいつだって誠実であり続けてきた。音楽を作る時は、いつも正直でいないといけない。自分に素直であることが大切なんだ。あと、沢山の素晴らしいミュージシャン達に囲まれていることも相変わらずだね。驚くほど良い人たちばかりなんだ。首を傾げるような人なんて一人もいない。あとは... この10年の中で、スタンダードに満たないと思ってリリースしなかったものもたくさんあるんだけど、つまり、自分の中に何らかのスタンダードがあるらしいんだ (笑) それも昔から変わってないんじゃないかな。
- --- では、今回のベスト・アルバムはどのような経緯でリリースされることになったのでしょうか。
-
レーベルがアプローチしてきたんだよ。 “おい、今年で10年だぞ!” って言われて、 “ホントに!?” って感じだった (笑) 自分でも気づいてなくて、 “え?もう!?” って感じだったんだ (笑) ベスト系の作品はお決まりっぽくてダサい印象もあるけど、自分の10年間を人に見せるのも大切だと思ったんだ。色んな種類の音楽があるし、10年はやはり長いから、人によってはまだ聴いてない音楽、知らない音楽もあると思うんだよね。そういう聴きのがしてしまった音楽を、このベストを通じて皆が再発見してくれたらと思ったんだ。今まで10年間も僕の音楽についてきてくれた感謝も込めてね。
- --- 今回のベスト・アルバムには幅広い時代のトラックが収録されています。過去の曲 (特に活動初期のもの) を聴き返してみて思うところはありました?
-
ははは (笑) もちろんあるよ (笑) いいなって思う曲もいくつかあるし、誇りに思える曲もあれば、今だったらもっとベターに作れるなとか、ここ変えたいなって思う曲もある。まぁ、10年も立ってれば経験やスキルを積んでいて当然だし、そんな風に思うのも自然だよね。でも、今の自分よりも上手いなって思う曲もあるんだ。もっと深みを感じる昔の曲もね。何でかはわからないんだけど、多分その時持ってた創造力がよかったんだろうね。
- --- また、今回の選曲はどうやって進めていったのでしょうか。
-
レーベル・オーナーのロバート・ルイスと自分で決めたんだ。知られてる曲から、今回の目的に適してると思うものまで、色々ね。例えば “フォロー・ミー” は今までCDにコンパイルされたことがなかったから選んだし、皆がヴァイナルでこの曲が欲しい!っていう曲を選んだりもしたよ。特に初期のレコードは、もうヴァイナルではゲットできないからね。もう一度皆にチャンスをあげようと思ったんだ。
- --- “Cumbia Clash” “Left & Right” という2曲の詳細が分からないので、教えていただけませんか? (後者はクァンティック・ソウル・オーケストラの “Follow Me” ?)
-
そうそう。 “レフト&ライト” はアリス・ラッセルと一緒にやった “フォロー・ミー” 。あと、 “クンビア・クラッシュ” はカリで作った新しいトラックなんだ。クンビアの要素が強くて、アコーディオンを演奏してる。あと、 “ソル・クラップ” も新しい。これは、次のレコードのために作った曲なんだけど、未来の作品のプレビューを忍び込ませてみたんだ。
- --- また、同じタイミングで12インチ 『Hip Hop En Cumbia』 が出ますが、コンセプトや制作のいきさつを教えてください。
-
LAでDJをやってて思いついたんだけど、LAのオーディエンスの多くはラテン系で、現代のLAのラテン系のオーディエンスはヒップホップに敬意を払ってるひとが多いよね?ラテン系とヒップホップっていう、彼らがリスペクトする二つのコンビネーションがコンセプトなんだ。音を繋ぎ合わせるだけじゃなくて、今回はちゃんと改めてレコーディングしたんだよ。ギターやアコーディオンなんかを使ってね。クラシックなヒップホップだけど、クンビアのリズムが流れてるんだ。メロディックなヒップホップ・ソングを探すのは簡単じゃなかったね。ヒップホップってメロディックな音楽とは言えないから (笑) 90年代の後からはメロディックなものが増えてきたけど。
- --- なお、このEPはQUANTIC Y SU CONJUNTO LOS MITICOS DEL RITMOという名義によるものですが、このプロジェクトは今後も継続していく予定ですか?
-
もちろん。もうすでに次の作品のことを考えてるしね (笑) 今回初めてこの名義で活動して、もっとああしたほうがいいとか、こうしたがほうがいいとか、色んな人たちからアドバイスをもらうことができた。次回作ではそのアドバイスを取入れてるから、もっと良くなると思うよ。
- --- 今後の予定は?
-
もうほぼ完成してるけど、アリス・ラッセルとレコードを作ってるんだ。あとは、アコーディオンを使ったクンビアのレコードもリリースされる予定。7月と8月にはヨーロッパをツアーして、10月にコロンビアに帰ってきてちょっと曲を作って... あと多分、11月か12月には日本と中国に行くことになるかもしれない。まだ未定だけどね。
- 新譜The Best of Quantic
-
クァンティックの10年間の軌跡をたどる究極のベスト・アルバム。
ソウル・オーケストラ、フラワリング・インフェルノ、コンボ・バルバロなどさまざまな名義の作品からチョイス、さらに現在入手困難となっているコンピや12インチ収録楽曲などをも含む容量ギリギリ2CD・全32曲の重量級!選曲はクァンティック自身とレーベルオーナーのロバート・ルイスによるもの。くわしい特集はこちら。
-

-

- The Best Of Quantic
Quantic - 2011年07月23日発売
-

-

- Cartagena!
Various - 2011年発売
-

-

- Announcement To Answer
Quantic - 2006年発売
-

-

- Pushin On
Quantic Soul Orchestra - 2005年発売
-

-

- Mishaps Happening
Quantic - 2004年発売
-

-

- Stampede
Quantic Soul Orchestra - 2003年発売
-

-

- Apricot Morning
Quantic - 2002年発売
-

-

- The 5th Exotic
Quantic - 2001年発売
-

-

- GLOCAL BEATS
監修: 大石始 / 吉本秀純 - ゼロ年代以降のボーダレスな音楽を集めた
世界初のガイド本!
2011年発売

クァンティック Quantic
バンドのリーダーであるウィル・ホランドは、今年レーベル創立10周年を迎える<トゥルー・ソウツ>に所属のイギリス人プロデューサー / ミュージシャンであり、熱心なレコード・コレクターとしても知られる。Quantic名義のソロ・プロジェクトや、ライブ・バンドとしても絶賛されるThe Quantic Soul Orchestraを含む様々な名義からリリースされた幅広い作品群は、これまでにトータルで10万枚以上のセールスを記録している。特にNickodemusとのコラボレーション作品 『Mi Swing Es Tropical』 は、2007年のiPodのCMに起用され、Quanticの知名度の飛躍的に高めた。
彼は、コロンビアに眠る素晴らしい音楽を自らの手で掘り出したいという情熱に突き動かされ、2007年にコロンビア第三の主要都市、カリ (Cali) に移住。以来往年の名ミュージシャン達と共に “新しい” 音楽を生み出し続けている。世界中を旅するミュージシャン / DJとして、メインストリームの動きにとらわれず、自身の音楽を追究し、尽きることのない創作欲を満たす最適の環境、それこそがコロンビアであった。








