TOP > Music CD・DVD > News > Japanese Pop > Hip Hop & Reggae > [1月のドススメ] BEEP DEEP BEEP

[1月のドススメ] BEEP DEEP BEEP

Friday, January 14th 2011

1月のドススメ! matsui編

BEEP DEEP BEEP 『BEEP DEEP BEEP』 / Mitsunori Sakano
-DVD Track List-
01. BEEP DEEP BEEP 1cannel version
02. BEEP DEEP BEEP 3cannel version(night flow remix)
収録時間:15分 / DVD形式:NTSC / リージョン:フリー ※DVD片面1層式
-CD Track List-
01. BEEP DEEP BEEP
02. BEEP DEEP BEEP night flow remix
03. BEEP DEEP BEAT
04. BEEP DEEP DUB
05. BEEP DEEP BEEP (instrumental)
06. BEEP DEEP BEEP night flow remix(instrumental)
07. BEEP DEEP BEAT (instrumental)


先月からスタートした「担当者 今月のドススメ(仮)」。ん?こないだ12月号UPしたばかりのように思ってたんですが、時間が経つのは早いもんです。うかうかしてると1年なんて音の速さで過ぎ去りますんで、十分警戒下さいませ。

さて、みなさんはこの情報過多気味の世の中で、欲しいものをどのような基準でチョイスしているでしょうか?こと音楽に関しては?
メロディーがいいから・リズムが気持ち良いから・スキルがヤバいから・・・様々な理由がそこにはあろう事かと思います。
と同時に、理由はないけどスゲー好き・気になるというような感覚もあったりはしないでしょうか? 理屈で説明できないけれど、自分の琴線にバシバシ来るその感覚。「わからない」けど凄みを感じる作品。 僕は、その「わからない」と言う事こそ、かなり重要なファクターなのではと思っております。
そもそも、アーティストというのは、我々の理解を遥かに超えた存在であって欲しいし、我々が想像だにしなかったアイディア・表現で圧倒してもらいたいもの。
受け手は、そこにある驚きや発見に感動し、「わからない」ものに対し想像を膨らませ、大いに刺激を受ける訳ですから。
「わからない」ものに対する想像は無限に広がっていきます。
「わかる」ものに対する想像には限界があるでしょう?
そうやって受け手の想像力を刺激するアートには心底ヤられてしまいます。
因みに、ここで重要になってくるのは「わからない」度。
「全くわからない」ものに対しては1ミリも想像が膨らまないですからね。やはり根底には自分とリンクする部分があってこその「わからない」だと思います。

という訳で「担当者 今月のドススメ(仮)」
僕のチョイスの基準は、自分というフィルターを通した上で「わからない」けれど自分の琴線を震わせた作品という事。

今月発見した作品は Mitsunori Sakano によるDVD作品『BEEP DEEP BEEP』
[映像x言葉x音]の相互作用により生み出された作品で、それぞれの担当は以下の通り。
映像:Mitsunori Sakano(KNOWNOTHING)
言葉:4CE FINGER(中目黒薬局Recordings)
   音:sakuHana(Takeshi Records)

なお、4CE FINGER はCASTとして映像にも全編に渡りフィーチャーされており、静かに圧倒的な存在感を放っております。
念のため紹介しておくと、4CE FINGERは中目黒薬局のMC。DJ QUIETSTORMプロデュースの隠れた名盤『Japanese Alien Human Being』でご存知の方も多いのでは?
サウンドを担当したsakuHanaはDJ KRUSH・DJ HIDEと共に結成したDJ/プロデューサー集団「流-RYU-」と言えばピンと来るでしょうか。当時はDJ SAKとして活動していたその人です。

作品は「都市」「水」「風景」「夜」「時間」「砂」「歩行」等、様々な断片的な映像の連鎖で構成されます。それぞれのイメージに明確な関連は示されておらず、それは受け手の想像に委ねられている様に感じるのです。

Track Listにある通り、1cannel version / 3cannel version の2種類のパターンで作品は展開されます。1cannel version は画面に1種類の断片的な映像が流され、3cannel version では横に3分割された画面に、それぞれ別種の映像が複合的に並べられます。

静かに、時に凶暴に迫り来る映像の連鎖は時に詩よりも詩的であると言えるでしょう。
同様に4CE FINGERのポエトリーに近い表現で綴られた言葉、sakuHanaが生み出したダブ・アンビエントを包括したビート、抜き差しのループは、時に映像よりも映像的。

本作に収録されるCDの方は、全て4CE FINGERをメインフィーチャーした「BEEP DEEP DEEP」の各バージョン及びインストで構成されています。にも関わらず、通して聴ける。と言うよりもむしろ、通して聴いた後また1曲目から再生したくなるのです。このとんでもないトラックだけでも十分この作品を購入するに値するはずです。

[映像x言葉x音]は複雑に絡み合い、受け手のイメージを際限なく増幅させていきます。
いつの間にか[映像x言葉x音]に自分の想像力がプラスされ、作品の世界観にずぶずぶと引き込まれていく・・・その先にあるものは快楽と呼べるものでしょう。

こうして受け手それぞれが、それぞれの感性で作品からイメージしたストーリーは全く別のものになっているはずです。

やがて時間すらも水にのみこまれる。

最後に、もう一つこの作品の素晴らしい点を。
この作品はMitsunori Sakanoの映像表現に刺激を受けた 4CE FINGER/sakuHana が詩/音を紡ぎ出し、またそれに刺激を受けたMitsunori Sakanoが映像にフィードバックしていくという繰り返しで制作されているそうなんです。たった15分という映像の中に延々とループするような無限の広がりを感じるのは、その制作過程に起因しているのかもしれません。
この相互作用により生み出された作品。
受け手がこの作品に刺激を受け、何かを感じる事で、完成する作品のように感じてなりません。

まずはこちらの動画で、作品の雰囲気だけでもご確認下さいませ。


関連 オススメDISC


『Japanese Allen Human Being』
4CE FINGER / DJ QUIETSTORM

KILLER-BONG/JUBEらのゲスト参加にも恵まれた隠れた名盤。まさかの廃盤。

『我-Ga-』
 
流-Ryu-
 

当時まだ知名度の低かったBOSS THE MCをフィーチャーした作品。こちらも廃盤・・・

ドススメ人 profile

matsui
主な担当ジャンル:
japanese hip hop/reggae
japanese indies

中学2年の春、たいして仲良くもないクラスメートからススメられた坂本龍一『HEARTBEAT』にヤられて以来、音楽の魔法にかけられ出口のないワンダーランドに迷い込む。ジャンル・国籍問わず、好きなものは好きのスタイル。
無類のフェス好き。


1月発売 その他のオススメDISC

商品ページへ  YAMAAN
『12 Seasonal Music』

2011年1月6日発売

降神も所属するアーティスト集団、TempleATS から音楽家YAMAAN の1st アルバムが登場!日本の12ヶ月の季節の情景を12曲で表現した音楽絵巻!!ブレイクビーツ・アンビエント・ダブ・テクノ・・・様々な音楽的背景を感じさせる、と言うよりも様々なジャンルを縦断するかのようなサウンドは、ジャンル問わず音楽を偏愛する者の琴線に触れるはず。そして何より、このアルバム全体から放たれる見事なまでの美しさ。侘び寂びを感じさせる世界観。2011年最初にドロップされるドススメ盤!






商品ページへ  トライウンゴッズ
『Seven Days Six Nights』

2011年1月19日発売

志人from 降神(TempleATS/ 日本)、Bleubird (Endemik / アメリカ)、Scott Da Ros (Endemik / カナダ) から成るグループTriune Gods。2008 年のBleubird 来日ツアーで3 人は出会いを果たす。お互いの音楽のファンになった彼らは唯のコラボレーションではないグループを出来ないかと考え始める。そして2010 年、彼らはカナダ モントリオールで再会した。Triune Gods ( 三位一体の神) となる為に。




関連リンク








 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Hip Hop & ReggaeLatest Items / Tickets Information