Quantic、さらに深みへ
Thursday, June 17th 2010
キューバ〜ジャマイカ〜コロンビアを繋ぐ、
いまだ誰も聴いたことのないQuantic的トロピカル・ミュージック。
世界各地で熱狂を巻き起こした『Tradition In Transition』に続く新作のテーマは
“ ラテン×ダブ ”！
ダブ・プロジェクトFlowering Inferno名義による新作 『Dog With A Rope』
わずかこの1年でQuanticことウィル・ホランドの音楽の虜となった人は数知れない。
プロデューサー/DJとしてのイギリスでの華々しい経歴を一旦リセットするかのように南米コロンビアに移住、現地のミュージシャンたちとの濃密なセッションを重ね紡ぎあげたQuantic And His Combo Barbaro名義による感動巨篇 『Tradition In Transition』 （2009、特集はこちら）。あまりにも鮮烈でいまだ記憶に新しい。
日本でも多くのメディアで2009年のベスト・アルバムに選ばれたこの作品で、Quanticはワールドミュージック方面にもその存在を知らしめることとなり、また逆に、ワールド〜コロンビア音楽を知らないリスナーにも新しい扉を開いてくれた。
そこから時を置かずして、ダブ・プロジェクトFlowering Inferno名義での最新作 『Dog With A Rope』 が早くも到着。
同名義による前作 『Death Of The Revolution』 と先述の 『Tradition In Transition』、近作2作品の世界観の融合ともとれる本作は、もちろんウィルがコロンビアのカリに作った小さなスタジオでの録音。「小さな」というところがまた、地球におけるコロンビアの観念的な位置感、はたまた残響や息遣いすら聴こえてきそうな作風とシンクロしていていい感じ。
歴史的傑作を連発したリー・ペリーの70年代ブラックアークのサウンド・プロダクションを連想させる、粗くイナタいダブワイズ。 『Death Of The Revolution』 がループメイン・打ち込みのコラージュであったのに対し、新作 『Dog With A Rope』 はコロンビアやペルー、ジャマイカなどの音楽家を呼んで正真正銘の生音で演奏している。件の小さなスタジオの一室で、古い4トラックのテープの上に録音し、それを流してさらに新しい音をのせていく・・・という実に原始的というか風変わりな手法も実に興味深い。
スティール・パルスやUB40で活躍した名ドラマー、コンラッド・ケリーのシャープで乾いたリズム・セクション。コロンビア移住以降のQuantic作品に欠かせない最重要ピアニスト＝アルフレディト・リナレスの奏でる流麗なメロディー。コンボ・バルバロから引き続きのパーカッショニストや歌手も加わり、やがてグァグァンコー、クンビアといったドープで濃厚なアフロ・ラテン音楽が熟した深い芳香を放つ。こんな土臭くて生々しいダブ作品、かつてあっただろうか。
レゲエの古典的トラック「Swing Easy」やクンビア・クラシック「Cumbia Sobre El Mar」の特異でユニークなリメイクもQuanticとこのメンバーあってのもの。キューバ〜ジャマイカ〜コロンビア、遠く離れた国々はここでひとつに結び合わされ、純度を高め、未曾有のトロピカル・ミュージックへと昇華している。
結びに、誰もが気になるタイトル“Dog With A Rope”の理由を。
カリには道端にたくさん犬がいて、ぱっと見は野良犬のようだが、みんな首にロープが巻かれている＝つまり誰かの所有物である。ずっとこのことが気になっていたばかりに、タイトルトラックにもそう名づけたのだとか。
アルバムのアートワークもまた袋の中で遊んでいる犬の写真。決してキレイな写真ではなく、むしろ汚いのに中にはきちんとした内容がある。意味がないようでいて実は意味深い、ウィル本人もそこが気に入っているらしい。
Quanticの動画をチェック！
Vimeo一瞬で目を奪われる色あざやかなアートワーク。 B+の仕事ぶりにも注目を
B+（ビー・プラス）はWaxpoetics誌などでも活躍するロサンゼルス在住のフォトグラファー＆フィルム・メーカー。自身でMochillaレーベルをも主宰している。彼はクァンティックの作品の為に何回かコロンビアを訪れ、彼のショットはアルバムのアートワークでフィーチャーされている。
B+の作品をチェック！
Mochilla Web Site
 Quantic Presenta Flowering Inferno "Dog With A Rope" クァンティック・プレセンタ・フラワリング・インフェルノ 『 ドッグ・ウィズ・ア・ロープ 』 2010年06月19日発売 日本盤 Beat Records / Tru Thoughts BRC-262 日本語解説：大石始 日本盤のみボーナストラック2曲収録！！ |
* ・・・Bonus Tracks for Japan
01. Dog with a Rope
02. Dub y Guaguanco
03. Swing Easy
04. Echate Pa'lla (Version)
05. Portada del Mar
06. Cumbia Sobre el Mar
07. Te Pic el Yaib (Version)
08. No Soy del Valle
09. Echete Pa'lla
10. Te Pic el Yaib
11. Dog With A Rope Dub *
12. No Soy Del Valle (Inst) *
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Quanticと、 『Dog With A Rope』 に集うミュージシャンたち
Will Holland a.k.a. Quantic:Quantic（クァンティック）ことウィル・ホランドが彼の初めてのアルバムをリリースしたのは2001年。現在に至るまでの9年間で、13枚のアルバムと共に世界的に有名な存在にとなった。2007年には、彼の曲'Mi Swing es Tropical'が、アップルのiPodの広告で使用され、世界規模のアーティストへと成長した。
彼は2007年にコロンビアのカリに移住。コロンビアに移住して間もなく、地元のミュージシャンらと共に活動できる場所として、スタジオ'Sonido del Valle'を設立。現地の持つ魅惑的なリズムとサウンドの融合からインスピレーションを得た。それが形となったのが、クァンティック・プレゼンタ・フラワリング・インフェルノのプロジェクトである。
ここで彼は、ダブとレゲエにインスパイアされ、ダブやブレイクビーツの手法を使いラテン音楽をリコンポジションした『Death Of The Revolution』を2008年7月にリリース。彼はその中で様々な楽器をプレイするとともに、ペルーの伝説的ピアニスト、アルフレッド・リナレスを含む南アメリカのミュージシャンが多数参加し、数多くのDJやテイストメーカーから支持を集め、他のクァンティック関連作同様、その独創的なサウンドは賞賛の嵐に包まれた。
2009年には国際的に活躍するミュージシャンを世界中から集めて結成されたクァンティック・アンド・ヒズ・コンボ・バルバロ（うち何人かはフラワリング・インフェルノにも参加している）が、彼の音楽観の次なるステージを切り開いた。様々なメディアで賞賛されたアルバム『Tradition In Transition』は、公式のヨーロッパ・ワールド・ミュージック・チャートにおいてNo.4となり、日本では各音楽専門誌のワールドミュージックのチャートを総なめにするなど、多くのメディアが取り上げた。
ペルー出身のピアニスト、アルフレッド・リナレスは、リマの名門レーベル＜MAG records＞の60年代のにおけるセッション・ミュージシャン達の中心的存在であった。数え切れない程のレコーディングをココ・ラゴス、ティト・チコーマ、グルーポ・マンゴ等多数のミュージシャンとおこなった。現在もカリ在住の彼は、正統なソン・モントゥーノとジャズやブルースとを結びつけ'Alfredito'と呼ばれる特別なスイングを生み出すとともに、Quanticとの活動を通して、新しいオーディエンスからも支持を受け始め、彼の幅広い魅力を証明している。
Markitos Micolta:
デスカルガ、キューバ音楽、そしてコロンビアン・フォークロアを初めて融合させ60年代〜70年代にかけてフエンテス・レコードを通じ、数々のヒットを生み出したバンドとして有名なコロンビアのバンド、プレゴヨ・イ・ス・コンボ・バカナのフロント・マン/リード・シンガーを若くして務めた。
Wilson Viveros:
ブエナベンチュラに生まれたウィルソン・ヴィヴェロスはパーカッショニストとしてのキャリアをプレゴヨ・イ・ス・コンボ・バカナのメンバーとしてスタートさせ、セッションのスキル・アップの為ボゴタに引っ越した。フルーコ・イ・サス・テトス、ラテン・ブラザース、ピペル・ピエメンタそしてジミー・サルセドの後期の作品においてはキー・パートを担当し活躍した。
Nidia Gongora:
パシフィック・コースト出身のニディア・ゴンゴーラは、コロンビア／パシフィックを代表する、歌によるフォークロアの第一人者である。ここ数年彼女はカリに住んでおり、彼女にとってのルーツ・ミュージックをアーバンなスタイルで表現することに尽力しているが、彼女のファミリー・グループであるクルーラオによってコロンビア全土に広がったパシフィック・フォークロア・ミュージックのレコーディングとパフォーミングも頻繁に行っている。
Conrad Kelly:
ジャマイカ生まれ／イギリス在住のレゲエ・ミュージシャン、コンラッド・ケリー。彼はウエスト・ミッドランズ・レゲエ・シーンのキー・プレイヤーであり、UB40やスティール・パルスとの演奏もコンスタントにおこなっている。彼は、誰もが知っており愛してやまないジャマイカン・スウィングをたたき出す事が出来るドラマーであり、彼のたたくドラムが、今作において非常に重要なエレメントになっているのは間違いない。
Freddy Colorado:
フレディ・コロラドは、カリのミュージック・シーンの主要プレイヤーである。彼はマリンバ奏者ウーゴ・カンデラリオと共に、人気のグループ、グルーポ・バーやアルフレッド・リナレスのバンドではコンガを演奏している。また、彼自身も、自らのバンド’Residuo Solido' を結成しており、街の不用品をリサイクルしたものを使って音楽を演奏している。彼は2008年にそのバンドでThe Quantic Soul Orchestraとともにツアー参加、昨年からはコンボ・バルバロのツアーでもステージで彼が放ったエナジーとカリスマは、オーディエンスを魅了した。
Fernando Silva:
マルチベーシストであるフェルナンド・シルヴァは、コロンビア音楽界においてアップライト、ベイビー、そしてエレクトリックバスの巨匠である。カリのベース・プレイヤーとしてキャリアを積み現地での重要人物である。以前よりアルフレッド・リナレスと数多くプレイしており、コンボ・バルバロでもツアーを共にしている。
関連リンク
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音楽異邦人Quanticの最新Mix CD！ （HMV ONLINE / 2010.05 ）
あのTru Thoughtsからファンク・コンピ！ （HMV ONLINE / 2010.05 ）
Quanticのコロンビア録音が凄い。 （HMV ONLINE / 2009.07 ）
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Flowering Inferno名義の新作
Dog With A Rope
Quantic Presenta Flowering Inferno
Price (tax incl.):
¥2,305
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(tax incl.):
¥2,120
Multi Buy Price
(tax incl.):
¥1,960
usually instock in 2-3days
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傑作！Combo Barbaroとの共演
⇒ 特集はこちら
Tradition In Transition
Quantic and his Combo Barbaro
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¥2,120
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¥1,960
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Flowering Inferno名義 前作
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Flowering Inferno Death Of The Revolution
Quantic
Price (tax incl.): ¥2,515
Member Price
(tax incl.): ¥2,313Release Date:15/July/2008
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Quantic その他の近作
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Import Addis To Axum
Quantic
Price (tax incl.): ¥2,739
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(tax incl.): ¥2,384Release Date:29/May/2010
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Quantic
Price (tax incl.): ¥2,739
Member Price
(tax incl.): ¥2,384Release Date:25/September/2009
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Limited Edition Import(Japanese Edition) Tropidelico
Quantic Soul Orchestra
Price (tax incl.): ¥2,043
Release Date:24/May/2010
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併せておすすめ “中南米トロピデリカ！”
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Gilles Peterson Presents Havana Cultura :Remixed
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(tax incl.): ¥2,217
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(tax incl.): ¥2,048Release Date:05/June/2010
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Collection Gilles Peterson Presents Havana Cultura -New Cuba Sound
Price (tax incl.): ¥2,619
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(tax incl.): ¥2,410Release Date:24/October/2009
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Cultura Impura
Saravah Soul
Price (tax incl.): ¥2,305
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(tax incl.): ¥2,120
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(tax incl.): ¥1,960Release Date:03/July/2010
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Saravah Soul
Saravah Soul
Price (tax incl.): ¥2,515
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(tax incl.): ¥2,313
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(tax incl.): ¥2,139Release Date:22/March/2008
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Collection Import(Japanese Edition) Tru Thoughts Funk
Price (tax incl.): ¥2,043
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(tax incl.): ¥1,225Release Date:15/May/2010
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