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【HMVインタビュー】 トクマルシューゴ2

Friday, April 9th 2010

interview

トクマルシューゴ

自分にとって居心地のいい音楽が、自分にとっての未来に繋がる

--- 今回のライブツアーもほぼ完売状態ですね。

ありがたいですね。

--- ライブと録音したものは違うじゃないですか?

うん。違いますね。

--- その辺の意識の違いって、どのように分けているのでしょうか?

既にある音源から、ライブのために作り直す作業になるんです。もう一度自分でコピーしなおすというか。そういう形なんで面白いですね。それも。

--- コピーしなおす。

そうですね。自分の曲がどういう構造なのかなっていうトコロから。もう一回改めなおせる。リアレンジというか。だから全然別物ですね。

--- それを限られた人数、限られた楽器の中で表現していくと。

そうですね。アレンジしなおすっていう形ですかね。再現すると言うより。

--- メンバーとのやりとりという作業も生まれてくると思いますが。

メンバー自体がすごく仲の良い人たちなので、言うことも聞いてくれるし。譜面を自分で書いてそれを渡して、まずはその通りにやってもらう。ちょっとおかしいなと思ったら、調整していく感じですね。なんで、あんまりリハーサルとかも長時間は入らないし、単純に楽しむためにやってるところもありますけどね。

--- ライブをやっていて、一番トクマルさんが興奮する瞬間はとういった時ですか?

なにかすごくしっくりくる瞬間がたまにあるんですけど、その瞬間が来たときがやっぱり一番うれしい。お客さんとの波長もあったりして、それがうまくかみあった瞬間、いいタイミングでみんなの波長が合うと気持ちいいですよね。

--- 例えば自分がイメージした通りの音を出した瞬間とお客さんの波長はリンクしてますか?

する時ももちろんあるし、しない時もやっぱりあって、それはもちろん会場とか、音響とかの問題もある。自分たちが聴いているモノとお客さんが聴いているモノは、向かい合ってやっている以上全然違うものが聴こえているんで。それはなかなか難しいんですけど、それが合うときがたまにあって、それはすごく美しい瞬間だなって思います。

--- 音源を聴いていてもトクマルさんの音楽には美しさをやはり感じていて、それは機械で引いた完璧な直線の美しさではなく、手書きで真っ直ぐに引いた線の美しさというか。そのようなものを作ろうという意識はどこかにあったりします?

あんまりないかもしれないですね。そう思ってくれたら嬉しいですけどね。

--- では一番意識をすることってどういうことなんでしょうか?

とにかく自分が居心地のいいものを作ろうという意識は常にあって。自分にとって居心地のいい音楽が、自分にとっての未来に繋がるというか。それを一番大切にしてるんですよね。自分にとって居心地のいい音楽、自分の好きな音楽を追求して作る。ライブでもそうなんですけど、ライブではそこまで至っていないので・・・そこまでに至ればたぶん、自分にとって心地のいい人たちが近寄ってきてくれるっていう確信があるんですよ。それがずっとやりたいですよね。

--- 作るという意味でのモチベーションは自分にとって居心地のいいものの追求。やはり、他のミュージシャンが作るものでは、その居心地と言う満足感は得られないですか?

そうですね。得られないことが多いですね。たまに、得られるようなすごくいい音楽を作っているのが羨ましいと思ったり。自分にはなかった発想を持っている人は凄くいっぱいいるので。そういう人の近くに行きたいなっていう気持ちもありますし、そういうものを持っている人が、やっぱり羨ましいんですよね。そうなりたいなって自分でも思います。

--- それはその人のスタンスがって事ですよね。それを真似したりっていう事ではなくて。

そうですね。

--- 今回の制作において、以前と変わった事はありますか?

あんまりないかもしれないですね。それは。僕の中で想像しているものが段々変わってきているって言うのはあると思いますけど。制作環境は同じです。

--- そのトクマルさんの中で想像しているものっていうのは、常に変わり続けるものなのでしょうか?

そうですね。曲によってやっぱりやりたいものが変わっているので。やりたいものが思いついたらそれをやってみるという形を続けてはいますけど。

--- 思いついたら直ぐにやってみるタイプですか?

そうですね。思いついた瞬間にやるのがすごい好きなので。

--- 今回のアルバムもその思い付きを出発点に作ってきたのだと思いますが、特に苦労した曲はありますか?

全曲だいぶ時間がかかって、全曲苦労した分、全曲愛着があって。今回いっぱい曲を作って、それを選ぶのにすごく苦労して、その選ばれなかった曲たちには凄く申し訳ないですけど。笑

--- 実際、制作の期間はどれくらいをかけて?

『EXIT』以降ずっと作っていたので、2年半くらいだと思うんですけど。実際には、もっと昔に作った曲も入っているので。それを含めるとものすごい時間がかかっているのかも知れないですね。

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  •  Port Entropy / トクマルシューゴ
    超ロングセラーとなったサード・アルバム『EXIT』以来、2 年半ぶりとなる待望のフル・アルバムが遂に完成! 同名ミニ・アルバムに収録された「Rum Hee」を含む全12 曲の中にトクマルシューゴのエッセンスを余すところなく凝縮し、トクマルシューゴ以外には成し得なかった新しいポップ・ミュージックの形がここに。圧倒的な傑作にして、長く聴き継がれるマスターピースになることに疑いの余地がない、今年最大級の話題作。
  • 2010年04月21日発売
profile

東京都出身。
2004年5月、米ニューヨークのインディ・レーベルMusic Relatedより、1stアルバム『Night Piece』をリリース。無名の日本人、日本語歌詞であったにもかかわらず、各国のメディアで絶賛を浴び、世界中から注文が殺到して初回プレス分は瞬く間に売り切れる。このアルバムは日本でも同年8月、音楽雑誌mapのレーベル、Compare Notesより発売される。

2005年、Compare Notes より2ndアルバム『L.S.T.』をリリース。翌2006年には、ヨーロッパやニュージーランドでも相次いでリリースされ、とりわけフランスでは雑誌、新聞、ラジオ等で大きく取り上げられる。同年秋、そのフランスとスペインと北欧を回る初のヨーロッパ・ツアーを敢行。

2007年10月、サード・アルバム『EXIT』をPヴァイン・レコードよりリリース。日本でも大きな反響を呼び、ロングセラーとなる。この頃より、国内でのライヴ活動も旺盛に展開。翌年には、フジ・ロック、NANO MUGEN FES.‘08といった大規模なフェスにも相次いで出演を果たす。

2008年9月、Sony / Columbia 傘下のレーベル、StarTime Internationalより『EXIT』を北米リリース。同月、初の北米ツアーを行い、出演した4公演全てがソールドアウトとなる(NYではBeirutやThe Nationalのメンバーを伴ったバンドを編成)。10月に再渡米し、The Magnetic Fieldsのサポートアクトとして2000人規模のホールツアーを行う。また、同年、萩生田宏治監督作品『コドモのコドモ』で、初めて映画音楽の作曲も手がける。

2009年4月、ミニ・アルバム『RUM HEE(ラムヒー)』を発表。同年7月にはヨーロッパ最大級の音楽フェス、ロスキレに出演、6カ国にまたがる欧州ツアーも行う。日本でも、アラバキ、ROCK IN JAPAN、SUMMER SONIC、朝霧JAM、COUNTDOWN JAPANなど、多数のフェスに出演し、ライヴ・アクトとしての評価も飛躍的に高める。

2010年3月、シンガポールのフェス、MOSAIC MUSIC FESTIVALに出演。

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