Musique Dessinee 01.1 -Just A Groove!

神戸『プロダクション・デシネ』の記念すべき100番目のカタログは、レーベル初のコンピレーション『ミュージック・デシネ 01 - ジャスト・ア・グルーヴ』の電撃復刻。

レーベル（選者）の持てる知識と労力をフル活用し、選びに選び抜かれた楽曲達が全曲最高なのは言うに及ばず、（リリース当時は）殆どの楽曲がニュー・ディスカヴァリー/初復刻などの貴重音源揃いの豪華盤にして、『プロダクション・デシネ』のポリシーと音楽への愛情の全てが詰まっていると言っても過言では無い1枚です。

軽快なピアノが転がり、可憐なスキャットが舞うオープニングの「スカイ・ハイ – ザ・リー・メイソン・サウンド」(貴重なライブラリー音源です)からワクワク感全開。続く、『プロダクション・デシネ』からの再発でお馴染みの二つの名曲「レヴェ・レヴェ – ピエール・マイゼロワ」(VSCD-9344)、「ワンス・オア・トゥワイス – チャーリー・ハーンショウ・カルテット」(VSCD-9325)を経て、ソウルフルな歌声が炸裂する「スウェアリング・トゥ・ゴッド！ - ナンシー・ハロウェイ」は、フランキー・ヴァリのメロウグルーヴ名曲「神に誓って」のファンキーカヴァー。ドライブ感抜群のサウスアフリカン・ファンク「ウィ・ゴット・ア・グッド・シング・ゴーイング・オン – パシフィック・エクスプレス」(VSCD-9412)は既にダンスフロアでの人気も実証済みのガッツ溢れる極上曲。続く、20世紀最高のスキャットグルーヴの呼び声も高い「ジョッキー・ディスク – クロード・ダウレイ」も奇跡的に収録。普通のコンピなら、これでもお釣りが来ても良いはずですが、メロディアスなジャズビート「ホエン・シー・スマイルズ – ハロルド・ダンコ」からドラマはさらに加速し、知られざる日本のインディロックの超名曲「ワーズ・オブ・ラブ – バブル・バス」、オンダヌエヴァ・マスターAldemaro Romeroの実娘が歌う泣きの名曲「セイ・スバリグリアート・エ・ノン・ロ・サイ – エライザ・ロメロ」に、ミラクルダンサーの誉れ高いフレンチフリーソウルの大名曲 「スウィート・マリライン – クリスチャン・ゴベール」、巨匠エンニオ・モリコーネ作にして、同氏の「ある夕食のテーブル」を超える涙モノのメロディが最高なメロウなボサノヴァ 「マリンコニカ・セレニータ – エンニオ・モリコーネ」、そして本作のハイライトとも言える国産フリーソウルの最高峰(と言う陳腐な表現しか出来ない自分が情けなくなる位にイイ曲)「アイム・ゴナ・ミッス・ユー – オー・ペネロープ」は、CD(アナログはプロモのホワイト盤のみが当時存在しました)も随分と昔に廃盤となっている奇跡の名曲。DJでプレイしても、この曲で盛り上がらなかった日は、過去に一度も無かった位に素敵な1曲です。「フォー・オール・ウィ・ノウ – マーヴァ・ブルーム」はファンク人気の高い名曲「Mystifying Mama」の7”のB面に収録された、隠れた名曲。言わずもがなカーペンターズのカヴァーですが、よりソウルフルで感動的なフレンチソウルの逸品。そしてラストを飾る名曲「リヴ・イット・ダウン – メディシン」は、最近のシューゲイザー再評価の中でアルバムが再発された(極)美名曲と、ヴァラエティは本当に豊かながら、しっかりと筋の通ったコンセプチャルな作品です。

全曲完全リマスター、ジャケットの仕様はA式ダブル(見開き)の紙ジャケット。マットな質感の紙質で、よりアナログ盤を意識したような外装と、お馴染みのライブラリー風のデザインが目を惹きます。