CD

Stravinsky: Symphonies

Stravinsky (1882-1971)

User Review :4.0
(3)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
TOCE56099
Number of Discs
:
2
Label
:
Format
:
CD
Other
:
+CD

Product Description

ストラヴィンスキー:交響曲集
ラトル&ベルリン・フィル

日本盤のみボーナスCD付!

日本盤だけのボーナスCDには、ストラヴィンスキーがドビュッシーの思い出のために書いた音楽を発展させた『管楽器のための交響曲』が収録されています。正確には『ドビュッシーの思い出のための管楽サンフォニー』と題されたこの作品は、どこか春の祭典を思わせる素材を交え、ファンファーレとコラールの交錯するバロック時代の様式へのオマージュともいえるスタイルで書かれています。ラトルにとってはちょうど30年ぶりの録音でもある今回の演奏は、ベルリン・フィルの名手たちとの演奏だけに仕上がりにも期待の持てるところです。
 その『管楽器のための交響曲』と、習作的な第1番を含めると、ストラヴィンスキーは交響曲という名称のつけられた作品を5曲残していますが、よく演奏されるのは『3楽章の交響曲』『ハ調の交響曲』『詩篇交響曲』の3作品。どれも新古典主義時代に書かれ、それぞれアメリカのメジャー・オーケストラに献呈されたという共通点を持っていますが、3曲の作風は見事にバラバラなのが面白いところ。
 まず興味を引くのは随一の人気作でもある『3楽章の交響曲』でしょう。もともとオーケストラのための協奏曲的な音楽として発案されたというだけあって、交響曲というよりは協奏曲風な響きと形式構造が目立っており、さらにドキュメンタリー・フィルムを通じて影響を受けたという第二次世界大戦への思いを、『春の祭典』など原始主義時代を髣髴とさせる過激なリズムと管弦楽の咆哮であらわしているのが特徴。結果として重層的な味わいの妙味がもたらされたと思われるこの『3楽章の交響曲』で、ラトルがどのような切り込みを聴かせるか注目されるところです。
 一方、第二次世界大戦直前から開戦の翌年にかけて、つまりストラヴィンスキーが戦火を避けてパリからアメリカに移住する時期に書かれた『ハ調の交響曲』は、ハイドンやベートーヴェン、チャイコフスキーといった作品を参照しながら書かれたとされる作品で、ドラマティックな展開を含むソナタ形式やスケルツォ楽章が、伝統的な「交響曲」としての存在感を主張するかのような雰囲気に満ちた力作です。
 現在では声楽ファンに人気の傑作『詩篇交響曲』は、もともとクーセヴィツキーから委嘱されたもので、完成後はボストン交響楽団に献呈されています。しかし、オーケストラからの委嘱作品であるにも関わらず、この作品の楽器編成にはヴァイオリンとヴィオラとクラリネットが含まれないという特殊なもので、代わりに(?)混声合唱と管楽器群、チェロ、コントラバス、ハープ、そして打楽器群が対位法的なテクスチュアを織り成してゆくのが実にユニーク。
 2007年9月、ラトルはこの3曲をベルリン・フィルの定期公演でとりあげ、ベルリンのモルゲンポスト紙から下記のような絶賛を得ています。
「ストラヴィンスキーの交響曲だけで一晩のプログラムを組むというのは勇気ある企てだったが、今回はそれが報われたようだ」「詩篇交響曲が当夜のハイライトだった。器楽と歌手の特異なアンサンブルはひとつにまとまり、文字通り鳥肌ものだった」

ストラヴィンスキー:
・詩篇交響曲
・3楽章の交響曲
・ハ調の交響曲

(日本盤のみボーナスCD付)
・管楽器のための交響曲

 ベルリン放送合唱団
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 サイモン・ラトル(指揮)

Track List   

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

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正直、この演奏は全くいただけない。録音の...

投稿日:2012/03/30 (金)

正直、この演奏は全くいただけない。録音の悪さもそれに追い打ちをかけている。なぜ、ベルリン・フィルがEMIからCDを出すことに固執するのか理解不能。ロンドン響やロイヤル・コンセルトヘボウ管のように、早く自主レーベル一本に絞って欲しいものだ。それはともかく、このディスク、ストラヴィンスキーの交響曲を知らない人たちには好評なようだが、ブーレーズ盤でもそうだったように、作品の魅力と演奏の良さを取り違えてしまっている。これらの作品の録音を出来る限り聴いてきた私にとって、この演奏は特に優れた面があるわけでも、特に(ポジティヴな面で)個性的であるわけでもなく、トップチョイスのC・デイヴィス/バイエルン放送響盤[PHILIPS]には遠く及ばないばかりか、平凡過ぎて、音符を音にするだけで精一杯のようにしか聞こえない。特に《三楽章の交響曲》では、1小節ごとに拍子が変わる《春の祭典》以上に難解なリズム変化にベルリン・フィルが上手く対応出来ておらず、シンコペーテッドな魅力が全くといっていいほど再現出来ていない。ヴァルトビューネでガーシュウィンを取り上げたときもそうで、ベルリン・フィルのグルーヴ感の悪さ、リズムのノリの悪さは、このような作品を演奏する上に於いては致命的とも言える。要するに、ここにあるのは作品とオーケストラとの相性の問題で、作品とオーケストラとの間に親和性を生み出せなかったラトルの責任は重大である。

MISPRISIONER さん | 東京都 | 不明

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 ラトルのCD、ストラヴィンスキーの交響...

投稿日:2008/08/07 (木)

 ラトルのCD、ストラヴィンスキーの交響曲、カラヤンやブーレーズも録音していたもので、特に3楽章の交響曲が秀逸であり、戦争に発想を受けた作品を切れ味良く描いています。詩篇交響曲はまずまず、ラトルのCD、EMIの録音があまりよくなく、その分は損をしています。

恐怖のタヌキ男 さん | 地球 | 不明

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《3楽章の交響曲》はとても良い。次の《詩...

投稿日:2008/06/26 (木)

《3楽章の交響曲》はとても良い。次の《詩篇交響曲》も、最近国内盤の出たアンチェルの演奏と並べても良いような名演。《ハ調の交響曲》は、ある意味たいへんな名演であるカラヤン盤などに比べても、一種の「軽み」のようなものが好ましいが、バーンスタイン/イスラエル・フィルの演奏にあった切れの良さにだけは少し及ばないような気がする。《管楽器のためのシンフォニーズ》が日本盤だけにはボーナスとして付けられている。これも必聴。

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