CD

Sym, 14, : Currentzis / Music Aeterna Korpacheva Migunov

Shostakovich

User Review :5.0
(7)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
ALPHA159
Number of Discs
:
1
Label
:
Format
:
CD

Product Description

ショスタコーヴィチ:交響曲第14番
クルレンツィス&アンサンブル・ムジカエテルナ

日本語解説、訳詞付き

驚くなかれ。ショスタコーヴィチ後期作品に「古楽器使用」!
21世紀ならではの周到さで柔軟かつ的確にショスタコーヴィチ芸術の本質へと迫る解釈結果は、生き血の通ったダイナミックさ!
知と情のバランスを超えて、作曲家の思惑をえぐりだす問題録音!

フランス随一のユニークな小規模レーベルとして、秀逸にしてユニークな古楽盤を次々と生み出し、ル・サージュのシューマン体系録音シリーズに代表されるような現代楽器での注目企画、知られざるフランス近代の名匠デュロゾワールの再発見など、新しい時代の音楽でも他の追従を許さない充実企画を続々世に問うてきたAlphaが、なんとショスタコーヴィチの交響曲をリリースするとなれば、明敏なファンならずとも誰しも注目せずにはおれないはず! そしてさすがはAlpha、ありきたりの内容で攻めてくるわけがないのです。
 曲目はショスタコーヴィチ晩期の異色作のひとつ、弦楽合奏と打楽器、という異例のオーケストラ編成に独唱が続く、全12楽章という型破りの楽章構成をとる交響曲第14番。さらに驚かされずにおれないのが、作曲年代が1969年というこの作品を、なんと一部古楽器(!)で演奏してしまったという点。原文解説書には、録音現場でチェロのピンを使わず、両脚で挟んで演奏するプレイヤーの写真が。
 本盤の指揮者テオドール・クルレンツィスはショスタコーヴィチがこの曲に込めたメッセージをじっくり読み解いた末、作曲家の意図どおりの弦楽編成で、適宜ガット弦を使用し、ひたすらヴィブラートを排した弦楽サウンドで弾くことこそが、憂鬱と無力感にさいなまれた作曲家が「死」を見すえて作曲した交響曲第14番の本質を最もよく表現できる手段である、という結論に達したのだそうです。録音会場であるノヴォシビルスク歌劇場の音響空間も、この解釈に大きく関わっているとのこと。祖国ギリシャとロシアの世界的歌劇場や一流オーケストラで経歴を積んだのち、古楽バンド「ムジカエテルナ」を結成、自ら古楽器演奏にも通じてきた人だけに、体験型の現場主義的意識から、このような柔軟な考え方が導き出されたのかもしれません。しかしこういった独特の意見も、演奏のクオリティあればこそ通用するもの。本盤は(曲をよく知る人にも、知らない人にも)痛烈なインパクトを感じさせずにおかない、たたみかけるような力強さから底知れぬ静謐さまで自由自在、一体の生き物のような血肉通った解釈を聴かせてくれるのです!
 ジャケットのイコン画にも通じる静かな迫力を漂わせたロシア語歌唱、ガット弦ならではのオーガニックな美音、秀逸録音が光る打楽器の響き、圧巻の説得力、話題性満点です!(マーキュリー)

【収録情報】
・ショスタコーヴィチ:交響曲第14番ト短調 op.135『死者の歌』(1969)

 ユリア・コルパチェヴァ(ソプラノ)
 ペトル・ミグノフ(バリトン)
 ムジカエテルナ(一部古楽器使用)
 テオドール・クルレンツィス(指揮)

 録音時期:2010年
 録音方式:デジタル

なお当盤は、別冊の日本語解説書を輸入盤に添付したものになりますので、ブックレットやディスク自体は輸入盤と同一です。

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Comprehensive Evaluation

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ショスタコーヴィッチの交響曲14番、19...

投稿日:2014/02/04 (火)

ショスタコーヴィッチの交響曲14番、1973年に、ロストロポーヴィッチがソ連で秘密裏に発表した曲を、ピリオドアプローチで演奏する? そんなあり得ない事をやってしまったギリシャ生まれ、ソ連、ロシアで学び、ピリオドオケも組織したクルレンツィス。時代を経、変化は当然とは言え、反則じゃねえかとの杞憂は、すぐ晴れた。ショスタコーヴィッチの怒り、諦めも斬新、そして適確、徹底されたサウンドで、その精神、披露している。見事、感心、恐れ入った。SONY移籍のモーツァルトも楽しみ。又も、才の登場。只、その変化に、私達、付いていけるか。私は、聴いて驚かされ、感心。支持する。

sunny さん | 兵庫県 | 不明

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完璧。演奏、録音、格調、ジャケット共瑕疵...

投稿日:2011/08/23 (火)

完璧。演奏、録音、格調、ジャケット共瑕疵なしで、即、お宝CD入り。

NAKAKO さん | 長崎県 | 不明

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---ショスタコーヴィチはようやく亡くなっ...

投稿日:2011/02/12 (土)

---ショスタコーヴィチはようやく亡くなった。--- この曲の革新的な演奏が生まれた。この作品は全ての交響曲の中で最も難解なものであるがゆえ、これまでの演奏はバルシャイ・ロストロポーヴィチに代表される過激なソビエト流解釈と、オーマンディやキタエンコのような淡々と楽譜に書かれたことを描く解釈の二つしかなかった。しかし今回のような、「楽譜や文献から」作曲家の心境をくみ取り、「表情付けをしっかりとつけた」演奏というのはこれが初ではないだろうか。特に第6楽章と第8楽章の声楽陣のテキストに対する感情移入っぷりはさながら演劇のようである。ここに私はこの曲に対して非常に客観的な立場から本質をえぐり出そうとするエネルギーを感じる。それは過去の演奏におけるひどく主観的(作曲家に近い存在による視点)な演奏や、ひどく客観的(交響曲という純音楽の再現という視点)な演奏とも違う、新たなこの曲の基軸となる解釈である。もちろん前二つの解釈そのものを否定しているわけではない。当時は作曲家本人がご存命であったり、資料が少なかったりとするわけで、解釈が限られるのは当然である。しかし、この演奏の登場により、ようやくショスタコーヴィチは現世の呪縛から逃れられ、真に亡くなったのではないか、と感じざるを得ない。そうした意味あいでこの演奏は歴史的大名演だと私は考える。

waldmorgen さん | 東京都 | 不明

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