ステレオタイプな言葉の羅列や美辞麗句で飾り立てた大衆的な歌が巷に溢れる中、それに対して芸術家たちが一人の女の子を中心に集まり、反旗を翻した。存在の可能性をあたたかに捉え、世界の不条理や芸術家の葛藤に、真摯に向きあい、ロックの、芸術の、今を、未来を、人間の光と闇を、「東京」という視点を通して照らしだす。とても創造的で挑戦的な試みだ。ぜひとも芸術家や音楽家や、その卵たちに聴いてほしい。もちろん心からロックが好きな人にもお薦めだ。この可能性に驚嘆してほしい。このアルバムの内奥には熱い魂がある。

このアルバムにはいい意味で期待を裏切られた。いや、凄い。正直このアルバムを初めて聴いたときは、笑いが止まらなかった。予想外のものに出逢った時、人は笑うしかない。その笑いだ。 まず、その歌唱、はっぴいえんどをはじめ、日本語詩を、どうロックに乗せるかで、邦楽は努力をしてきたが、このアルバムはその一つの局地点に立っているんじゃないだろうか、そう思える歌唱だ。英語詩と日本語詩の壁を越えた、いや融合してしまっている。 そして、それをティーンエイジの少女がやってのけるのだ。もちろんある程度拙い部分を補正してはある