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向田邦子と昭和の東京

Saburou Kawamoto

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784106102592
ISBN 10 : 4106102595
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2008
Japan

Content Description

高度経済成長の中で失われた様々な習慣、町並、家族の形…。それらをいとおしみ、表現し、体現し続けた向田邦子。様変わりした現代においてなお、人気を誇る作品群をひもとき、彼女が守り続けたものとは何かを綴る。

【著者紹介】
川本三郎 : 1944(昭和19)年東京都生まれ。東京大学法学部卒業後、朝日新聞社を経て評論家。文学や映画、都市論など多方面で活躍している。『大正幻影』(サントリー学芸賞)、『荷風と東京』(読売文学賞)、『林芙美子の昭和』(桑原武夫学芸賞・毎日出版文化賞)など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • つちのこ

    向田作品を読んで思うことは、体の中にすぅーと入ってくる心地よさと、得も言われぬ懐かしさ。なんでだろうなぁ、と思っていた。その答えは本書の序章にあった。向田邦子はノスタルジーにこだわった作家であり、“卓袱台のある暮し”の記憶を大切にしていたという。文章にゆったりとした味わいがあるのは、古い言葉をあえて使っていたからだろうか。さすがにご不浄とは言わないが、無機的なトイレよりは、より丁寧な言葉として受け取れる。昭和30年代を境に消えた生活道具や習慣、言葉は数知れず。郷愁を誘う向田作品との関連性を面白く読めた。

  • おさむ

    向田邦子がドラマやエッセイで描いたのは、戦前の昭和の家族の風景。とりわけ山の手の中流階級の暮らし。1970年代から80年代にかけて失われてしまっただけに、向田作品は読者にとっては記憶を呼び起こす格好の材料になる。男はつらいよシリーズが描いたのは失われゆく地方の風景でした。鉄道やバス、日本旅館‥。地方と東京。舞台は違えど、今なお絶大な人気を誇る向田作品と寅さん。その理由の一端を垣間見たような気がします。

  • kinupon

    向田作品をもう一度読み返そうと思っています。特に今は使われなくなた日本語を探してみようと思います。

  • あきあかね

     テレビドラマなどで使われる食べ物は、一回きりで無くなってしまうので「消え物」と呼ばれる。しかし、向田邦子のエッセイや小説では、食べ物が家族の記憶や人物の微妙な心情、時に人生そのものを表す。消えて無くなる儚い小道具ではなく、食べ物こそが主役と言っても過言ではないだろう。 東京大空襲の翌朝、死を覚悟した父親の提案で、取っておきの白米を釜いっぱいに炊き上げ、埋めてあったさつまいもで精進揚をこしらえた記憶。愛する家族を守ることのできない父親としての口惜しさ、無念さ。向田邦子は「みじめで滑稽な最後の昼餐」と⇒

  • kinkin

    向田作品を読む上での副読本のようなものかもしれない。ただ本だけで向田作品の昭和を感じるのは大変だ。そのころの風俗や世相、言葉使いなども調べたほうがイイと感じた。

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