タイトルどおりブラジルでの地元メンバーとの演奏だが、ラテンの臭いはそんなに強くなく、また、ランディ独特のひねくれたメロディラインも見られず、いわゆるフュージョンらしいフュージョンである。親しみやすい選曲でランディがのびのびとプレイしているのが良い。休日の午前中のティータイム向きか。

若きランディが、色々なことを試みている面白い盤である。純然たるバップジャズから、後のブレッカー・ブラザーズにつながるフュージョン、さらには、マイケルとのデュオや、ラテン風味がかったものまで、統一感は全くない。しかし、ランディの快活なソロとともに、ランディ、ハル・ギャルパ−作の曲自体の魅力、若干20歳のマイケルの活躍、後半はピアノレスになって、ラリー・コリエルのギターが浮上する等、聴きどころがいくつもあって楽しい。敢闘賞。