SACD Import

Symphonies Nos, 4, 5, : C.Davis / London Symphony Orchestra

Nielsen (1865-1931)

User Review :4.5
(4)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
LSO0694
Number of Discs
:
1
Label
:
Format
:
SACD
Other
:
Hybrid Disc,Import

Product Description

巨匠デイヴィス&LSOによるニールセン
初レパートリーへの情熱
第1弾は第4番『不滅』&第5番


巨匠デイヴィスがLSOを率いてあらたにスタートさせる、ニールセンの交響曲全曲シリーズ。注目の第1弾は全6曲中、もっとも有名な第4番『不滅』と、最高傑作の呼び声高い第5番という組み合わせです。

【シベリウスに匹敵する20世紀の北欧を代表する交響曲作家ニールセン】
LSO Liveをふくめ、じつに3度の交響曲全集録音を完成させた「シベリウスのエキスパート」デイヴィスが、次なる目標として掲げるニールセン。シベリウスとは同じ1865年生まれで、また、母国が北欧のデンマークということでしばしば比較されるニールセンですが、ともに20世紀を代表する交響曲作家でありながら、それぞれの音楽と手法もまた等しく独特なもの。そのニールセンの交響曲のなかでも、際立って著しい特色を示す作品が第4番と第5番であり、様式上いずれも明確な調性が記されないことに加えて、伝統的定型の4楽章から離れ、第4番が単一楽章構成、第5番が2楽章形式を採用しているのも第3番までとは大きく異なるところです。

【ニールセンの個性がもっとも顕れた交響曲第4番&第5番】
「このタイトルのもと、作曲家はただ音楽だけが最大限に何を表すことができるのかを一語で示そうとした。その答えとは生命の本質的な意志であり、音楽は生命で、そしてそれに似て滅ぼし得ざるものである。」
 折りしも第1次大戦の勃発に揺れる1914年の夏に作曲に着手したことも背景にあるのでしょう。ニールセンは、「滅ぼし得ざるもの」という副題を与えた第4交響曲のテーマを、スコアの冒頭にこのような注記を加えて、エラン・ビタール(進化する生命の躍動)、生きるための消し去り難い意志であると述べています。
 サブタイトルもユニークながら、ニールセン屈指のこの劇的な作品といえば、とくに有名なポイントが2群のティンパニ間で繰り広げられる壮絶なバトル。じっさい、当アルバムでもナイジェル・トーマスとサム・ウォルトンによる白熱のやりとりは大きな聴きどころのひとつとなっています。
 いっぽう、第1次大戦終結してから程無い時期、ニールセンが第5交響曲を手がける頃になると、生命の不滅に対するかれの信頼はおおいにぐらつくことになります。これには彫刻家である妻アンネ・マリー・ブローデルセンとの夫婦関係が危機を迎えていたことも関連しているといわれていますが、ニールセンはルートヴィヒ・ドレリスに宛てた言葉のなかで、第5交響曲を「闇と光の分割、善と悪との戦い」の探究であると述べています。また、ニールセンの専門家でもある作曲家ロバート・シンプソンは第5番を「これは人間の闘争を表している」と述べ、いみじくもサイモン・ラトルが「第4番以上に戦争交響曲にふさわしい」と述べたように、ここでは全篇にわたり軍楽調のスネア・ドラムが効果的に用いられているのが特徴的。
 タンタカタッタタというリズムに導かれて、次第に大きく異様な暗雲が曲全体に立ち込めてゆくかとおもえば、突如、うつくしく抒情的な部分へ転換したりと謎めいて先の読めない第1楽章、いっそうの複雑と混沌を極める第2楽章も、カタルシスを得られるのか得られないのかわからないうちに壮大に終わるところなど、かえってこの作品が並みの解釈を受けつけない高みと独創性を備えた内容であることの証のように思われます。

【ニールセンとLSO】
ニールセンは生涯ただ一度の訪英の折に、デンマーク出身の英国王妃アレクサンドラに謁見していますが、彼女が列席した1923年6月23日のクィーンズ・ホールで、作曲者の指揮により、LSOは歌劇『仮面舞踏会』と劇音楽『アラディン』からそれぞれ数曲、交響詩『パンとシリンクス』、ヴァイオリン協奏曲、そして交響曲第4番を演奏しています。

【LSOによるニールセンの交響曲録音】
LSOによるニールセンのレコーディングで特に注目すべきものが、1973年から1974年にかけてオレ・シュミット[1928−2010]の指揮でUNICORNへおこなわれたステレオ・セッションによる交響曲全集でしょう。コペンハーゲンに生まれたシュミットによる録音は、同郷人の寄せる熱い共感にもとづく内容のゆたかさから1975年のニールセン賞を獲得し、英国におけるニールセンの普及にも大きく貢献した点で重要ですが、今後2011/12年のシーズンまでつづくと伝えられるデイヴィスとのシリーズが完成すれば、LSOにとっては2種目、じつに38年ぶりの全集レコーディングということになります。ちなみに、LSOはほかにも1967年にアンドレ・プレヴィンの指揮で交響曲第1番をセッション録音、1974年にフランソワ・ユイブレシュトの指揮で交響曲第3番をセッション録音しています。

【デイヴィス念願のニールセン・プロジェクト】
「ニールセンは強迫観念にとり憑かれていて、本当に執拗なのです…シベリウスよりはるかにずっと狂気を孕んでいるのです」
 インタビューでニールセンについてこのように述べ、シベリウス同様に長年、ニールセンの音楽を激賞してきたデイヴィスですが、意外にもこれまでほとんどどんな作品も指揮してきませんでした。それだけに、このたびの交響曲全集プロジェクトにかける意気込みも一入といったところでしょう。
 いま、とてつもなくパワフルな最高の手兵LSOを得て、デイヴィスがようやく83歳にして初めて取り組むニールセンのプロジェクト。デイヴィスの熱くひたむきな思いもまたまさに“消しがたきもの”にほかなりません。

【演奏のレビューから】
「ニールセンの音楽は、LSOのために書かれたとおもっていいかもしれません。つまり、オーケストラの強靭なサウンドと自由な精神のテンペラメントは、このシンフォニーにおける名手の要求と本能的なダイナミズムとに適っているからです。デイヴィスもまた、ベートーヴェン流の対立の構図をニールセンの音楽に見出しています。デイヴィスは、シンフォニーのタイトル、“滅ぼし得ざるもの”に値するヴァイタリティで、作品を指揮しました」−フィナンシャル・タイムズ
「(交響曲第5番は)ほとんど聞き取れないものから非常に大きな音まであらゆるダイナミックレンジを示し、広範囲にわたる音色を提示します。オーケストラの各セクションには見せ場が用意されていますが、けれども第1楽章を通してずっと絶え間なく続くスネアドラム・ソロ(ニール・パーシーが勇気と賞賛に値する技術で示した)と、同じく終結部での美しいカデンツァ風のクラリネット・ソロ(アンドルー・マリナーによってみごとに奏でられた)とはおそらくもっとも忘れられない瞬間です。サー・コリン・デイヴィスは、このうえなく献身的な取り組みと興奮のパフォーマンスという点で秀でていました。」−ミュージカルクリティシズム・ドット・コム(キングインターナショナル)

【収録情報】
ニールセン:
・交響曲第4番Op.29, FS76『不滅』 (1914-16)
・交響曲第5番Op.50, FS.97 (1920-22)

 ロンドン交響楽団
 サー・コリン・デイヴィス(指揮)

 録音時期:2010年5月6,9日(第4番)、2009年10月1,4日(第5番)
 録音場所:ロンドン、バービカンホール
 録音方式:DSDレコーディング(ライヴ)
 プロデューサー:ジェイムズ・マリンソン
 エンジニア:ジョナサン・ストークス、ニール・ハッチンソン
 SACD Hybrid
 CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.1 SURROUND

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Comprehensive Evaluation

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これはこれでありだがちょっと早すぎるよう...

投稿日:2011/11/05 (土)

これはこれでありだがちょっと早すぎるように感じた。なにかにせかされている感じで微妙に落ち着かない。特に4番。5番は中々良かったと思う。

ロマン派 さん | 新潟県 | 不明

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一聴、ハイスピードに驚愕させられるが、こ...

投稿日:2011/03/14 (月)

一聴、ハイスピードに驚愕させられるが、これがまたlsoの余裕のある弾きぶりがこの曲の真価に新しい光を与えている。最近でこそベートーベンやブラームスの全集が評価が高いけれども、デイビスはかつて春の祭典の名演もあり、実は現代の作曲家への造詣が深く、複雑なリズムや音の処理も難なくこなしてしまう、もの凄い人なのではないかとの思いをますます強くさせられる。この演奏、御年80歳の指揮ぶりとは思えない快演。たまたま長年使っていたCDプレーヤーが駄目になりSACD対応の機種に変えて聞いて、更に感動が深くなりました。カラヤンが演奏するとなんでもカラヤンの音になってしまうけれども、やはり、デイビスの良さは作曲家に忠実で、総譜に語らしめるところですね。全集が完成することを期待します。80歳を過ぎてチャレンジする意味がひしひしと伝わってきます。

錦糸公園 さん | 東京都 | 不明

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4番を一聴して、ディヴィスはカラヤン盤を...

投稿日:2011/02/08 (火)

4番を一聴して、ディヴィスはカラヤン盤を参考にしているな、と感じました。特に後半(第3・4楽章)に似たフレーズが聞かれます。他のレビューにも書いてありましたが、とにかくテンポが速いです。私もこの曲はいろいろなCD聴きましたが、恐らく一番最速です。ただ聴かせるところはテンポを落したりしてます。ティンパニーの最強打音が凄いです(有名なブロムシュテット&サンフランシスコ響より)。悪い演奏ではありませんが、好き嫌いが分かれる演奏にも思いました。5番も似た感想ですが、フィナーレの濃い演奏は心打たれました。

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