Sym.6: 井上道義 / 新日本.po

世紀に別れを告げた渾身のハンマー！
井上が「マーラーの原点」と語る交響曲第6番がついに登場！

20世紀末を駆け抜けた井上＆新日本フィル、マーラー・ツィクルスのライブ録音シリーズ。待望の第3弾は「最も壮絶で絶望的な大曲」交響曲第6番「悲劇的」の登場です。繊細かつ表情豊かな井上のタクトに導かれ、オーケストラのサウンドは雄弁に語り、時に叫び、渾身のハンマーが告げる「破壊」へと突き進みます。
第1楽章など、陰影の濃い足取りで、全ての場面を赤裸々に描き出します。続くスケルツォの邪悪さは恐らく同曲演奏史上に残る衝撃的な説得力をもって我々を恐怖の坩堝へと落とし込みます。それだけに続くアンダンテが極上の安寧を感じさせます。真に迫るポルタメントは、井上の見せ場であり、この楽章への新たな解答を導き出します。そしてフィナーレ。井上は悪魔に魂を売ってしまったかのような没入を見せます。彼にとっての「悲劇的」は戦場であり、地獄であるかのような、緊張感に貫かれ、オーケストラともどもマーラーの権化となり鬼気迫る演奏となっております。

「･･･たしかに『悲劇的』だけど、あの音楽を聴くと、どんなに地獄のような人生でも最後まで闘う価値があるんじゃないかと思わせる力がある･･･」（音楽の友2000年4月号より）　
こう語った井上の真摯で緻密な読譜はオーケストラの力を存分に引き出し、マーラーの交響曲の中で最も「私小説」色が強いといわれるこの作品の情念と深淵の闇を描ききっています。井上とすでに気心が知れる新日本フィルとのコンビだからこそ実現した激演を、エクストンならではの臨場感溢れる録音でお楽しみ下さい。


マーラー：交響曲第6番「悲劇的」−2CD−

井上道義（指揮）新日本フィルハーモニー交響楽団

録音：2000年3月9日すみだトリフォニーホールにて収録

24bit　レコーディング　　HDCD対応ディスク