CD Import

Das Lied Von Der Erde: C.kleiber / Vso Kmentt C.ludwig

Mahler (1860-1911)

User Review :5.0
(4)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
WS007
Number of Discs
:
1
Format
:
CD
Other
:
Import

Product Description


マーラー:大地の歌
カルロス・クライバー&ウィーン交響楽団
クリスタ・ルートヴィヒ、ヴァルデマール・クメント
1967年6月7日、ウィーン、コンツェルトハウス・ライヴ


昔から有名なライヴ録音が正規音源で登場。といっても古いモノラルの実況録音なので、クオリティはそれなりですが、リマスターを、最近カール・リヒター復刻で話題のホルガー・ジードラーが受け持っていることもあり、コンツェルトハウスでの録音にふさわしい迫力ある音調になっているのは注目されるところでもあります。
 この演奏会は、ウィーン芸術週間のマーラー特集の一環として企画されたもので、バーンスタインやクーベリック、マゼール、マデルナ、プレートル、アバド、ベームといった指揮者たちによって、交響曲全曲と管弦楽伴奏の歌曲が演奏されたという大規模なプロジェクトの一翼をになうものでした。
 当時のクライバーは、オペラを中心に活躍していたとはいえ、まだ知名度が低く商業録音もゼロという状態でしたが、オペラの現場ではすでに評判となっており、その実力を知っていた演出家のオットー・シェンクの薦めで、ウィーン・コンツェルトハウス協会の事務局長ペーター・ヴァイザーが、シュトゥットガルトを訪れて直接クライバーに出演を依頼したという経緯で実現したのがこのコンサートでした。オットー・シェンクさまさまです。
 指揮を引き受けたクライバーは、勉強のため、『大地の歌』のエキスパートで父の友人でもあった指揮者オットー・クレンペラーを訪ねるためチューリヒに向かいます。そこで演奏や歌手の人選についてアドバイスを受け、クレンペラーのお気に入りでもあったテノールのクメントとアルトのルートヴィヒを起用しておこなわれたのがここでの演奏ということになります。
 記録音源レベルの音質のため、ディテールの判断はつきにくいものの、全体の流れを形成する起伏の大きさや各パートの扱いを知ることは可能で、速めのテンポの中にさまざまな情報を詰め込むクライバーの凝縮度の高いスタイルと、情緒志向にならないクレンペラー的な解釈の共存した素晴らしい演奏を味わうことができます。スペシャリスト、ルートヴィヒの歌唱も万全ですし、クメントの力強く野趣に富む歌も作品にふさわしいと言えると思います。

【大地の歌】
壮大壮麗な『千人の交響曲』を完成させたマーラーが次に向かったのは、前作とはまったく異なる「異国趣味」の世界でした。
 きっかけは友人から贈られた一冊の詩集『中国の笛』。これはハンス・ベートゲが、ハンス・ハイルマンによるドイツ語訳『中国叙情詩集』から選んだ詩を編みなおしたドイツ語詩集で、そのハイルマンの『中国叙情詩集』そのものも、フランス語や英語に訳された漢詩が元ネタになっているものもあるという具合でした。
 さらに、ベートゲはそれらの漢詩の一部の「情景」を「人間」に置き換えるなどヨーロッパ的なわかりやすいドラマ性を持ち込んだりし、さらにマーラーはそういった複数の詩をつないでしまったり、最後には自分のテキストを追加したりした結果、元来の包括的な陰陽二元論的世界は、西欧的でシンプルな二元論の世界へと読み替えられ、原詩の世界とは遠くかけ離れてしまった面もあるようです。
 もっとも、当時の欧州で流行をみせていたシノワズリーやジャポニズムといったオリエンタリズムそのものが、概して対象とした文化の表層のみを模倣し、それをヨーロッパ的な嗜好で換骨奪胎したうえで受容し、楽しんでいたものであったことを考えれば、『大地の歌』に取り込まれた「中国の詩」「中国風な詩」「中国風な旋律やリズム」といった諸要素も、様々な「引用」をおこなってきたマーラーにとっては、作品創造のいちプロセスに過ぎなかったのかもしれません。
 しかし、実際のところ、この作品から感じられる東洋・西洋ないまぜになった独特の雰囲気、日常性の中に穏やかな達観が織り込まれたテキストの魅力にはやはり抗いがたいものがあり、マーラーとしてもその魅力をなんとか自身の音楽に盛り込みたかったのではないでしょうか。
 ともかく、この歌曲とも交響曲ともつかないマーラーの『大地の歌』が書かれたとき、まだマーラーは40代であり、メトロポリタン・オペラにも招かれ、翌年にはニューヨーク・フィルの指揮者となることも決まっており、新天地への期待に胸がふくらんでいる時期でもあったのです。(HMV)

【収録情報】
● マーラー:大地の歌 [57:21]
 第1楽章:大地の哀愁に寄せる酒の歌 [08:30]
 第2楽章:秋に寂しき者 [09:02]
 第3楽章:青春について [02:55]
 第4楽章:美について [06:29]
 第5楽章:春に酔える者 [04:07]
 第6楽章:告別 [26:18]

 クリスタ・ルートヴィヒ(アルト)
 ヴァルデマール・クメント(テノール)
 ウィーン交響楽団
 カルロス・クライバー(指揮)

 録音時期:1967年6月7日
 録音場所:ウィーン、ウィーン コンツェルトハウス
 録音方式:モノラル(ライヴ)

Track List   

Customer Reviews

Read all customer reviews

Comprehensive Evaluation

★
★
★
★
★

5.0

★
★
★
★
★
 
3
★
★
★
★
☆
 
1
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
★
30年前にこの演奏のCDを買いましたが、とて...

投稿日:2021/07/24 (土)

30年前にこの演奏のCDを買いましたが、とても残念な音でした。この後も、酷い海賊盤は多数出てきたので、 カルロスのCDは、スタジオ録音にせよ、ライブだろうと、放送音源だろうと、大手のメーカーを、と思っていました。しかし、これは、違います。放送音源をリマスタリングしていて、これまでのものとは、一線を画す出来です。クメント、ルートヴィッヒの歌もさることながら、ホルンのソロが、素晴らしすぎます。高音の抜けの悪さは有りますが、放送音源なので元々レンジが狭いのでしょう。素晴らしい演奏だと思います。

matto さん | 愛知県 | 不明

0
★
★
★
★
☆
このCDが発売された当初から興味はあったも...

投稿日:2017/02/28 (火)

このCDが発売された当初から興味はあったものの、録音状態が不安で購入していなかった。結局クライバーがどうアプローチするのかと、ルートヴィヒが歌っていることから思い切って購入してみた。この演奏、颯爽としている点ではなるほどクライバーっぽいが、ウェーバーの「薔薇の騎士」で魅せたような名演奏とか新発見とかを余りに期待するとちょっとがっかりする(しちゃった)。クメントとルートヴィヒはとても良い。で、商品説明には「コンツェルトハウスでの録音にふさわしい迫力ある音調になっているのは注目されるところでもあります。」とあるが、演奏に物足りなさを感じたのもやはり67年の録音にしてはまことに残念な音質であったためだ。良い感じに鳴る部分も少しはあるが、50年代後半のライナー/シカゴや60年録音のワルターの録音の方が数倍良いよ。演奏はよいとしても、何回も繰り返して聴きたいと思うかなぁ・・・。正直、クライバー好きの私でも星5つは厳しい。クライバーの蒐集家ならば、入手しておきましょう。

爺さん さん | 千葉県 | 不明

1
★
★
★
★
★
カルロスらしい軽みのある独特なマーラーだ...

投稿日:2014/12/31 (水)

カルロスらしい軽みのある独特なマーラーだ。深刻にひたすら人生への決別を歌い上げるのが正統とされる中、どこか鬱々とした世界に光明を求めるかのごときだ。クレンペラーのアドバイスを受けたというが、やはりカルロスはカルロスである。スポーティーともいうべき造形は。その後の多様なマーラー解釈、受容を先取りする存在だともいえる。昔から様々な「非正規盤」で発売されていたライブものだが、ひどいものはAMラジオ放送並みの音質のものもあった。さすがに放送局所蔵のオーソライズされた音源を整えた復刻だけに、十分鑑賞に堪えうるものになったのはありがたい。

eroicka さん | 不明 | 不明

3

Symphonies Items Information

Recommend Items

この商品が登録されてる公開中の欲しい物リスト