Le Lann Top

フランスの貴公子トランペッター、ルランと、フレンチ･ロック･シーンの暴れ者ヤニック･トップの爆裂アルバム。ヤニック･トップといえば、数々のフレンチ･ポップ･ヴォーカリストのバックを努めていることはもちろんのことながら、なんと言ってもそのインパクトは、1970年代の結成最初期Magmaからのもの！実際、Magmaといえば、ジョン･コルトレーンの影響大で、その面々はジャズ･ミュージシャンとの共演も多いという事実から考えると、こうした組み合わせも必然だったかと思えますが、音は、正に、エレクトリック･マイルス！強力！です。空間をスパーンと切る出だしのトランペットは、You're under arrest のTime after Time を彷彿とさせ、スリリングで、ミステリアス、劇的展開を見せるコンポーズも80 年代のマイルス。ヤニック･トップはダリル･ジョーンズのごとし？(ヤニック･トップとダリル･ジョーンズは、その音楽的経歴･傾向からも少しかぶる気もする)。ジョンスコの姿も見え隠れ。現在は、ジャン･ミッシェル･ピルク、ライオネル･ベルモンド、そしてリチャード･ボナといった面々とライブもやっているルランが、自らのアイドルであるマイルス･サウンドをロック･アーティストと実現させた注目作。全て2 人の共作による曲というところも興味深いです。

メンバー：Eric Le Lann(tp), Jannick Top(b), Damien schmitt(ds,per), Lionel Loueke(g, g).
Jean-Marie Ecay(g,M-1.6), Oliver Hutman(key-M6), Fabien Colella(key, computing),
Bruno Ribera(sax,fl M-1.5), Christophe Negre(sax M-1,5), Thomas Faure(sax, M-1,5)