とにかく懐かしい！ とにかく嬉しい！ あの頃はよかったと思えるよき時代． 帰れるはずもないし， 今さら帰れもしないが， 涙が出るほどいい時代だった． 我らが最大最高のアイドルクレージー，植木等よ永遠なれ！！！

傑作揃いの東宝クレージー映画の中でも、この映画を推しに挙げる人が少ないので、１つよろしいですか？ 人相、国籍、年令、全て不明の大怪盗ジバコをクレージーキャッツのメンバーが７人１役で演ずる面白さと、ジバコの変装に全ての人が翻弄されていく姿は、今、見ても、リアリティーを感じると思うのですがねぇ。 ライナーノートにはリメイク版の制作に期待する旨のコメントが書かれていたけど、正直、それは勘弁してほしいです。 玩具のピストルを渡そうとした鈴木二郎刑事に、ジバコが｢日本人は正直で親切だって聞いていたけど、本当だねぇ｣と言ってくれたけど、今の日本の姿を見たら同じ事を言ってくれるのかどうか、自信がないですねぇ。 以上、長文失礼しました。

例によって陽気に賑やかに終わっているけど、ハッピーエンドじゃない。主人公たちはいろんなものを手放し、失い、どんどん追い詰められていく。ドタバタ喜劇の裏のあるのは実は無情さや悲壮感で、喜劇だからリアルには描かないけど、最後にはカタストロフも用意されている。シリーズ中で本作がもっとも見たかったのは、たぶんそれがずっと気になっていたからだろう。松岡きっこが意外とかわいい。