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ジョン・ケ-ジ小鳥たちのために

Cage, John (1912-1992)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784791750825
ISBN 10 : 4791750829
Format
Books
Publisher
Release Date
April/1982
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • まふ

    あたかも尋問のように懸命に聞き込もうとするダニエルに対してケージがさらりと受け答えするその「空気感」がとてもいい。彼の師シェーンベルクの音楽が時間に捉われて終止形を必然とする「旧来の構造」であるのに失望してその構造を捨てた、といういわば「無構造の音楽」「生成の音楽」がケージの行きつくところであった。騒音と楽音の区別はなく、おそらく「作品として切り取る」ことさえも本来は無意味なのであろう。鈴木大拙の教え、荘子・易経を音楽に生かそうとするケージの音楽は人間本来の自然そのものに帰して行く…。まさに座右の書だ。

  • Ecriture

    トナリティ(調性)、カデンツ(終止形)、ソルフェージュによって音を抑圧してきた音楽に疑問を持ち、サイレンスや騒音を含む音の拡充を図る。35~37年の「無一文」期、楽器を借りる金を工面できなかったことから楽器外の音を否応なしに取り込んだ経緯が興味深い。金があれば普通に楽器を使っていたと本人が言っている。ウォーホルと同じ泥をケージも持っている。政治・支配の不在を示すというアナーキズムはやはり今になってみると苦しい。森の茸のように新鮮であり続けるサティと革命の祖としてのソローへの偏愛は相当に深いもののようだ。

  • しゅん

    再読。支障となるシェーンベルグとの出会いまでに、後で彼を紹介する作曲家に会うために12時間待ち続ける気合いエピソードがあったり、細部が楽しく読めるインタビュー集(?)。ケージの徹底した上演主義者、つまりアウラ主義者ぶりが見え隠れ。故に家具の音楽のサティとはかなり違う思想を持っているわけだけど、ケージはサティのことを最大限に尊敬していてるんだよな。そのねじれた関係性がおもしろい。ジョイスへのリスペクトも半端ないな。

  • roughfractus02

    Cageを一般名に変換すれば鳥籠になる。この隙間だらけの空間は、幾何学的な著者の音楽を示唆する(彼の図譜集を参照)。本書ではピアノの弦にボルトを挟んで調性を破壊したり、演奏者をピアノの前に座らせて観客自身の音を聴かせたという話は、楽器が買えないから音自身に興味を持ったという話と同様単なるエピソードとなる。重要なのは、ここでは音が時間に従わず、空間化する点だ。本書では、時折アナーキーと呼ばれる制約の少ない自由なトポロジーによってCage状トーラスが作られる。小鳥たち=読者はその隙間の外へ飛ぶように誘われる。

  • 肉欲棒太郎

    鈴木大拙の禅、ソローのアナーキズム、フラーの非政治主義、マクルーハン、テクノロジー礼賛などが渾然一体となったジョン・ケージの思想がうかがえた。ジャズよりもロックを評価してるのは興味深い。「かつて音楽は、まず人々のーー特に作曲家の頭の中に存在すると考えられていた。音楽を書けば、聴覚を通して知覚される以前にそれを聞くことができると考えられていたんです。私は反対に、音が発せられる以前にはなにも聞こえないと考えています。」

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