Symphony No, 5, -Original Concept Version based Handwriting score : Akira Naito / Tokyo New　City Orchestra

世界初の試み！　自筆譜から復元された第五交響曲原初稿
今までのイメージを払拭する、斬新かつ意欲的な演奏も注目
もちろん、世界初演そして世界初録音！

ブルックナーの第五交響曲は、全集版では一つの形態しか出版されておらず改訂の問題はないと一般には信じられてきましたが、実際にはブルックナーの執念のような自作修正の過程で第1稿、第2稿と呼べるものが存在していたのです。第1稿は1876年、第2稿は1878年に完成されましたが、他の曲と違ってこの曲には第1稿に関する資料はほとんど残されていません。しかし、オーストリア国立図書館音楽部門所蔵の唯一の完全な自筆稿Mus.Hs.19.477にはスケルツォとフィナーレにはおびただしい修正の跡が見られ、完成の日付もスケルツォ:1875年4月、トリオ:1875年6月、フィナーレ:1875年11月などとなっているため、第1稿の原稿がそのまま第2稿に流用されたことが分かります。これらの修正を可能な限り元に戻すことによって第1稿に近いものを復元できるのではないかとの試みが、このCDで演奏されるOriginal Concepts（原初稿）なのです。
　全曲を通して細かい相違点はいろいろありますが、一番大きく違うのは、最終段階で追加されたバス・チューバの不在でしょう。この楽器のあるなしで雰囲気ががらっと変わるほどです。演奏上の顕著な違いは第2楽章での拍子とテンポの扱い方です。またブルックナーの時代の演奏法を採用し、今風のヴィブラートをかけたものではなく、ヴィブラートをかけないピリオド奏法で演奏されているのも興味深いところです。（デルタ　エンタテインメント）

【収録情報】
・ブルックナー：交響曲第5番変ロ長調〜オリジナル・コンセプト版〜
（オーストリア国立図書館音楽部門所蔵の唯一の完全な自筆稿に基づいたオリジナル・コンセプトへの復元版）
　東京ニューシティ管弦楽団
　内藤彰（指揮）

　収録時期：2008年11月17日
　収録場所：東京オペラシティ・コンサートホール
　収録方式：デジタル（ライヴ）