Ein Deutsches Requiem : Raphael Pichon / Pygmalion, Sabine Devieilhe, Stephane Degout

透明感のある繊細な響き、絶美の管弦楽
ピションのドイツ・レクィエム。作品のもつ普遍性を超越した超絶名演

今やヨーロッパでも最もチケットのとりにくいアーティストとも言われるピション＆ピグマリオン。毎回のリリースのたびに内容、水準とも世界を驚かせる演奏を展開しております。このところはモンテヴェルディやバッハときておりましたが、ここでブラームスのドイツ・レクィエムの登場です。冒頭の弦楽による前奏からただならぬ美しさの響きにおどろかされ、続くきわめて繊細な合唱の入りに、作品に引きずり込まれます。
　ブラームスのドイツ・レクィエムは「苦悩する者たちへの慰め」。最後の審判の壮大で圧倒的なビジョンに基づく死者のためのレクィエムとは異なっています。ブラームスがこのレクィエムに着手したのは24歳頃のこと。以降ほぼ10年間、この作品に取り組み続けることになります。ブラームスはこの作品において、テキストの選定にも細心の注意を払いつつ、宗教のメッセージの伝達者の役割を担っているわけではありません。むしろブラームスは、本質的に孤独な個人としての立場で作品を仕上げています。1867年10月9日に指揮者カール・ラインターラー宛ての書簡でブラームスは「タイトルに関しては、正直に言うと、『ドイツ』という言葉ではなく、『人間』とだけ書きたいものです」。と述べています。
　壮大な管弦楽と合唱をもつ編成をとっていますが、ピション率いるピグマリオンにかかると、たとえばピアノ・ソロ作品のきわめて親密な瞬間に感じられるような、慈しむ感情や震えるような繊細な美しさが花開いています。

※日本語解説・歌詞訳と帯が付属した、国内限定仕様での発売です。（輸入元情報）

【収録情報】
● ブラームス：ドイツ・レクィエム Op.45

　I. Selig sind, die da Leid tragen (Chorus) 10:44
　II. Denn alles Fleisch, es ist wie Gras (Chorus) 13:34
　III. Herr, lehre doch mich, das ein Ende mit mir haben mus (Baritone and Chorus) 8:52
　IV. Wie lieblich sind deine Wohnungen, Herr Zebaoth (Chorus) 4:57
　V. Ihr habt nun Traurigkeit (Soprano and Chorus) 6:45
　VI. Denn wir haben hie keine bleibende Statt (Baritone and Chorus) 10:18
　VII. Selig sind die Toten, die in dem Herrn sterben (Chorus) 9:54

　ザビーヌ・ドゥヴィエル（ソプラノ）
　ステファヌ・ドゥグー（バリトン）
　ピグマリオン（合唱、管弦楽）
　ラファエル・ピション（指揮）

　録音時期：2024年12月
　録音場所：フィラルモニ・ド・パリ、グランデ・サル・ピエール・ブーレーズ
　録音方式：ステレオ（デジタル）