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  • 豊臣秀吉の遺児、豊臣秀頼は歴史上有名な存在でありな...

    Posted Date:2014/10/09

    豊臣秀吉の遺児、豊臣秀頼は歴史上有名な存在でありながらその実像はほとんど知られていない。大坂冬の陣・夏の陣において為すすべなく敗れ、自害に追い込まれた惰弱な凡君というイメージが広く流布してきた。またその生母淀殿も淫乱かつ愚かな悪女とされてきた。これらのイメージは勝者である徳川幕府のプロパガンダによるものであることは言うまでもない。本書はそうした秀頼と淀殿の負のイメージを取り払い、より正確な実像に迫ることを目的とした評伝である。  秀頼はその出生から負のイメージが付きまとっていた。小柄で風采のあがらなかった秀吉に比べ、秀頼は身長197cmという堂々たる体格の偉丈夫であった。このため、秀頼は秀吉の実子ではなく、淀殿と別の男との不倫によって生まれた子だと噂されてきた。しかし著者福田氏は同時代の資料を徹底的に調べ上げ、この噂を否定する。秀頼は豊臣家の世継ぎとして大変大事にされ重んじられたことを実証していく。また、生母淀殿は単なる側室の一人ではなく、北政所と並ぶもう一人の正室であったことも明らかにしていく。淀殿のことを「淀君」と侮蔑的な名で呼び、側室扱いしたのは江戸時代になってからの資料によるものだが、もちろんそこには徳川幕府の意向があったことはいうまでもない。なお、秀頼の体格については母方からの遺伝、ということで説明がつく。祖父浅井長政・祖母お市の方・生母淀殿、いずれも当時としては希に見る長身であった。  秀吉死後、関ヶ原の戦いを経て天下の主導権は家康へと移っていく。豊臣家は大坂一帯を治めるだけの一大名に転落した、というのがこれまでの常識であった。しかし秀頼は右大臣という高位に上ってゆき、関白任官まで窺うまでになっていた。豊臣家は依然として天下人としての家格を保っており、秀頼は成長するにつれ天下人への地歩を固めていたと福田氏は指摘する。そして有名な二条城での秀頼と家康の対面。これは単なるセレモニー的な対面ではなく、老いた天下人家康と、若き天下人候補秀頼との火花散る激しい対決であった。ここで秀頼は堂々たる態度で家康に対応し、天下人候補に相応しい大器の片鱗を見せる。しかし福田氏はそれこそが秀頼の命取りになったとみる。家康は秀頼を「賢き人なり」と評したが、それは警戒の言葉であった。家康は豊臣家を完全に滅亡させる決意を固め、権謀術数の限りを尽して秀頼を追い詰めていき、ついにその総仕上げとして大坂冬の陣・夏の陣で攻撃を仕掛け、豊臣家を滅亡へと追い込んでゆく。一歩も前線に出ず大坂城に閉じこもっていたとされていた秀頼だが、冬の陣では自ら出馬して前線の士気を鼓舞し、夏の陣でも前線に出ていたという。豊臣家の敗因は秀頼や淀殿というより、重臣間の意思決定の分裂、特に大野治長の無能によるところが大きいようだ。また、淀殿が豊臣家内部において大きな発言力を持っていたのは確かだが、必ずしも絶対的な存在ではなかったらしく、淀殿に公然と反抗する重臣もいたという。最終決戦の日に秀頼が出馬を断念したのも淀殿の反対によるものではなく、出馬するタイミングを失ったこと、徳川方の流した偽情報によって妨害されたのが原因だった。  結局大坂城は落城し、秀頼や淀殿らは自害する。しかし秀頼の首は見つからず、秀頼生存説が生まれるきっかけともなった。秀頼の首と見られる頭蓋骨が発見されたのは死後365年経た1980年のことで、大変大事に埋葬されていたという。これもまた秀頼という人物の何事かを伝えるエピソードであろう。なお、表紙に掲載されているのは秀頼が真田幸村に与えた掛け軸に描かれていた秀頼の肖像画で、生前の秀頼の風貌を伝える貴重な肖像画である。

    金山寺味噌 .

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