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小説琉球処分 下

大城立裕

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062767705
ISBN 10 : 4062767708
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2010
Japan

Product Description

単行本出版から42年後、異例の文庫化!
菅直人首相の首相就任記者会見での発言で話題の本。


沖縄問題はすべてここから始まった。今だからこそ、圧倒的リアリティーをもって読める日本政府と琉球王国の話。

処分官として派遣された松田道之が琉球に突きつけたのは、尚泰(しょうたい)王の上京、清国への朝貢禁止、明治年号の強制など独立どころか藩としての体裁をも奪うものであった。琉球内部でも立場により意見が分かれ……。「世界で軍隊をいちばんきらうという琉球」がどう対処するのか。小説で沖縄問題の根源に迫る不朽の名作。

<沖縄の人々の間に、かつて自らの国家であった琉球王国が存在し、それがヤマト(沖縄以外の日本)によって、力によって滅ぼされたという記憶がよみがえってくる。そうなると日本の国家統合が内側から崩れだす。この過程が始まっていることに気づいている東京の政治エリートがほとんどいないことが、現下日本の悲劇である。いまわれわれが直面している危機を認識するために、本書がひとりでも多くの人の手に取られることを望む。>――佐藤優 解説より

Content Description

処分官として派遣された松田道之が琉球に突きつけたのは、尚泰王の上京、清国への朝貢禁止、明治年号の強制など独立どころか藩としての体裁をも奪うものであった。琉球内部でも立場により意見が分かれ…。「世界で軍隊をいちばんきらうという琉球」がどう対処するのか。小説で沖縄問題の根源に迫る不朽の名作。

【著者紹介】
大城立裕 : 1925年沖縄県中頭部中城村生まれ。沖縄県立二中を卒業後、上海の東亜同文書院大学予科に入学。敗戦で大学閉鎖のため、学部中退。’47年琉球列島米穀生産土地開拓庁に就職。’48年野嵩(現普天間)高校教師に転職し文学と演劇の指導にあたる。’49年「老翁記」で小説デビュー。’59年「小説琉球処分」連載開始。’67年「カクテル・パーティー」で芥川賞受賞。また沖縄史料編集所所長、沖縄県立博物館館長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ヴェネツィア

    本書の最初の出版は1968年。すなわち沖縄返還(1972年)以前である。そもそも沖縄が戦後もアメリカの信託統治下に置かれたのはサンフランシスコ講和条約第3条に基づくものであり、(合衆国は)「行政、立法及び司法上の権力の全部及び一部を行使する権利を有する」というものであった。大城の本書執筆の強い動機は、沖縄の本土への復帰を強く希求しつつ、同時にそうした沖縄(琉球)の置かれた歴史を正視することにあっただろう。沖縄の現在は、琉球国が日本に併合された明治初期から本質的に変わってはいないのではないか。⇒

  • まーくん

    清国と薩摩藩に両属の琉球王国を解体、日本の版図に組込むべく、1872年(明治5年)琉球藩設置から8年に及ぶ長き談判。政府側の説得と琉球側の嘆願・回答引延しの繰り返し。とうとう’79年、軍事圧力のもと、首里城明け渡し、尚泰王上京、沖縄県設置により”琉球処分”は完了する。小説は琉球処分官松田道之の伊藤博文内務卿宛て報告書をもとに、処分の経緯を政府側と琉球王府の支配層とその子弟の揺れ動く心を中心に、双方の立場を驚くほど冷静・公平な目で描く。が、”小説”を読んでいても、絶えず今の沖縄と本土の関係が頭を離れない。

  • hiro

    佐藤優氏の本でこの小説を知った。もちろん読む前から、読了後に感動するとか、さわやかになるという類の本ではなく、日本史の中の「琉球処分」を小説を通して学ぶためと思って読んだ。上下巻で約1000ページの本だが、あまり長さを感じずに読むことができた。清と島津との両属政治、島津の圧制、琉球の農民への圧政、無能な王、世界の情勢を知らず相手をイライラせせる粘りだけの交渉、開化党と頑固党の内部対立、ヤマト商人の横暴、日本政府の‘処分’の進行等、当時の琉球の実態を知ることができた。沖縄を知るために是非読むべき本だと思う。

  • kawa

    中国からはあっても日本からの恩はほとんどないと考え、純情らしく、老獪らしく、あるいは詭弁だらけの理屈、泣きまね、子供だましの嘆願を繰り返す琉球の支配者階級の人々。その上、頑固党(現状維持派)と開化党(日本従属肯定派)の厳しい内部対立。琉球処分官・松田道之はこれらに根気良く対応するが、最後は強権を発動した。琉球藩から沖縄県まで、実に7年の歳月の歴史ドラマ。あえて本書に不足を述べるならば、士族に搾取されていた庶民の実態が垣間見れないことだろう。(コメントへ)

  • Willie the Wildcat

    『至誠一貫』が脳裏に浮かぶ。単純比較はできないが、遺した市民の「心の傷」が差異であり、計り知れない。現在の基地問題との”苦渋”の共通点が、多々浮かぶ。親類家族、友人・知人関係の分裂。国民の義務と責任を問い、地方文化と生活向上を手玉に・・・。時勢だけで片付けるのは論外。一方、仲良など、次世代の台頭による新陳代謝が、何時の時代も救い。(格言に敢えて逆らうが)繰り返してはいけない歴史もあり、そのための人類の英知のはずではなかろうか・・・。もどかしさを感じざるを得ない

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