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殉教者 講談社文庫

加賀乙彦

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065211182
ISBN 10 : 4065211182
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2020
Japan

Content Description

キリシタン弾圧の嵐が吹き荒れる江戸時代初期。信仰と志を胸に、ペトロ岐部カスイは密かに長崎の港を後にした。目指すは、聖地エルサレム。時に水夫として海を越え、時に駱駝曳きとして砂漠を進む。五年かけて辿り着いたローマで司祭となると、岐部は再び日本へと旅立ち―。構想三十年、魂の傑作長編!

【著者紹介】
加賀乙彦 : 1929年東京都生まれ。東京大学医学部卒業後、精神科医として勤務のかたわら、小説の執筆を始める。67年に刊行した『フランドルの冬』が翌年、芸術選奨新人賞を受賞。73年には『帰らざる夏』で谷崎潤一郎賞、79年には『宣告』で日本文学大賞、86年に『湿原』で大佛次郎賞、98年には自伝的長編『永遠の都』で芸術選奨文部大臣賞を受賞した。著書多数。2012年に『永遠の都』の続編にあたる自伝的大河小説『雲の都』の第四部『幸福の森』、第五部『鎮魂の海』を刊行し、ついに完結、毎日出版文化賞特別賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 佐々陽太朗(K.Tsubota)

    私が参加している月イチの読書会の課題図書として読んだ。宗教嫌いの私が本書を読んでもあまり胸に迫るものはない。むしろペトロ岐部カスイは聖地エルサレムへの旅の途中で、エスパニア人によるフィリピン諸島植民地化などを目の当たりにしながら己が信教に何らの疑いを挟むことが無かったことにいらだちを感じる。この盲信ぶりが宗教の怖ろしいところであり、キリスト教に限らずあらゆる宗教が内包する危険性だと改めて確信するのである。しかし狭量を避け、自分とは異質の考えをも見聞するという意味で良い勉強になった。

  • Francis

    加賀乙彦さんの本は「高山右近」についでに冊目。ペトロ岐部カスイは今日本の教会で彼の列聖を願う祈りがあるくらい有名だが、実際にはその生涯を良く知らないので読んでみた。加賀先生、よくここまでペトロの生涯に肉薄することが出来たと思う。最後の方で遠藤周作さんの「沈黙」に出てくる転びバテレンフェレイラが逃げ出す光景は痛快。遠藤さんに代わって禁教政策を取った江戸幕府を批判したのかな。

  • Midori Nozawa

    病院の待合室で半分以上読むことができました。市の無料がん検診なのですが、約3時間かかりました。さて本書は殉教者を丹念に書いていることに感心しました。神父を送り込んだポルトガルや教皇庁のあるローマに、徳川政府のキリシタン迫害の様子が逐一文書で送られていることも驚きます。今と違って帆船での往来ですのに。ネットも電話も無い時代ですから。自分が犠牲になって十字架刑となり、信者たちの命を助けた人の遺体の中指がローマの教皇庁に届けられました。イエスの生き方を真にお手本とした人達の尊い姿を知ることができました。

  • Miyako Hongo

    構想三十年と帯にあったので購入。読みかけの星夜航行と時代が被る。戦国末にエルサレムまで巡礼し、ローマを回り、殉死するために日本に帰ってきた殉教者の話。史実から主人公の心理を類推するとこんな感じだったんだろう、という小説家の妄想だが、ここに至る取材の執念を思うとなるほど30年だわなと納得できる。己の意思に殉じてあえて獣道を突っ走る人間は好物。

  • じゃぶ

    「天路の旅人」の読後、コメント欄でキリシタン弾圧から逃れ、ローマまで旅した人物がいると知り、この本にたどり着く。丁度、加賀氏逝去の報もあり読み始めた。ペトロ岐部カスイの信仰の強さもさることながら、加賀氏の信仰の強さを感じる一冊だった。

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