大賞受賞作品の第１巻です。 あらすじの時代設定に、「昭和〜」等と書かれておりますが、基本はメカ（凄まじい性能）による戦闘で、古めかしい感じではありません。 文体はやや古風です。 そこまで小難しいわけではなく、文章力もあるので、普通にスラスラ読み進めれるかな、と。 また、意外と日常シーンやコミカルシーンが多いです。 タイトル、作品紹介文、表紙を見るとかなり硬派そうなので、この点は驚きました。 萌えやお色気はほぼありません。 ヒーロー、ヒロイン共に純粋且つ鈍感で、初々しい絡みです。 その為、この巻では「恋」と呼ぶには程遠く、まだまだ絆を深めるくらいの進行です。 ２巻もそのような感じでした、甘酸っぱいシーンはありますが。 審査員の方が戦闘描写を高評価していただけあって、バトルはなかなかのものでした。 特にラスト。 手に汗握る文章で、グイグイ引っ張ってくれました。 大迫力です。 終わり方も非常に綺麗で好感が持てました。 しこりがなく、とても爽やかな最後です。 嫌味のあるキャラもいないので、素直に「良かったね〜」とホッとしました。 ☆-１は、展開が読めてしまうこと。 良く言えば無理なくまとまって安定感がある、悪く言えば意外性がない。 序盤で先のシナリオが殆ど想像できます。 それでも最後まで読めたのは、文章力があったから、キャラに好感が持てたから、でしょうか。 無表情無感情ヒーローの成長や、可愛らしいヒロインとの絡み。 ここは純粋に応援したくなる要素かと。 「買って損したー！」とはならないと思いますので、一読してみては如何でしょうか？