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Sym, 3, : Boulez / Vpo Von Otter Wiener Sangerknaben

Mahler (1860-1911)

User Review :4.5

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
4740382
Number of Discs
:
2
Format
:
CD

Product Description

ギネス級巨大交響曲の豪華メンバーによる緻密演奏!
ブーレーズ&ウィーン・フィル/マーラー交響曲第3番

2001年2月デジタル録音。複雑で膨大な構造を持つこの作品、解析能力抜群のブーレーズにはぴったりとも言えますが、驚くのは、四半世紀以上前のBBCでの全曲サイクルでの演奏と、所要時間が酷似している点。
 ほかの作品、たとえば第5番などでは、解釈の変化ゆえの大きなラップタイム変遷をみせたりもしたブーレーズですが、この作品ではすでに以前から方針が固まっていたということでしょうか。
 第1楽章冒頭から自信に満ちた演奏が聴かれますが、その緻密な造形構築と美しいテクスチュアはさすが。トロンボーン独奏ブロックでも伴奏音型は決してないがしろにされず、膨大な音が錯綜する展開部後半の山場へと緊密につながってゆきます。小太鼓に導かれる再現部では再び堅牢な構築美を示しますが、トロンボーン独奏ブロックでの他の声部の扱いのうまさ、結果としての叙情の深まりも見事。
 強大なエネルギーを放射するコーダ大詰めでもその重層的な音響構築が崩れることは決してなく、ブーレーズの統率の見事さ、ウィーン・フィルの演奏能力の確かさを賞賛せずにはいられません。
 一方でニーチェの言葉が用いられる第4楽章では、オッターが優しい心情を込めた歌いくちによって、警句的ニュアンス一辺倒ではない独特の美感を示すことに成功しています。中間部における憧れに満ちたオーケストラの美しい音色もウィーン・フィルならでは。
 録音も優秀で、第6楽章コーダの迫力など凄まじいものがありますし、第5楽章での少年合唱、女声合唱、メゾ独唱にオーケストラという各パートが織り成すテクスチュアも、適切なパースペクティヴのもとに再現。第3楽章の舞台裏ポストホルン(首席トランペットのシューによる見事な吹奏!)のノスタルジックな美音も印象的です。

【収録情報】
・マーラー:交響曲第3番ニ短調
 アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(第4&5楽章、メゾソプラノ・ソロ)
 ウィーン少年合唱団(第5楽章)
 ウィーン楽友協会女声コーラス(第5楽章)
 ハンス・ペーター・シュー(第3楽章、ポストホルン・ソロ)
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 ピエール・ブーレーズ(指揮)

【参考時間】
33:34 9:27 16:38 9:17 4:05 22:22 T.95:22(2001 VPO)
33:40 9:39 16:22 9:20 4:12 22:20 T.95:23(1974 BBCso)

Track List   

クラシック曲目

  • Gustav Mahler (1860 - 1911)
    Symphony no 3 in D minor
    Performer :
    von Otter, Anne Sofie (Mezzo Soprano)
    Conductor :
    Boulez, Pierre, Boulez, Pierre, Boulez, Pierre
    Ensemble  :
    Vienna Philharmonic Orchestra, Vienna Singverein Women's Chorus, Vienna Boys' Choir
    • Period : Romantic
    • Style : Symphony
    • Composed in : 1893-1896, Hamburg, Germany
    • Language : German
    • Time : 95:23
    • Recorded on : 02/2001, Great Hall, Musikverein, Vienna, Austria [Studio]

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Comprehensive Evaluation

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細かい細部まで神経の行き届いた演奏である...

投稿日:2014/05/19 (月)

細かい細部まで神経の行き届いた演奏であるにもかかわらず、神経質系なピリピリした気持ちは感じられず 聴きやすい。しかし、「あるがままの自然を音楽として描写したらこんな感じになりますよ…」と言いたげなほど聴者を意識していない演奏であり、良くも悪くも、楽しむためのエンターテインメントとしての音楽演奏としては、かなり物足らないように思える。例えば終楽章終わり近くのディンドンディンドンと打ち鳴らされるティンパニーが、これほど感情を伴わない音で聴こえた例を僕は体験したことがない。同じマーラーであっても、5番以降の「ネジれたマーラー」を表現するなら「面白い解釈」と評せるかもしれないが、予定調和的な世界観が魅力の同曲=第3番におけるこの解釈は、個人的には残念ながらイチオシには難しい。

ヒューブーン さん | 静岡県 | 不明

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たしかにこの演奏の成功はウィーンフィルの...

投稿日:2013/05/17 (金)

たしかにこの演奏の成功はウィーンフィルの力量によるところが大きいと感じる。シカゴやクリーヴランドで同じように振っても、これほどに「表現は可能な限り抑制されてはいるが、聴けば聴くほど味のある音楽」は生まれなかっただろう。「もっと鳴らせる、もっと歌える、もっと揺さぶれる」楽団だからこそ、あえてそれをせずイン・テンポでここまで弟楽章を盛り上げることができたのだろう。途中、指摘されなければ絶対に分からない編集ミスがある(それを聴きとれる人の耳に感心する)が、雑音が入るわけではないのでご安心いただきたい。

ニャンコ先生 さん | Tochigi | 不明

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「マーラー解釈の新たな境地に挑戦している...

投稿日:2011/10/03 (月)

「マーラー解釈の新たな境地に挑戦している」 このキャッチフレーズがこの一連のマーラー演奏に対するブーレーズのスタンスであろう。 確かに80年代から90年代のブーム時に録音されたマーラーはどれも陰鬱でこってり感を競うかのような演奏が多く、いささかの辟易感があったことも確かである。 私はBoulez & VPOの組合せでは、この演奏が一番良いのではないかと思っている。 しかし、マーラーは難しい、、、

klemperer fan さん | 北海道 | 不明

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