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ベルリン1945 はじめての春 下 岩波少年文庫

クラウス・コルドン

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784001146264
ISBN 10 : 4001146266
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ナチの支配が終わり、ソ連軍の占領がはじまった。生きのびた人びとは人生を立て直そうとするが、街にも人の心にも深い傷が残され…。敗戦とその後の混乱を12歳のエンネの目線でつづり、それぞれの人生の変転を描く。3部作完結編。中学以上。

【著者紹介】
クラウス・コルドン : 1943‐。ドイツの作家。ベルリン生まれ。東西ドイツの分裂後は、旧東ドイツの東ベルリンに育つ。さまざまな職業を経たのち、貿易商社につとめ、インド、インドネシア、北アフリカを訪れる。1972年、西側への逃亡に失敗し、1年間拘留される。独居房での5か月を、頭のなかで小説を書くことで生きのびたという。西ドイツ政府によって73年に釈放されると、その後、西ベルリンに移住した。1977年にインドネシアを舞台とする『タダキ』でデビュー。評伝『ケストナー ナチスに抵抗し続けた作家』でドイツ児童文学賞受賞。『ベルリン1933 壁を背にして』で、銀の石筆賞受賞

酒寄進一 : 1958年生まれ。翻訳家。和光大学教授。上智大学を卒業後、ケルン大学、ミュンスター大学に学ぶ。ドイツの児童文学やファンタジー、ミステリなど幅広い作品の紹介を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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クラウス・コルドンのドイツ革命下のベルリ...

投稿日:2021/04/25 (日)

クラウス・コルドンのドイツ革命下のベルリン1919、ナチス支配下のベルリン1933と第二次世界大戦後のこのベルリン1945がベルリン3部作といわれている。コルドンは東ドイツから西ドイツへの移住者であるが、社会主義への共感は深いものがある。

西口まる さん | 大阪府 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • みつ

    上巻の終わりの明るい描写から一転し、瓦礫と化したベルリンに戻ってきた人々も含めた感情のぶつかり合いが語られていく。ナチス協力者が生き延びようと足掻く一方、ナチスに抵抗してきた人々も解放軍とは到底言えない、別の独裁軍事国家ソ連の実情を知る。それでも家族の中に新しい結びつきが生まれ、希望に満ちた形で三部作は完結するが、エピローグにもあるようにソ連への幻滅は深まり、東西分断によるベルリン市民の苦難はさらに続く。1989年のベルリンの壁崩壊をエンネは見ることはできたのだろうか。ドイツ敗戦から80年を迎える日読了。

  • ケイトKATE

    やがて、ヒトラーの死によって第三帝国が崩壊したことで、ヘレは解放されゲープハルト家に帰ってくるが、ドイツが犯した罪と責任を巡る論争が起き、エンネをはじめゲープハルト家の人々には重い空気が漂う。それでも、ゲープハルト家の人々は微かながらも希望を探そうと前を向こうとして物語は終わる。『ベルリン三部作』は激動のドイツ史を市井の人々であるゲープハルト家の人々の目線から見た物語である。ゲープハルト家の人々が生きた時代は非常に過酷なものであるが、著者クラウス・コルドンは真正面から向き合って物語を書いている。

  • ぐみべあ

    第二次大戦終盤のベルリン。ソ連の占領により、戦争の終結を喜ぶと同時に、掠奪に怯える市民。正義とはなにか。その時権力の座に座ったものが「正義」なのか。平和と自由を得る手段としての暴力は許容すべきか。暴力以外の方法で戦うことは可能なのか。国民の生活を豊かにする自由で平和な国家はどうすれば作れるのか。民主主義国家において独裁者の台頭を許さないにはどうすればよいのか。など、多くの重要な問いを投げかけてくれる本。 ノンフィクションにはできない方法で、フィクションは歴史を伝えられると感じた。

  • しゃん

    『ベルリン』転換期3部作を読み終えた。全く異なるジャンルではあるが、『夜と霧』を読み終えたときと同じ読後感。個人や家族が政治や思想といった抽象に飲み込まれ、翻弄されていく様が苦しい。特に、この1945はこれまでの登場人物の悲しい結末が語られる。ナチスの支配が終わっても、多くの市民に解放が訪れたわけではなく、救いのない話が続く。つらい部分が多かったが、最後いくつか未来への希望が見えてきて、人間の逞しさを感じた。特に印象に残ったフレーズは「本のない住まいなんて、笑いも夢もない人と同じよ」というミーツェの言葉。

  • かもすぱ

    ベルリン転換期三部作完結。長い戦争が終わって、占領下での新しい生活。父ヘレも無事収容所から帰ってくるものの、物心着く前に離れていた娘エンネとの親子らしい関係はイチからのスタート。戦争が終わったからいいというものではなくて、戦争があったという爪痕は深い。もちろん晴れやかなシーンもあって清々しいんだけど、このあとドイツもベルリンも東西に別れてしまうという歴史を知っているだけに、読者の気持ちには影が差してしまう。コルドン作品には別の時代のベルリン三部作があと2つもあって合わせて九部作だとは恐れ入ります...。

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