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ベルリン1945 はじめての春 上 岩波少年文庫

クラウス・コルドン

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784001146257
ISBN 10 : 4001146258
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

1945年2月。長引く戦争とたび重なる空襲で、人びとは疲れ切っていた。長くつづいたナチ体制はほころびはじめている。アッカー通りのアパートで祖父母と暮らすエンネは、自分や家族にまつわる秘密を少しずつ知っていくが…。中学以上。

【著者紹介】
クラウス・コルドン : 1943‐。ドイツの作家。ベルリン生まれ。東西ドイツの分裂後は、旧東ドイツの東ベルリンに育つ。さまざまな職業を経たのち、貿易商社につとめ、インド、インドネシア、北アフリカを訪れる。1972年、西側への逃亡に失敗し、1年間拘留される。独居房での5か月を、頭のなかで小説を書くことで生きのびたという。西ドイツ政府によって73年に釈放されると、その後、西ベルリンに移住した。1977年にインドネシアを舞台とする『タダキ』でデビュー。評伝『ケストナー ナチスに抵抗し続けた作家』でドイツ児童文学賞受賞。『ベルリン1933 壁を背にして』で、銀の石筆賞受賞

酒寄進一 : 1958年生まれ。翻訳家。和光大学教授。上智大学を卒業後、ケルン大学、ミュンスター大学に学ぶ。ドイツの児童文学やファンタジー、ミステリなど幅広い作品の紹介を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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クラウス・コルドンにはベルリン3部作があ...

投稿日:2021/04/25 (日)

クラウス・コルドンにはベルリン3部作がある。まずこのベルリン1945とベルリン1933、ベルリン1919がある。コルドンは東ドイツから西ドイツへ移住している。俗にいう亡命ではないようである。いわば不本意な移住である。社会主義への思いは失っていないようである。

西口まる さん | 大阪府 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • みつ

    第一次世界大戦直後の「1919年」、ナチスが政権を掌握した「1933年」に続くベルリン三部作の完結編。三世代にわたるゲープハルト家の、ここでは祖父母に育てられる十二歳の少女エンネが主人公。冒頭の描写は(表紙絵にあるように)防空壕で、既に空襲がこの国でも激化していることを知る。やがてソ連軍との市街戦が勃発し、エンネは身を守るため少年の姿にさせられる。やがて敗戦。最後は強制収容所から生き延びた人たちが戻ってくる場面。「大喜びするおおぜいの人を見るのは(中略)もしかしたらはじめてかもしれない。」(p375)

  • ケイトKATE

    第二次世界大戦におけるドイツの敗戦から、『ベルリン三部作』の完結編である第三部が過酷な内容であると覚悟していたが予想以上だった。第三部はヘレの娘で12歳になった主人公エンネが、祖父ルディと祖母マリーと一緒に連合国軍の空襲から逃れる様子から始まる。度重なる空襲は、ベルリンの人々を厭戦気分にさせヒトラー支持者の人間も変節するほどの激しさだった。そんな死と隣り合わせの中で、エンネはそれまで知らなかった真実を知ることになった。父ヘレが政治犯として強制収容所にいること、母のユッタがナチスによって拷問死したことを。

  • しゃん

    このベルリン3部作の1945年は、ヘレの娘であるエンネが主人公。1919年、1933年からこの1945年に至ってゲープハルト一家はますます社会の渦に飲み込まれていく。ベルリン陥落の実態がこんなにも悲惨なことだとは全く知らなかった。言葉で簡単に表現できないほどの惨状。市街戦のおぞましさ。戦争に勝者はない。この上巻を読んで、「強圧、略奪、追放、悪意、支配、ひどすぎる」といった佐野元春のShameの歌詞を思い出した。下巻、とうとう最終巻へ進む。

  • ぐみべあ

    ベルリンがソ連軍に降伏しても戦争は終わりではなくて、ソ連兵による射殺、女性への暴行、財産の略奪など、痛ましいできごとが続く。「やめてくれ」と懇願しても、「ドイツ軍もソ連で同じことをしたからその報復だ」と。戦争とはこれほど過酷で、国々はこれほどまで憎み合い、その憎しみが次の戦争を生むという連鎖が起こっていたのだとわかった。ソ連やドイツが残酷だという話ではなく、他の国(日本も含む)も同じような侵略、略奪を行なっていたのだろうと考える。

  • かもすぱ

    ベルリン三部作の第3部上巻。またも主人公は交代して、第1部の主人公であるヘレの娘12歳のエンネの視点で、ベルリン陥落目前から物語が始まる。熾烈な空襲・爆撃の息苦しさの描写が続き、空腹と消耗が繰り返される。全てが終わることを望み、終わったそばからソ連軍の簒奪でまた擦り減る。戦闘が終わっても生活が即座に薔薇色になるわけもなく、あくまでも生活は地続き。前作までの登場人物の若い男はだいたい死んでる...。誰もが言い分を持っているけど誰も正しく在れない時代なのか。

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