アントーン・パーヴロヴィチ・チェーホフ

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新訳チェ-ホフ短篇集

アントーン・パーヴロヴィチ・チェーホフ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087734706
ISBN 10 : 4087734706
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2010
Japan

Content Description

ちっぽけな人間。だからこんなに愛しい。ロシア文学研究者で名エッセイスト沼野充義によるみずみずしい新訳で贈る、“人間を描く天才”チェーホフの名作短篇13と、エッセイとして楽しめる充実した解説。

【著者紹介】
アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ : 1860.1.17‐1904.7.2。ロシア小説家、劇作家。南ロシアのタガンローグ生まれ。16歳のとき実家が破産、一家は夜逃げ同然にモスクワに移る。モスクワ大学医学部に学び医師となるが、学生時代からユーモア短篇を大量に書いて一家を養い、やがて本格的な作家として高い評価を受けるようになった。90年には結核の身をおしてサハリン島におもむき、住民調査を行う。99年夏にはクリミア半島のヤルタへ転居。1901年、モスクワ芸術座の女優オリガ・クニッペルと結婚。その3年後、ドイツの療養先で亡くなった。短い生涯に数百の短篇と18篇の戯曲を執筆した

沼野充義 : 1954年東京生まれ。文芸評論家、東京大学教授。専門はロシア・東欧文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • buchipanda3

    短編や戯曲で知られる著者の作品集。翻訳者による解説が一篇ずつ丁寧に語られ、読みどころや著者の意図など物語を味わうのを手助けしてくれるのも良かった。チェーホフの魅力を引き出している本だと思う。話を読んで目を引いたのは人の描き方。先入観のなさそうな視点で気取らず明け透けに描写され、単純なようでその背面にある人の心の複雑なものも感じさせる。どことなく感情面の強さも垣間見えた。またユーモラスさやもの哀しい情緒的な表現も印象的。「ナッちゃん、好きだよ!」と「うゎおう!」が頭に残った。ロシア文学をもっと味わいたい。

  • らぱん

    @沼野充義が選んだ13編の短編でそれぞれに付いた解説も良く、にわかチェーホフはまりの自分には勉強になった。訳の文体は現代的であり、極端な例では「キモい」などと口にする人物がおり、その軽さに驚いたが同時に新鮮で慣れてくると可笑しさを味わうのには中々良いのではないかと思えてきた。 登場人物のほとんどが、豆腐の角に頭をぶつけて死んじまうようなヤツらで時々本当に死んでしまったりするのだが、そんなことをニヤニヤ笑っていると、いつの間にか自分の頭にコブがあり、どうやら豆腐の角にぶつけたようだと気が付くことになる。A↓

  • AICHAN

    図書館本。解説付きチェーホフの短編集。「かわいい」「ジーノチカ」「いたずら」「中二階のある家」「おおきなかぶ」「ワーニカ」「牡蠣」「おでこの白い子犬」「役人の死」「せつない」「ねむい」「ロスチャイルドのヴァイオリン」「奥さんは子犬を連れて」を収録。どの短編も深い思惑も感じられたが軽妙洒脱で読みやすい。新訳のせいもあるだろう。「キモい」なんて表現も出てきて驚いた。各短編のあとに訳者がしゃしゃり出てきて長々と解説を加えるという面白い趣向。おかげで各短編の成り立ちやチェーホフの人となりなどがよくわかった。

  • あじ

    『この新訳で目指したのは、精確さをとことん追及しながらも「これがチェーホフだ!」と、作家の魅力がずばっと現代の読者に通じるようなテキストを作ることだった』訳者が語気を強めているように、チェーホフの意図をミリ単位で探った翻訳の調整が秀逸。これまで日本で踏襲してきた短編タイトル、例えば【可愛い女】を改変し訳者は【かわいい】とした。なぜ“女”を取ったのかについて、精緻な説明がなされており一読三嘆であります。ユーモアとペーソス、そしてアイロニーに富んだチェーホフの短編に幕が下りる度、訳者の明解な解説があります。

  • zirou1984

    よい。明るさのなかにも陰りがあり、暗さの中にもユーモアのあるチェーホフの短編はどれも簡潔ながら余韻の残るもの。それを翻訳者の沼野氏はより市井の感覚に近づけた訳文で再構成したのみならず、それぞれの短編に加えられた丁寧な解説が、当時の時代背景やチェーホフの生涯について掘り下げることで作品の魅力を一層引き立たせるようにしている。それにしても「ワーニカ」の解説にある通り、当時のロシアは識字率が30%を切っていたというのはやはり驚かさせられるし、だからこそチェーホフのユーモアが一層魅力的に感じられるのだ。

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