軽快でポップでちょっとひねくれたピロウズらしい作品。個人的なハイライトは最終曲M10。3分半のロックンロールならぬ2分半のロックンロールなこの曲は、詞、メロディ、アレンジが全て最高で、その上、各々の楽器に見せ場があり、聞き所をこれでもかとギュウギュウ詰めにしながら、あっさりスコンと終わる。M10といい、空中レジスターといい、短い曲こそ彼らの真骨頂なのかも。そして、こんなちょっと変わった名曲をアルバムの最後にもってくるあたりも非常に彼ららしい。

ピロウズ程アルバムのオススメが難しいバンドはそういない。例えば、ミッシェルガンエレファントなら「ギヤ・ブルーズ」、ブランキージェットシティなら「BANG!」や「C.B.JIM」といったようにバンドの決定的な沸点を記録したオリジナルアルバムが残されている。かといって、ピロウズのスタジオ作品が劣っているとは絶対に言えない。「PLEASE,MR.LOSTMAN」以降、沸点と「思わせる」作品を何枚もリリースし、現在進行形で沸点を更新し続けるバンドである。そのため、この作品がとっておきのオススメと決めることができない。それゆえのベスト盤。一枚にまとめられた名曲群はオリジナルアルバムの中での輝きには勝らないにしても、一つ一つがどれも眩しい。数年前に出たベスト盤であるが故に、以降の名曲は抜けているにしても、今尚ライブで歌われ続けている曲が多数。ピロウズを聴くならまずこのアルバムから。そして気に入った曲からオリジナルアルバムへとどうぞ。

素晴らしい。20周年で注目が集まっている、チャートにランクイン、バンド史上過去最高の状況の中でリリースの今作。まっっっったく媚びてない！一見さんお断り、とでも言うかのようなひねくれ・変則・オルタナ、いわゆる山中さわおの世界がこれでもかというくらい炸裂している。バスターズは安心してくれ。どんなに状況が変わろうとピロウズは変わらない。山中さわおは変わりはしない。どんな時でも満足しないで、この世界と折り合いをうまくつけられずにいたあの頃と同じ。そんなことを思わせてくれる。名曲�Gが浮いちゃうんじゃないかと思うくらいだが、見事にぴったりはまっているのもすごいところ。まさに捨て曲なし！オルタナ満開の中でも�Eは一際輝きを放つロマンチックな楽曲。この辺が山中さわおのソングライターとしての才能です。脱帽！

20周年記念のアコースティックツアー完全収録。コアファン向けアイテムなのは間違いないといえど、コアファンなら絶対にマストアイテム。ライブ初披露楽曲や代表曲、新曲、カバーもあり素晴らしい内容！チケット即完のプレミアライブは必見です。座って歌えばさわおさんやっぱ歌うまいんだなと確認できますｗ

fool on the planetの続編的KINGベスト。この２枚とROCK STOCKがあれば入門としては最適！もちろんコアファンも見逃せない。未発表曲「FLAG STAR」はもともとシングル候補だっただけに、ベストに入っていても全く遜色のない名曲。スケアクロウあたりの歌い上げ系の名曲です。全曲リマスターなのもうれしいところです。

再録音源が５曲、新曲が１曲とコアファンにも嬉しいニューベスト。２０周年にはふさわしい。しかもその新曲が涙涙の1989。山中さわおが東京に上京してきた頃の思いが炸裂した久々の孤独感全開のナンバー。ここから入った人は、オリジナルアルバムを全部聴いてpillowsの歴史を全て知ればまたこの曲が違って聴こえるはず。

音楽が好きで、バンドが好きで、このＣＤが少しでも気になった方は、是非手にとっていただきたいです。絶対に絶対に損はしません。日本のロックバンドの最高峰の一つです。

10年以上前のライブ映像だが、ボーカル山中の声は現在（2009年）よりもよく出ているし、演奏も申し分ない。個人的には、このあたりの時期が(曲の質の高さでいえば)ピロウズのピークであったと思う。

以前に比べて曲の質が明らかに落ちてしまっている。歌詞もさして印象に残らない。「ストレンジカメレオン」など、数々の名曲を生み出していた頃の鋭さはどこへ行ったのか。

今までのポップでソウルなピロウズが、ただポップなだけのバンドになってしまったような気がする今作